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【事件激情】サティアンズ 第十三解【地下鉄サリン事件】

title前解へ戻る39  title目次へ39  s00主な登場人物01 


「僕はいま麻原と思想的に格闘している
坂本さん一家がかわいそう』などという低次元の話に引きずりおろさないでほしい
くだらないことで議論して、麻原にバカにされたくないんだよ」

   ──吉本隆明ばななのおやじ)『週刊朝日』1995年10月13日号




s0rサティアンズタイトル

オウム真理教による犯行の経緯、警察の捜査は、原則公開された情報にもとづく。
ただし“丸メガネの女”こと白鳥百合子は、架空の警察官であり、
実在する人物と彼女の関わりは、創作全開ソースは妄想である。



s13cpt武士と毬藻

s06永田町宅 
s13ようしよし待たせたな 
「ようしよし、待たせたな、元気しとったか? ん?」

s13元気しとったか 
s13ご主人様はまだ 
「ご主人様はまだ帰らんぞ。しょうがない主人だな、まったく。
なあ、おまえは心配か? ま、関係ないかおまえには」


s13まいにちマnew2 
「毎日マリモのお世話ありがとうございます」

s13うきゃ 
うきゃっ

s13あのーいまマリモにnew 
「あのー、いま、マリモに話しかけてませんでした?」

「は、話しかけとらん! なんだおまえは!
暗い足元で無言の体操座りとは不気味すぎるぞ!」

佐々淳行@突入せよ!あさま山荘事件
s13なんでここにいるのだ02 
「なんでここにいるのだ」


s13たいそうnew 
「なんでって、ここ、わたしの自宅ですし」
「そういうことではなく!そしてなぜ体操をする!」
「ジャージ着るとしぜんとこうなりません?」

「まさか脱走してきたのか?」

佐々先生に一生に一度のお願いがあります」

s13まかせておけ 
「きさまー、急に先生呼ばわりとは、なにを企む」

s13ごめいnew 
「ご明察です。國松長官に会わせてもらおうと企んでいます。それも今すぐ」
「は? なんだと?」

s13たいそうをすnew 
佐々先生は長官と先輩後輩で懇意にしてらっしゃるでしょう。
著書でも先輩ヅラで自慢してますよね」
自慢しとらんわい!そして体操をするな!」

「はいはい、そうしときましょう。言い合いしてるヒマないんで。
さ、長官にアポをお願いします早く早く」

「なんでおれがきさまの命令に唯々諾々と従わんとならんのだ」
「わたし、零時に帰らないといけませんし」

s13よくもおれに頼み事01 
「ふん、よくもおれに頼み事など。
まあ、これまでの無礼きわまる言動の数々を、

土下座して詫びれば、

s13考えてやらんでも04

考えてやらんでもな


s13これでよろしいですかnew 
s13これでよろしいですか02111 
「これでよろしいでしょうか」

s13おれを女に土下座 
「わっ、わっ、いかん! 待て! ばかもん!
おれを女に土下座させる卑劣漢にするつもりか! 立て!

s13自分でやれと言っと02  
「自分でやれと言っといて、なんで怒るかな」
まさかあっさり応じるとは思わんだろふつう!
「するべきことに比べたら、わたしのおデコを床にくっつけるなんて安いものです」

「ふん、──そら、これも読んだぞ」

s07永田町レポート 
オウム真理教の実態について

「あーっ読んじゃったんですか? 機密文書なのにー」


s13なにを言うかマリモ大百科 
なにを言うか、そこの『マリモ大百科』はカバーだけで、中身はこれだったではないか。マリモの世話にかこつけ、初めからおれに読ませるつもりだろうが。

「それと巷に出回っとる、なんとかの一考察とかいうくだらん怪文書も見たぞ」
「あのダっサいのはわたしじゃありませんよ」

「わかっとる。きさまなら、あんな中途半端なものではなく、さらにひねこびて陰湿かつ相手が最も苦しみもがくよういやらしくかつ的確に仕掛けるからな」
「なんだかわたし、もの凄い悪いやつみたいですね」

