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【事件激情】サティアンズ 第二十五解【地下鉄サリン事件】

title前解へ戻る39  title目次へ39  s00主な登場人物01  s00事件関連年表01 


s25とろりしん

s25ひーる 
s地下鉄車内足下0280 
s25s地下鉄OL2人00251

s25おんなかおうえ s25おんなかおした

s25おんなめ s25おんなくち

s25たいない 
s25しなぷす 
s25あせぷた



午前8時9分


最初の通報茅場町駅からの119番。


客が痙攣している




午前8時10分、つづいて築地駅から──

電車が爆発、乗客が鼻血


午前8時15分──

NHK速報東京地下鉄異臭発生


午前8時16分──

東京消防庁聖路加国際病院救命救急センター、最初の電話連絡。

茅場町駅爆発火災、ケガ人の受けいれ準備願います”

まちがってるし。


午前8時17分──

最初の110番八丁堀駅

s11警視庁 
午前8時21分──

警視庁通信指令本部から>所轄管内へ、最初の指令

“場所が八丁堀2丁目22番、日比谷線八丁堀の駅、病人2名、気持ち悪くなった者2名いるそうです、あるいは事件事故等やもしれませんが、詳細判然としません”


午前8時24分──

日比谷線築地駅、現在電車が止まっている模様ですが、ガソリンの臭いがし、車両の中にガソリンを撒かれたうんぬんの内容です。最優先で調査せよ、どうぞ”

日比谷線神谷町駅、同署で車内でシンナーの臭い等がして苦しいと”


現場のひとつは霞ヶ関」と聞いて、

s25ほんごう 公安1課係長本郷@警部 
ええいっ、行った方が早いっ

s25ええい

刑事警備生安班長主任たちも同じく駆け出す事件現場で起きてるんで。

s25げんばで 
s25つうしんしれい 
110番を受ける通信司令室には、パトカー機捜隊からも情報が次々と、

「歩道上に何人も倒れている模様」
本願寺の境内で40から50名が、いずれも倒れている状態です。脈のない者も」
現場5か所以上の駅」「複数の駅」「ガスという情報もあり」
「正体不明なるもガス吸引による負傷者多数」「霞ヶ関」「小伝馬町──

s25なんだ 
「なんだ、どうなってるんだ!


s25ほんしょくは 
「ち、ちょ、長官閣下でありますか。ほ、ほ、本職は、白鳥警視の代理でお電話させていただいております──」

s25あねさ

姐さ──いえ白鳥警視が倒れてしまい、おそれながら代理にて長官に伝言を──”

s25ちかてつがあぶないnew

地下鉄が危ない白鳥警視は申しております。走行中の地下鉄車内化学テロの可能性があると。大至急都内地下鉄に厳戒警

救急車通りまーす!

pipo.jpg

脇に寄ってください! 道を空けて下さーい!

s25s22君は警視庁の動き251 
「……残念だが、遅かったようだ」


s25きゅうきゅうたい01 
s25おそかった02s25おそかった04

s25おそかった05 
s000あぶない400 
危ないっ

s000がすでて400

ガス出てるからーっ



s0uoサティアンズタイトルz

1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件の状況、警察自衛隊病院東京消防庁の活動は、公開された情報にもとづく。
登場する公官庁、企業、機関、組織、部局、役職もすべて実在する。
白鳥百合子はじめこの色で示されるのは、架空の人物であり、実在する人物、事件、出来事と架空の彼らの交差する部分は、例によって創作全開ソースは妄想なんであるが、その内容には一応意図がある。

また警視庁が2015年1月14日に公開した事件当日の交信記録にもとづき、
内容の一部を加筆、再構成している。




s25cptアポカリプスナウ 
line_cross5_450_copy_red.jpg



警視庁17階 刑事部対策室オペレーションセンター

s25いしかわ 
石川重明@刑事部長、到着。

「状況は?」
現場10か所以上。ボディカウント増え続けています」
原因はなんだ!」
「不明です。まもなく機捜が現地に到着します」

さらに、

17階 警備部総合指揮所にも警備部交通部幹部が集結、
14階 公安部指揮所にも公安幹部が集合。

s17ある妄想警察庁 
一方、お隣の警察庁でも、4階総合警備対策室幹部一同が駆けつける。
ここでは全国の警察無線が聴けるのだ。

s25きそうたい 
“こちら機捜第1築地駅に到着した。
地下から出てきた被害者呼吸困難有毒ガスの模様”


