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【事件激情】ハラハラクロック!12発目【連続企業爆破】

tocontents18.gif title11発目へと戻る18  h登場人物h20 h警察庁警視庁組織図18 


私は犯人に言う。君らは卑怯だ。家内に何の罪もない。

────土田國保 土田邸小包爆弾事件直後の記者会見にて



h12title400474c.gif

警視庁公安部による捜査は、
公になった記録や被告の手記などからだいたい事実に即してる。
「爆弾本部」も実在した部局である。

が、文書解析班をはじめとする公安部員は、
架空の人物であり、例によって妄想である。

また東アジア反日武装戦線のうち何人かはもはや真実を語ることができない。
彼らの会話や思考の多くも創作である。



titleサムライ総監参上40845

年始休みが明けて早々、1975年1月13日

h12槇野総監会見2s200 
槇野警視総監辞任

表向きは任期満了ってことなんだけども、
【連続企業爆破事件】>いっこうに解決のカの字も見えず、

h12土田邸爆破事件1s200 
【警視総監公舎爆破未遂@1971】【日石・土田・ピース缶爆弾事件@1971】
フレームアップ(でっちあげ)がバレまして。
>そこらへんのもろもろ詰め腹切らされました感強し。

h12ピース缶1s156190 
【日石・土田・ピース缶爆弾事件】警視庁は元赤軍派ほか18人逮捕して自供させた、

んだけども、
送検したらどんどん捜査の手抜かりやごまかしが発覚して起訴前からズタボロ。
東京地検も激怒「こんなクズネタ、送りつけやがって!」

けれど、もう引くに引けもなくて、誤認逮捕が透け透けの丸見えなんだけどもダメダメながら裁判の準備は粛々と進めるしかない。
裁判で大負けする最悪状態は目に見えてるのだけども。

で、のちの話だけども、


日石土田爆弾事件40年目の真実 40年目の真実―日石・土田爆弾事件
じっさい裁判は最悪よりも悪い展開に。

被告全員「拷問でウソの自白させられた」一転否認。
「本当は犯人おれでした」と名乗り出る人間まで出て、司法当局にとっちゃ惨敗。
さらに未解決に終わり、警察史に残る汚点になる。

ちなみにこのときの弁護団に弁護士時代の仙谷由人がいて、同じ事務所に修行時代のうら若き福島瑞穂もいた。この時代、反体制側にいまの民主党政権のご存じメンがうろちょろしていてなんかヘンなかんじ。

で、槇野総監はマスコミの前で大々的に解決宣言してしまってたんで引くに引けず>検察からも恨み節の目を向けられ>大不祥事になる前にそっと退場しとけ、となったんである。

でもそれ言うなら、当時の捜査本部長かつ公安部長だった、
h12三井渋2s200 
三井脩@副総監も責任大じゃね?だけども、
三井はうまい具合に立ち回って鮮やかに

h12三井逃1s150150 やばいやばいやばいやばい
h12三井逃2s163150 ハァッ
h12三井逃6s200113 やっ
h12三井逃3s163150 くるんっ
h12三井逃4s170150 とうっ
h12三井逃5s200150 えいっえいっえいっ
むっちゃ全力逃げてるやん。
てか途中のくるんっは要らんやろ。
まあとにかく逃げた。

h12総監無念s190194「心残りは爆弾事件
槇野総監、無念。
総監なのに公安部秘密捜査をまったく知らされないまま終了。

で、警視総監の後任人事では、警察幕藩体制てっぺん付近の力学が激しく脈動 

このあと部局役職名が飛び交うので、
参考までに↓

h警察庁警視庁組織図18 

フタを開けたらみんなびっくり。

次の警視総監に就任したのは、

h07tsuchi140_20120329013735.jpg 
土田國保@警察庁次長

ふつう次長は「官」の略語で次長だろってポジで、みんな「次期長官=土田」と思ってたし、ほぼ既定路線だったんだけども、
土田は出世レース1等賞の長官を投げうってあえて“次点”の警視総監に。

h12新聞1h200 
土田妻が死んだ爆弾事件がらみで槇野が退場、その後任に遺族土田
皮肉というか因縁奇縁というか…。

どう考えても火中の栗的な難しい時期なんですけどだが、
恋女房爆殺以来、爆弾テロを激憎む土田であるからして、あえて連続企業爆破捜査の最前線に立ったんだろう、と土田の人柄をよく知る人々は思った。