口惜しいが認めよう。おれの認識不足だった。おまえは正しい。
このオウムとやらは要警戒だ。

s13こんな不埒な 
なんということか。こんな不埒な反社会集団をここまで増長するに任せるとは、
城内のアホめ。権力拡大ばかり精出しおるから肝心要がお留守になるのだ。

にしてもだ、

「なんでおまえのマリモはこんなバカでかいのだ!

s13なんでおまえのマリモは02 でーん

怖いではないか! 別のなにものかが生まれてきそうだぞ!

「いやーほめてください、ここまで育てるの大変だったんですから」
なにが目的なんだそれは!

s13言っておくが 
「などと言っておる場合ではない! すぐ出かけるぞ! いざ出陣!

「いえ、アポだけでいいですから。佐々さんは別についてこなくても」

s13戻りました、ふう02 
「言っておくが、國松城内ファミリーの次男坊みたいなものだぞ。城内に敵対しとるおまえは、姿を見せた途端に捕まるかもしれん」
「はい、がんばってみます」

國松は温厚な紳士に見えるが、ひと筋縄ではいかんぞ」
「やっぱりジャージじゃまずいですかね」

s13いえにもどnew 
「家に戻ればスーツあると思ったのに、そういえばこの機会にってぜんぶクリーニングに出してもらっちゃったんでジャージしか残ってなかったんですよ。佐々さん今お持ちでないですか、婦人用スーツとか」
「ば、ばかもの! なんでおれがそんなもん持ち歩いとるのだ!

s13しかしなぜおれに

「しかしなぜおれに? 言ってはなんだが、土田先生の方がOBとして格上だぞ」

s13つちだせnew 
土田先生は、秩序を重んじられる方ですし、やはりOBとしてお立場もありますしね」
「おれなら秩序を重んじんし、OBとしても大したことないような言い方だな」
「え、ちがうんですか?」

s13おのれええ 
おっのれええ! なんでおれは、こんなやつの、
言いなりになっておるのだ! むがー!
「もーうるさいなー、降ろしますよ?」


s13國松孝次 
國松孝次@警察庁長官

わりと「刑事」とみなされ、刑事警察系列の長官と説明されるみたいなんだが、
それは一部しか見てないからで、ちょっと華麗なる経歴をひもときますれば、

刑事だけでなく、警備公安外事警務総務人事広報、ひみつのチヨダの前身ひみつのサクラ理事官警視庁公安部長もやれば、警察庁刑事局長もやり。警察庁警視庁、大小県警本部長、さらに仏大使館出向、官邸方面。

珍しいくらいまんべんなく経験したユーティリティプレーヤーってことが分かる。

スマートな雰囲気からザ・官僚みたいに思われがちで、そういう嗅覚も鋭いけども、
一方で実戦も知ってる戦国武将型でもある。

s13学園紛争まっただ中 
学園紛争まっただ中、本富士署署長時代には、署長室火炎瓶を投げ込まれて危機一髪だったり、神田界隈の市街戦を機動隊一個中隊だけで乗り切ったり、あさま山荘事件にも佐々とともに幕僚団として参加したり、東大剣道部出身らしいというか警察の仕事を「武士道」的に考えてたり。

かつての警察戦国時代の気風をもつ最終世代の長官だった。


s13佐々さんはてな

「──佐々さん?」

s13危急の御用とは

「どうされましたか、こんな時間に危急のご用とは」

s13ん_ジャージ足

ん?