s25_new09z.jpg 
機動鑑識課員地下鉄構内無謀果敢に突入、

s25きどうかんしき 
「ホーム上に不審物を発見」

s25もしもし 
「もしもし、本郷だ、いまホームにい……もしもし」

s25くそきれた 
「もしもし……くそ、切れた。やっぱ地下じゃつながんねえか」

地下鉄駅携帯電話がつながるようになるのは、この1年後。

警官たちは原因がなにかピンとこず、手で仰いで匂いを嗅いだり
あとで思えば信じられんデンジャラスな行動をしていた。

しかもこのときなんとまだホームは立入禁止にすらなってない。

さっきから「日比谷線は発車見合わせております」とテンパって構内放送してるんだけども、発車見合わせなんて東京地下鉄じゃ珍しくないんで、どうせすぐ再開だろ、と見込んだ乗り換えの通勤客がかまわずホームにどんどん降りてきて、

駅員さーん」

s25さいかい 
「すみませーん運転いつくらいに再開します?」
「いや、まだいつか分からんのです」
「なにかあったんですかー」

危機感まるでなし。

s25やくひん 
「車内で薬品がまかれて倒れた人も。あれ? ぼくも目が見えなくなってきた
「……え?

とかやってる向こうで車内の水たまりを調べてた鑑識課員が急にふらふらして、

s25たおれた 
倒れた。

s25しっかりしろ 
「おい、大丈夫か、しっかりしろ!」

s25あれは 
「おい、ホームに人入れるな!まだ危ないぞっ」

s25やられたのか 
あれは?

s25あいつらの 
やられたのか。あいつらのしわざか。

白鳥の読みどおりだ、先制攻撃してきやがった──

s25せんせい 
あ、くそ──

s25しまった 
しまった──


警察庁警視庁で、30名以上の警察官職員が“被害”を受け……
 ……公安部の欄には警部クラスの名前も……』


s25けいぶのなまえも 
しらとり──


『多くの捜査員は、危険をかえりみず、まず現場に向かった。
 警察官としての本能が悲劇を生んでいた』(麻生幾極秘捜査」より)



s25えきいんもばたばた 
まもなく駅員も次々と倒れていく。

緊急放送緊急放送、駅構内からただちに避難して下さいッ

当初、なにが原因か分からないまま、消防隊員警察官営団職員地下鉄駅内に飛び込んで素息素手救援活動二次被害を受けた。


警視庁警備1課機動隊10個大隊総動員を指令。強制捜査の準備は吹っ飛んだ。

s25けいびしゃからs25かんぜんそうびの 
急派された警備車から完全装備の機動隊が勇ましく駆けつ──

s25たいいんがしゅつどう


s25これおれら01s25これおれら02 
s25これおれら03s25これおれら04


s25たいいんがしゅつどう 
…これ、おれら何すんだよ。

ジェラルミン盾警棒放水催涙ガスも通用しない、姿なき


警察庁長官室

垣見隆@刑事局長
s25かきみ 
長官、これはオウムのしわざです」

s25さりんかおそらく 
サリンか」
「おそらく」

s25けいさつのまけ 
「……警察負けです」

負けだと? なにごとだ!

s25けいさつかんじゃ 
君には対決する姿勢がないのか!

s25まけだと 
君は警察官じゃないのか!


mark8_60.jpg 


事態はいくつもの路線車両同時多発進行的に、
秒を追うごとに悪化していった。

s25ひびやせんs25とうぶどうぶつ 
日比谷線@東武動物公園行B711T

平日の東京地下鉄朝7時8時は、寿司詰め分子レベルまで癒着一体化しそうな状態なんだが、学校が春休みに入ったんで通学客が減った分、
ちょっとだけ押し寿司具合がゆるめになっていた。