あわせて幹部人事も怒濤のごとく。

まず土田に代わって警察庁次長に繰り上がったのが、

h12山本2s200 
山本鎮彦@警備局長

この↑とき山本の脳内は、

h12カーニバル210 
「ラッァアアアアアアキーィィィィィイ!」
「思いどーりいいいぃぃいっ!チャンカチャンカチャンカチャンカ♪」

こんなかんじ。

h07tsuchi140_20120329013735.jpg h07yama140_20120329013429.jpg 
────────土田國保山本鎮彦
-東京帝国大学@現 東大卒 | 東北帝国大学@現 東北大
──────昭和18年内務省入りの同期
──────ともに一時海軍士官として出征
────────香港領事 | 在仏大使館1等書記官
──警察庁警備局外事課長 | 警視庁公安部公安1課長
─────警視庁警備部長 | 警察庁警備局外事課長 栃木県警本部長
警察庁長官官房会計課長 | 警察庁警備局公安第1課長
─────警視庁刑事部長 | 警視庁公安部長
─────警視庁警務部長 | 兵庫県警本部長
─────警察庁警務局長 | 警察庁警備局長
───────警察庁次長 | ──

という風に2人はつねに長官の椅子獲得レースのライバルだった。
土田がほぼ東京警視庁警察庁を行き来する日の当たる道を歩き、
山本率の高さ、夜が似合う公安畑、あっちこっち県警本部長をわたり歩き、
って対照的なのもなんだか宿命のライバルっぽい。槇村さとる的。

h12競馬1s200 
だから土田次長に決まった瞬間、
同期かつ2歳上の山本は最終コーナーでまくられ無念なわけだった。

ところが、ライバルが勝手に「官」を投げ出してくれて、
山本的には(*´益`*)ニタァである。

一方、土田警視総監、さっそく幹部人事にかかる。

h12幹部1s220 
まず三井脩@副総監をチェンジ。
三井はもろ山本@公安人脈だしやりにくいんで。

で、代わって副総監に、気心の知れた後輩綾田文義@警察庁交通局長を、
警備部長に、これまた信頼する後輩村上健@山形県警本部長をそれぞれ呼び寄せ。

本音いえば、山三人脈の中島二郎@公安部長も外したいとこだろうけども、
さすがに主要幹部総とっかえは捜査が混乱するだろうと避けたのか二郎留任。

h12三井笑1s184 
で、副総監を外れた三井脩はというと、山本のあと空いた警備局長にまんまとスライド昇格。このへんも山本三井(*´益`*)ニタァ(*´益`*)ニタァある。

土田総監山三コンビ(*´益`*)ニタァ×2なんて承知だし、いろいろ犠牲にしたんだけども、そんなことより連続企業爆破を解決せねば、と使命感に満ち満ちていた。

h12土田演説2sh200 
土田の就任会見
爆弾事件の捜査に特効薬はない。しかし、
 あのような凶悪な事件を繰り返す犯人は必ずひずみを出す」
「地道な捜査を続ければ必ず犯人に突き当たる」


h12土田邸爆破事件2s200 
お歳暮偽装の小包爆弾で妻民子爆殺された1971年当時、土田國保警視庁警務部長。悲痛のテレビ会見で「悲劇の人」として有名になった。

土田家は学者一族で、父親は旧制高校の校長、弟2人も学者、亡き女房民子の父親はお茶ノ水大の初代学長。ちなみに國保の息子たちもそれぞれ学者になった。
なぜか警察官僚になった國保は突然変異だった。