s13佐々さんも人が悪い 
「ふむ、佐々さんも人が悪い。君は、白鳥警視だな?」

s13はいたしか警視庁で 
「はい」
「たしか警視庁監察の管理下に置かれているはずだが、なぜここにいる」

s13長官にじかに 
長官にじかにお伝えしなければならないことが生じましたので、魔法を少し」

s13はいしつ 
「芋ジャージで失礼します。諸処の事情から衣装まで魔法がいき渡りませんので」

s13服務規程違反で禁足 
「服務規程違反で禁足中の警視が脱走してきて、
長官のわたしにいきなり話を聞けと。

常識で考えてそんな甘い話が通用すると思うかな」
「思いません」
「わたしと城内さんの関係も知っているかな」

s13芋ジャージで失礼 
「はい、失礼ながら、陰で3Kと揶揄されるほどご昵懇の仲です」

「君は警察庁庁舎内の機密部署で警視庁監察官に拘束された。通常ならあり得ないことだ。長官のわたしが事前になにも知らなかった、と思うかね」
「いいえ。長官もご存じのうえで、許可を出されたからだと思います」

s13つまりわたnew 
「つまり、わたしと君は真っ向から対立する位置関係にある」
「はい」

「にもかかわらずわたしが君の話を聞かなければならない理由は?」

あります


s13長官が警察官

長官が、警察官だからです」



s13話したまえ





「──話したまえ」




s13戻りました、ふう01

「戻りました、ふう」

s13どうだった02 
「どうだった?」
「んーどうでしょう」

「ところで、長官護衛が見当たりませんでしたが、人払いされたんでしょうか」
護衛はおらんだろう。いてもせいぜい秘書官じゃないか」
「え、長官なのに?」

警察官警察官に護衛されるのは恥であり士気に関わる、という考えは、
かつてゲバ学生極左と相まみえた歴代の長官総監ともに持っていたものだ」

「それは、自己陶酔とかですか?」
言いにくいことをはっきりと言うなきさまは!

s13つちだそうnew 
「わたしは土田先生の前の奥様が亡くなった事件*1を思い出します。
そんな武士気どりのかっこつけ、ばかげてますよ!

「言うな。正直おれも不賛成だ。武士は武士でも総大将ともなれば旗本が周りを固めるものだ。総大将の首はひとつしかないからな」

「珍しく意見が一致しましたね。佐々さんからも長官にあぶないからやめてって説教しといてください、いつものようにくどくどと」
くどくどが余計だばかもの」

*1=土田邸小包爆弾事件ハラハラクロック!12発目

s13話しかけとらん  
「あーやばい時間ないや、佐々さん、ここで降ろすんで、自力で家に帰ってください」
「きっさまーあっけらかんと恩を仇で返しおって」

「だから長官にアポさえ取ってくれれば付いて来なくていいですって言ったのに付いてくるからじゃないですか。あ、じゃ、ここで。はい、今夜はご苦労様でした。

あとマリモの世話、

s13いましばらくnew 
いましばらくの間、お願いします」 
「……む、任せておけ」

「感謝の印に、マリモと話してたのは内緒にしときますから」
話しとらん!

s13ふん、相変わらず 
ふん、相変わらず失敬なやつめ。

ん?

おい、ここはどこだ?

東京か、ここは? 周りに……なにも、ないぞ。

s13おーい誰かー  
おーい、誰かー、おーい


s11警視庁廊下02 
午前零時

s11ノブに掛かる手 
s11ぎいいい01 ぎいいいい

s11少しはへこんでるかと 
「おお、間に合ったか」

s13あんなに走ったのは 
「あんなに走ったのは10年ぶりです。あと10年は一歩たりとも走りませんから」
「外でなにをしてきた?」

s13んーどげnew 
「んー? 土下座、とか?」


翌朝──、
人事院ビル合同庁舎に登庁した國松長官

s13登庁した國松長官

まもなく垣見隆@刑事局長長官室に呼び寄せる。

さらに篠原浩志@刑事企画課長南雲明久@(警察庁の)捜査第1課長稲葉一次@広域捜査指導官室長、という刑事局幹部たちも呼ばれて、
長官室にこもってなにやら密談。

9月下旬のこの某朝を境に、警察オウム捜査は劇的に潮目が変わった。


第十四解 インファナル アフェア】へとつづく
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