豊田亨恵比寿で電車を降り、発車まもなく、それは起きる。

s25あいつらの 
サリン@イソプロピルメタンフルオロホスホネート

外気にふれるとすぐ気化目の粘膜呼吸皮膚をとおして人体に侵入>
筋肉神経のつなぎ目にとり憑いて>脳からの信号受信を麻痺させて>

s25おしずし 
たった2、3秒凶烈症状が出る。

>目がチカチカ、視界が暗くなる、視野狭窄>

s25ちかちか 
>眼痛、頭痛、涙あふれる、咳、くしゃみ鼻水>

s25えびすで 
>呼吸困難、嘔吐、意識障害、興奮、錯乱>

s25こきゅうを 
>意識混濁、体温上昇、痙攣、昏睡──

いちばんヤバいのが、呼吸器系神経がやられることで、
つまり呼吸をつかさどる筋肉が働かなくなる>

s25いきが 
>>息ができなくなる。

3駅目の神谷町駅に来る頃、車内は大混乱。

s25じごくえず

そんな地獄絵図が展開されてるにもかかわらず、怪しい新聞紙包み駅員が取り除くと>1両目だけ誰も乗らないものの、ふたたび運転を続ける。

恵比寿広尾神谷町霞ヶ関

東京月曜ラッシュ時は、複雑緻密に組み合わさった運行ダイヤにのっとって粛々とサラリーマンを職場へと輸送するのがなにより優先事項で。
その聖なる営みをぶった切ろう、なんて考える人間は誰もいなかった。

s25はいだす 
霞ヶ関でようやく運行停止。人々は必死で地上へと這い出す。


s25よよぎうえ 
千代田線@代々木上原行A725K

林郁夫サリンの袋に穴を開け、新御茶ノ水駅で下車。

新御茶ノ水大手町二重橋前日比谷霞ヶ関

s25にじゅうばし

二重橋前を過ぎる頃から目がおかしい息苦しいの声

新御茶ノ水大手町二重橋前日比谷霞ヶ関

s25のがれ 
霞ヶ関駅乗客たちがホームに逃れ、倒れ。

s25じょやくs25あいついで 
霞ヶ関駅助役電車区助役の2人が、
濡れた新聞包み布製白手袋@液体スルーで片付け、相次いで倒れた。


s24おぎくぼいき 
丸ノ内線@荻窪行A777

s000ちかてつこうない 
広瀬健一御茶ノ水で降りてまもなく、乗客たちに異変が。

にもかかわらず営団運転指令所へ伝わったのは刺激臭不審物」だけで、大した問題ではない、と判断されたのか、

御茶ノ水淡路町大手町東京銀座霞ヶ関国会議事堂前

停まりゃしねえし。


s24なかめぐろいき 
日比谷線@中目黒行A720S

秋葉原を出てすぐに、
ゴムの焼けるような刺激臭」が車内に充満。
林泰男8つも穴を開けたんで気化したサリンも多量で、

s25はかいりょく

破壊力極悪だった。

秋葉原小伝馬町人形町茅場町八丁堀築地東銀座銀座日比谷霞ヶ関

車内はたちまち狂乱状態。
次の小伝馬町濡れた新聞包みに気づいた乗客、

s25けりだす 
こいつのせいか!
ホームに蹴り出す。

s25きかさせ

例によって電車は停まることなく、
床にしっかり広がったサリン気化させっぱなしで発車。

s25にんぎょう 
秋葉原小伝馬町人形町茅場町八丁堀築地東銀座銀座日比谷霞ヶ関

何も知らない新しい客が乗ってきて次々とサリンを吸った。
八丁堀駅に停まる頃には車内はふたたびパニック再発。

s25とめろs25うおお 
うおおおお」「窓開けてくれ!」「目が見えない、目がーっ
ドア開けろお」「電車とめろー

にもかかわらず地獄列車はさらに予定どおり平常運転を続け、

s25あきはばら 
最初に乗客倒れてから5区間も進んで、各駅でサリンを撒き散らかした。

どう考えてもとっとと電車停めろよなんだが、精緻に編み上げられたサラリーマン輸送システムは1人2人の人間の意志だけでは止まらない。
まさか治安のいいニッポンのしかも東京都心化学兵器なんて、
日本いや世界の誰も想像すらしてなかった。

s25ぼたん 
5分後、誰かが緊急停止ボタンを押す。

『ただいま非常停止ボタンが押されました。
押した方、次の築地駅で申し出てください』


なんもわかってない車内放送。そういう問題じゃないだろ。

s25つきじです

築地築地です。えー、ご乗車の皆様、病人のかたが1人倒れましたので──』

s25あふたり 
『あ、2人倒れました。え? あ、3人

s25ささんにん 
『さ、3人倒れま──』

s25なんだこれは04s25なんだこれは01 
あーっなんだこれはー!
s25なんだこれは03s25なんだこれは02 
わーっどうなってるんだどうなってるんだどうなってるんだー!