若手時代から長官候補ナンバーワン。
あだ名は「ミスター警視庁
エリートの中のエリートの中のエリートなんだけども、

h12車座1s220 
意外に現場第一主義で、刑事部長時代は全署の捜査本部ぜんぶ顔出して、現場のデカたちと茶碗酒を酌み交わし。しかも200人のデカ相手に飲んでぜんぜん酔わん超弩級酒豪。

エリートぽい気どりもなく、ヒラ刑事でも直言しやすい空気づくりに努め、
話の分かる男、現場の声に耳を傾ける。
だから現場のこわもてデカたちに「我らがボス」と慕われた。室井管理官・ザ・リアル

警視総監に就任するとさっそく丸の内署特捜本部へと乗り込んで、
h12土田演説1s190 
「全庁挙げて君たちを支援する!」
やっぱ熱い漢である。

h12道場6s220 
さらに文武両道というか剣道の達人でもあって。なぜか認定試験は受けてないけども、師匠から「実力七段」と太鼓判の腕前。
どんだけスーパー超人ヘラクレスなんだ。

h12道場5s220 
稽古熱心で、総監になっても毎月曜の朝、どっかの警察署機動隊本部警察学校の道場にふらっと現れては、若手と並んで稽古で汗流し、
で、稽古のあとは若手たちと一緒に風呂に入って、車座で茶飲み話をしたり。
まあこれも現場のナマの声に接するためだったりするんだが。

というくらいザ・グレイテスト・リーダーな新警視総監の登場だった。

ただし、山本三井中島一派は、
h12しめしめ1sh200 
このザ・グレイテスト・リーダーにも愛宕署向かいの爆弾本部のことを隠したまま。

「正しき官僚」的には、土田のような度量の大きい現場大好き人間も、“戦国武将”どもと同様に好ましからざる消えてなくなれの対象なんでいや自分たちが現場から慕われてないからじゃないぞ嫉妬じゃないぞやっかみじゃないぞ断じてちがうぞ。


h12道場4b190 
で、そんな土田総監が、就任まもなく月曜恒例の朝稽古に警察署を訪れ、

h12道場3s220 
何人目かの手合わせの相手と鍔迫り合いになった、

と、その一瞬、相手が、

h12道場2s200 
「お伝えしたいことが──」

ぼそぼそっと囁き、ぱっと離れ。

誰だ? 

防具の奥の顔はよくわかんないんだが。というかあんなやつ最初からいたか?

h12道場1s210 
稽古が終わってそろって防具を脱いだ、が、さっきのぼそぼそ声らしい者はいない。
座敷童みたいな…。

で、朝稽古が終わってみんなとひとっ風呂浴びると、
h12階段1sh190 
土田総監は素知らぬ風で秘書官を先に公用車へと向かわせ、ひとりトイレへ。
あの「ぼそぼそ声」にそう指定されたからで。

h12トイレ4sh200 
で、とりあえず手を洗ってると、後ろから声。

「お互いのためにも振り向かないでいただきたい」

h12トイレ3s180 
総監、必ずホシを捕まえてみせます」

h12トイレ2a200 
「しかしそれには総監のお力が必要で──」

で、背後で言うことだけ一気に告げると、気配がなくなった。

h12トイレ1s190 
土田振り向くと誰もいなーい。


って以上の便所の密会は半分勝手なソースは妄想。半分はいちおう事実。

h12日記s200 
じっさいリアル土田國保は当時の日記で、

「稽古の際、公安部若いデカ長から爆破犯の手がかりを掴んだと耳打ちされた」
「その後も亡き妻の実家にデカ長を呼んで、捜査の進展を聞いた」
と書いている。

でもそんなん書いたら「若いデカ長の前途やばいざん、じじつ公になってるし。
たぶん土田は日記にすら真実書かなかったんではないか、
だから本当の“ディープスロート”は「若いデカ長」じゃなかっただろうさ、
という妄想だわし。

ともかく、
h12警視庁1sh200 
土田総監は何事もなかったように警視庁へ戻ると、腹心村上@警備部長を呼んで。

h12土田2s200 
公安部に探りを入れてほしい。連続企業爆破の件で
 ひそかに裏帳場を開いているようだ」

村上@警備部長大学紛争真っ盛りの60年代後半、公安1課長とか公安総務課長とか歴任してたんで、公安方面にいまも太いパイプがあるからして。

h12村上1s200 
「分かりました」
「ただし、3階に聞こえないよう頼む」
3階には中島二郎@公安部長の執務室がある。

まもなく村上警備部長が結果を知らせてきた。
「ぼそぼそ声」のウラは、とれた。

土田総監は次に中島@公安部長を呼びつけて、

h12土田1s200 
中島部長、私は着任の際、連続企業爆破捜査本部5つあると聞かされましたが、本当は6つですね。しかし資料を見ても5つ分しかない。私の数え間違いでしょうか」

二郎フリーズ。

バレた、爆弾本部が、バレた。

h12中島汗1s200 
「は、いや、そのう…」

「欠けている分の捜査資料を回してください、ただちに。ああ私にだけで構いません。他の方を煩わせることはない。1つ足りないくらい、些細な違いですから」
「…かしこまりました」
「どうぞ、下がってよろしい」

h12二郎困1sh200 
中島公安部長、自室に戻りつつ顔面真っ白。

お上品なエリートと見くびっていた。ただの品行方正な紳士のはずなかった。生き馬の目を抜く警察官僚のサバイバルレースをここまで昇りつめた猛者なのだ。

しかも言外に「土田にバレたと、山三コンビに言うな」とクギまで刺された。

h12中島1s198 
裏切りがバレたら山本次長三井警備局長には見限られるだろう。
でも現警視総監を怒らせたら、それこそ最速で悲惨な最期になる。

せめて拾える人生のカケラだけでも残さないと…。

もちろんこの総監VS二郎対決のくだりは捏造品である。
が、このようなせめぎ合いは水面下でとうぜんながらあっただろう。


その頃──

h12喫茶1s190 
新宿東口「喫茶カミー」

h12喫茶会談1s210 
奥の席に陣取ったスーツ姿の男3人。

お互いタカサワ、ナカガワ、カワグチと呼んでるけども。
もちろん、

h12大道2s200 大道寺将司@「狼」
h12斎藤3s200 斎藤和@「大地の牙」
h12黒川2s200 黒川芳正@「さそり」

東アジア反日武装戦線3部隊、初のリーダー三者会議だった。

三者会議を提案したのは黒川芳正@「さそり」

そのうち、「共同作戦とかできると面白いよな」なんて話になり、
「じゅあ、間組を一緒にやらないか」

と、黒川が提案。「いいねいいね」と盛り上がった。

h12筆談1s190 
以上の作戦会議は、筆談と隠語で。

日帝「ジャイアンツ」南朝鮮つまり韓国「ロッテ」
東アジア反日武装戦線「クリント」

なんかやっぱりスパイ気分である。

黒川@「さそり」のこだわったこと。
h12黒川1s200 
「作戦名は、キソダニ・テメンゴール作戦にしたい」

理由をいちいち書くと長いので略。
間組=異名「ダムのハザマ」。ダム・トンネル工事に強い中堅ゼネコン。国内外で活発に公共事業を受注している。
で、今回ターゲット認定されたのは「戦前も戦中も戦後もアジアにうんたら」という例によっての反日な理由。詳しく知りたいなら木曽谷テメンゴールで検索すればあふれんばかりに出てくるんで。

というわけで、
警視庁の5つの特捜本部、裏の爆弾本部がいまだ核心に迫れない間に、

h12ハザビル1sh200 
「狼」「さそり」間組本社ビルを、
「大地の牙」間組大宮工場を、

それぞれ同時爆破する新たなテロ計画が始まった。

のち三菱重工ビル爆破以来、最大の被害をもたらす間組爆破事件である。


13発目 燃えるハザマ】へとつづく
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h登場人物h20 h連続企業爆破事件関連年表h22 
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h参考文献h23 
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