s000ぽあされて 
改札を開放します! 今すぐ避難してください!

s25えきちょうは 
築地駅駅長、なにも知らず駆けつけて、原因らしい濡れた新聞包みを片づ

いきなり倒れる

サリンが狭いホームに置き去り状態になって、悪魔の瘴気を発散し続け、
ホームを逃げる乗客襲った。

s25こでんま 
さらに新聞包み@サリンが蹴り出された小伝馬町のホームでは、
足止めを食った後続電車乗客、ホーム反対車線の北千住行電車乗客が、
サリンただよう窒息地獄の空間に放り出される。

s25こうぞく 
さらにさらに後続電車は、八丁堀茅場町人形町で運転を打ち切る。
が、
ここでもホームに舞うサリンが避難しようとする乗客たちを待ち受けていた。

s24まるのうちせんいけ 
丸ノ内線@池袋行B701

一方、横山真人が1袋に穴1つ空けただけだったこの電車は、
サリンの影響が他にくらべて激しくなく。

四ツ谷赤坂見附国会議事堂前霞ヶ関銀座東京大手町淡路町御茶ノ水本郷三丁目後楽園茗荷谷新大塚池袋

なんとなく運転続行。さらに終点の池袋でとうぜんのごとく折り返して、
本郷三丁目駅員が床に広がるサリンモップで掃除。

もちろんそのまま乗客満載で走り続ける。


午前8時35分──

日比谷線各駅に急行した所轄署員から次々と速報が飛び込んでくる。

s25_new04z.jpg 
日比谷線築地、駅構内付近、相当の異臭レスキューの要請を願います”
八丁堀の駅、女性2名、人工呼吸中。救急隊員の話によると危ない状況”
築地駅20から30名くらいが、口鼻等から出血呼吸困難で立ち上がれない状態”


s25_new12cz.jpg 
小伝馬町駅、歩道に上がってきた30名から40名の者”
“なお1名については現在意識不明の状態”


さらに千代田線からも。

国会議事堂駅構内においても、女性1名男性2名の計3名がホーム上に倒れている模様。原因については現在調査中”

じつはこのときまでに、茅場町駅で聞き込み中の署員から、

「新聞紙に包んだ、濁った液体から悪臭がした」

と、最も早い「新聞紙に包んだ」液体悪臭って正解がもたらされたんだけども、情報が断片的すぎたんで他の膨大な報告に紛れてしまった。

s25_new13z.jpg

日比谷線、複数駅と電車で被害爆発的に広がってもうどうしようもなくなり、

s25_new08z.jpg 
ついに運転打ち切り。
電車と駅構内にいる乗客を避難させる。

が、千代田線丸ノ内線被害運転指令所にうまく伝わらず。
相変わらず汚染車両は走り続ける。

s25ふうさ02s25ふうさ01 
緊急車両を通すため、日比谷通り交通封鎖。平日の朝なのに首都中心の大通りをなんも車が走ってない奇怪な光景が。


午前8時40分──

s25_new02z.jpg 
警視庁から各局、本日8時25分頃、築地愛宕麹町管内等の地下鉄駅構内で、”

s24_new03z.jpg 
爆発物を使用したゲリラ事件が発生した”

思いっきし間違えてるが、この時点では情報が錯綜しすぎてるんで。

ちなみにこの1995年当時、テロの呼び名はゲリラ事件なんである。

だが、まもなく、


午前8時46分──

八丁堀駅で聞き込み中の中央署員から事態を一変させる報告が。

s25_new06z.jpg 
“満員の中目黒行きの電車に乗車中、新聞紙に入った液体ひとつ、これが目の前に落ち、見ると、中から溶け出し、ものすごい異臭がした。
その者は急いで停車した小伝馬もしくは茅場町駅物体を車外に蹴り出した、
このような言動ありどうぞ”


「その液体は当初どこにあったんですかどうぞ」

“(先ほどから言ってる通り、何者かが新聞紙に入った液体を落としたと”

警視庁了解。落とした者については、人着等、判明していないかどうぞ」
“その通りです”

ここでようやく警視庁は「故意にまかれた有毒ガスらしい何か」が原因、と悟る。

これが反映されるのがようやく、

午前8時53分──

s25_new01z.jpg 
警視庁から各局。薬品から発生したガス、一時呼吸困難に陥る状況になる模様。
よって不注意に中に入ることなく防毒マスク防毒マスク等使用。
とくに受傷事故防止に留意されたい」

s25_newz.jpg 
警視庁から丸の内、同不審物件については絶対に手で触ることなく、
臨場防毒マスク等をつけた警戒員などよろしく願います」


mark8_60.jpg 

午前8時56分──

テレビ第一報は「おはよう!ナイスデイ」@フジテレビ

「ただいまニュースが入りました」

s25しんなー 
シンナーのような刺激臭のものがまかれ──」
神谷町駅30人ほどが倒れて──」

これがあれほどの大惨事の始まりだなんて、このとき世間はかけらも予想してない。


午前9時──

s25つきじしょ 
築地署捜査本部設置。
300人編成ってことになり、本庁および所轄から捜査員がかき集められた。


警視庁 本富士署 
s19本富士署 
「うちからも応援を出す。君も築地署に急いで捜査本部に加われ」

s20不慣れですが 小杉敏行巡査長@警備課公安係@オウム警官
「分かりました」

なんとオウム警官捜査本部に加わる。


午前9時20分──

霞ヶ関駅に向かった麹町署員から、不審物情報が。

霞ヶ関の駅事務所、形状不明なるも不審物件2個

s25new16z.jpg 
“先頭車両に新聞紙に包んであった段ボール様のものから液体が流れているのを発見し、霞ヶ関駅で開けたところ一気に液体が流れ出し、多くの負傷者が出たと”
1個については現在、駅側の金庫内に封印をして置いてありますどうぞ”


警視庁了解、これは、液体等漏れる、ガスが漏れる等、状況はいかがどうぞ」

“了解しました。ガスが漏れるような状況がありますので、完全密封の金庫内に現在は封印して置いておりますどうぞ”

s25すいき なんと素息、素手で運ぶ
取り急ぎ本庁から霞ヶ関駅に駆けつけ、「新聞紙でくるまれたナイロン袋」が押収された。さらに築地駅でも不審なナイロン袋が見つかる。しかも液体が少し残って。

7つ残留物は、科捜研にさっそく渡され、
ガスクロマトグラフィーにかけられる。

s25がすくろ 
ガスクロマトグラフィーはガスをイオン化(中略)波長から物質の正体を割り出すガス分析器だ。ただし順に成分を分離していくんで時間がかかる。

まもなくジエチルアニリンの波長を検出。

s25じえちる 
警視庁刑事部対策室

ジエチルアニリン? そいつが犯人か」
「いえ、おそらくこれは溶媒です。残る成分はまだ時間かかります」

s25かがくきどう 
東京消防庁化学機動中隊も、中野坂上駅残留物を手に入れ、
その場で簡易検知を開始。簡易だけにこっちの方が早く結果が出る。

が、

消防庁簡易検知装置にはとうぜんサリンのデータなんて入力されてないんで、
解析結果>アセトニトリル

これがマスコミに伝わると、ジエチルアニリンでなくてアセトニトリルの方がなぜか「きわめて有毒」という尾びれ背びれまでついて広まる。

アセトニトリル、通称シアン化メチルを検出」
マスコミ誤報しまくりで治療現場に混乱をもたらした。


s25きゅうきゅうたい02 
東京消防庁救急隊を総動員。刻一刻と増えていくあちこちの現場に投入。

s25かみやちょう01s25かみやちょう02 
神谷町駅

s25きゅうきゅうたい04

s25つきじ01s25つきじ02 
築地駅

s25きゅうきゅうたい03

s25ぎじどう01s25ぎじどう02 
国会議事堂前駅

s25かすみがせき01s25かすみがせき02 
霞ヶ関駅

さらに茅場町八丁堀小伝馬町新高円寺御茶ノ水中野坂上──


s25しんぞう01s25しんぞう02 
とっさに心臓マッサージしてるねーちゃんの男気あふれる図がニュース映像にも残る。
だがこのあと相手の服についてたサリン彼女まで心肺停止に(さいわい助かる)

サリン化学兵器的恐怖なところで、
彼女だけでなく、素手素息ホットゾーンに入ったり被害者にふれた救急隊警官駅員医師看護婦善意の一般人が容赦なく二次被曝に遭った。

s25ぴすとん 
s25_new05z.jpg 
救急車重症者をどんどんピストン搬送。

s25きゅうごしょ01s25きゅうごしょ03 
s25_new15z.jpg 
さらに13駅付近に救護所を開き、現地での応急処置も始まる。

s25せいろかきゅうきゅう 
被害者であふれかえる築地駅に最も近い救急医療拠点は、
明石町聖路加国際病院救命救急センターだった。

とうぜん小伝馬町駅築地駅あちこちの救急隊から続々と搬送が殺到する。

まずいことに23区全救急車が一斉にあちこちの被害者を運び出したもんだから、消防庁コントロールセンターも大混乱>パンク

携帯電話もまだ普及前で救急隊員も持ってない。なので病院に連絡もとれず、
とにかく救急隊はやみくもに近場の聖路加をめざした。

聖路加でもなにが起きたか分からず。

s25きゃぱ 
ふつう救命救急センターのキャパは、1病院につき同時受けいれ4、5人が限度で、しかも命にかかわる重篤患者だと1人、多くても2人で、医師看護婦もかかりきり、もうあっぷあっぷになる。

聖路加はそのへんなんとか3人まで受け入れ可能だ、が、

s25ぼうだいな 
今回はそれはるかに超える膨大な急患が次から次から押し寄せて。

救急科だけじゃどうしようもなくなって、他の診療科や病棟の医師看護婦が応援にかり出され、待合フロアやロビーにも患者があふれ出し、しかもさらに増え。

何がどうなってるんだこりゃ。

s25_new14z.jpg 
救急医築地駅へ偵察にひとっ走り──

s25うわこれ

「ってうわっこれは──」

s25_new11z.jpg

ダメです! 5人や10人じゃない! いまの救急では対応できません!

s25いきかたbk 
聖路加国際病院院長@日野原重明、ただちに非常事態宣言、

「今日の外来手術、ぜんぶ中止
すべての患者を受け入れろ

s25そうどういん 
救急科だけでなく、外来病棟も、さらに精神科整形外科産婦人科も──
とにかく医者看護婦技師事務ボランティアも全院総動員、

無制限打ち止めなし急患を受け入れ始めた。

この日、聖路加の獅子奮迅の超絶的な活躍は、
危機管理ネ申伝説として、今に至るまで長く長く語り継がれることになる。

s25ついん 
巨大なツインタワーが目印の聖路加国際病院
ちょっとDQNネームぽいのは「聖ルカ」のむりやり漢字である。

1992年新病院建物一式が完成>移転したばかり。

s25いきかたbk 
設計は、カリスマ院長日野原重明が自ら采配した。

この巨大建築群ができたとき、同業者たちは常識破りの構造に驚き、
「宮殿かよ」「ムリ・ムダ・ムチャ」と呆れてせせら笑った。

s25ろびーs25ろうかs25ちゃぺる 
なにしろロビー廊下礼拝堂、なにもかもむやみやたらとド広い。
さらになぜか廊下礼拝堂の壁にまで酸素配管がとりつけられていた。

病院は病床数をできるだけ多くしないと採算が取れないんで、経営目線からみても金を生まない“死にスペース”が多すぎる無謀なつくり。

廊下や教会にベッドを並べるおつもりですかなほほほ。
日野原先生とち狂いましたなほほほ。

でもじつはこれ、凡百の病院屋には思いもよらない、
固い信念のもと緻密に考え抜かれたネ申設計で。

s25ていとくうしゅうし 
日野原重明@生きかた上手、若き医師だった太平洋戦争末期、
東京大空襲で焼け出された都民が、ろくな治療も受けられないまま野外で苦しみ死んでいったのをどうしようもできなかった苦い記憶がある。

もう二度とそんな悲劇はくりかえしてはならん!

そういう使命感のもと誕生したのがこの新生聖路加なんである。

わずか3年後にその超級機能を発動させるとは、
さすがの日野原本人でさえ思いもよらず。

s25いそげ 
急げ急げっ! 早く次の救急車に場所空けろっ

s25どんどん 
ふつうの病院なら考えられない数の患者がどんどん運び込まれ。

救急車だけでなく、警察警備バスタクシー、通りすがりの一般車、さらに徒歩でやってくる被害者が次から次へと。

s25いきかたbk 
最初は院長本人が、つづいて桜井@副院長救命救急センター入口に門番のごとく立ちはだかり、次々とやって来る患者トリアージを一手に引き受け、

中症、9階!」「軽症、2階ね!」「この人はチャペル」「すぐICU!
重症度ごとに患者を猛速で振り分けていく。

s25あきべっど 
空きベッド確認ッ」「車イスストレッチャー集めろ!」「毛布ありったけ!」

広い廊下待合室フロア礼拝堂が、即席救命救急センターに早変わり。

s25てんてき 
壁の配管人工呼吸器をつないで、廊下にロビーに点滴スタンドが立ち並ぶ。

これこそ異色な設計のねらいだった。

s25やせん01 
こじゃれて真新しかった院内は、みるみる壮絶な野戦病院化していく。

s25やせん04s25やせん02 
医師看護婦、さらに今でいうコメディカルも、
パニくることなくこの修羅場にてきぱき対応。

なんとこの日、聖路加は、救急車搬送重篤者99名、急患640名を受け入れる。


一方、救命救急センター

s25これはいったい 
「これは一体なんなんだ?

すでに1人は到着してすぐ死亡を確認。
さらに4人CPA@心肺停止で運ばれてきて蘇生に取り組んでるんだが……、

原因が分からん。
外傷はない、なのに心肺停止。

「視界が暗い、頭痛、頭が重い、目が痛い、息がしにくい、胸が苦しい、鼻水」

目が見えない筋肉麻痺呼吸不全死にかけている。

s19縮瞳だ 
しかも縮瞳とくれば──

「くそ、有機リン酸系の中毒しかあり得んぞ」

s25のうやく 
「しかし、あれは農薬ですよ? この都心ど真ん中の地下鉄でなんで農薬?」

症状だってあまりにも激烈すぎる。
一体なにが起きたっていうんだ?

s25しょうぼうのひと 
「先生、消防の人がアセトニトリルだって言ってるそうですが」
「はぁ? アセトニトリルう?」

実験とかの溶媒に使われるシアン系有機溶剤で、たしかに劇物指定、だが、
これ症状シアン系とはぜんぜんちがうし、

「あれはこんなムチャクチャな猛毒じゃないぞ」

なんなんだこりゃ!


s25しらとりさーん 
白鳥さーん、ごめんなさいね。いま急患が大勢来てるから、
申し訳ないけどべつの病室に移動を──」

s25いどうを 
白鳥さん!?


s25こっちてんてき03

「こっち点滴! 急いで!」「吸引早く!

kako-WEHO9MDvjz8kQGfX.jpg

「呼吸が──」「しっかり! 助かるからね!

s25こきゅうが01

s25おいさんそ

「おい、酸素マスク追加!」「毛布もっと持ってこいっ

s25こきゅうが02s25やせん03 
s25もうふもっと01

この日、済生会中央病院も一般外来打ち切り>被害者数十人を受け入れる。
虎の門病院重症者など多数ひき受ける。
被害者の搬送先は都内の多くの病院にわたった。


mark8_60.jpg 


「番組の途中ですがニュースをお伝えします」

s25ばんぐみの 
今朝8時過ぎ、東京営団地下鉄日比谷線の複数の上り電車の車内やホームで、激しい刺激臭がして、警視庁の調べによりますと、ラッシュ時の乗客100人以上が病院に運ばれ、うち10名意識不明重体ということです。

s25_new07z.jpg 
放送局@除く教育がなんとあの安心安定のテレ東もふくめて緊急放送にチェンジ、

地下鉄刺激臭が発生し、これまでに150人以上が病院に搬送され──」
築地駅茅場町駅霞ヶ関駅八丁堀駅異臭

s25けさはち 
「今朝8時19分頃から150人以上が不調を訴え」
10数人重体
警視庁薬物のようなものが──」


mark8_60.jpg 

s25おぎくぼいき 
丸ノ内線@荻窪行A777

サリン気化中のまま運転続行中。
中野坂上駅駅員重症者を搬出、
不審物つまりサリンの袋を回収したものの、

霞ヶ関国会議事堂前赤坂見附四ツ谷四谷三丁目新宿御苑前新宿三丁目新宿西新宿中野坂上新中野東高円寺新高円寺南阿佐ヶ谷荻窪

そのままなんとはるか終点荻窪まで行っちまって、

s25へいじょうどおり 
ってだけでなく、これまた信じられないことに、
平常どおり折り返して運行続行。もちろん新しい乗客を乗せて

新高円寺南阿佐ヶ谷荻窪

s25あらたにのった 
とうぜん新たに乗った乗客たちもサリンにさらされ、


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