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【事件激情】ハラハラクロック!8発目【連続企業爆破】

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表現者権力側から表現してはいけない(怒)

──若松孝二@『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』監督
──>「突入せよ!『あさま山荘』事件」映画化に激怒して


ふざけるな。彼らはまじめに革命を起こそうとしていたんだ。
ああいう描き方をするな(怒)

──若松孝二>熊切和嘉@『鬼畜大宴会』監督@'75年生に面と向かって

───────────────────鬼畜大宴会 - goo 映画


「あのータカサワさん」

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「私、経験がない初心者なんですけど、私のような者でも闘えるでしょうか」

初対面で浴田由紀子@「大地の牙」の口から出た最初の言葉がそれ。

「え、はあ」
タカサワ@大道寺将司@「狼」、めんくらってます。

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正直(おいおい大丈夫かこの女? なんでこんなのが来るの?)と思ったけども、
「まあダメだね、向いてないよ」とも言えないんで、

「あー、えーと大丈夫ですよ」無難にごまかす。

「狼」「大地の牙」の連絡役は、
もともと友だち同士の佐々木規夫─斎藤和Wメガネ男子でやってたんだが、
2人とも他メンに比べて大っぴらに政治活動やってたこともあるんで、
あまり大っぴらに会ってると公安デカに目を付けられるだろ、
なので、

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そういう心配のうすい大道寺将司浴田由紀子が会うことにしたんである。

例によってお互いコードネームしか知らない。スパイ映画ぽくて格好いいんである。
大道寺「タカサワ」由紀子「ミヤタ」

で、この浴田由紀子。
彼女こそ、連続企業爆破の醸し出すびみょーなる場違い感の象徴みたいなもんで。

事件激情的に連合赤軍よりも日本赤軍よりも、
東アジア以下略が引っかかったのは彼女の存在があったからで。

なんというか、彼女をひと言で言い表すと──


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なんでキミ、ここにいるの?


title_harahara08_350.jpg

警視庁公安部による捜査は、公になった記録や被告の手記などからだいたい事実に即してる、
が、例によって一部は架空にして妄想である。
また東アジア反日武装戦線のうち何人かは、もう真実を語ることができない。
彼らの会話や思考の多くも創作である。


title恋するチンペイ40

浴田由紀子の人となりを知る人たちからの人物評は、

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率直な人」「ピュアな人」<大道寺将司@「狼」

情熱的感傷的。図太そうだけど、実は神経は弱い」<丸岡修@日本赤軍

「目の前のことにがっといってしまう」「福祉に向いてる」<吉村和江@日本赤軍

ボランティアに入ったらすごく生き生きやるタイプ」<朝倉喬司@元活動仲間

“革命は義”と何度も言っていた、というよりそれしか言わない
理論的なものはほとんどないんじゃないか」
非合法闘争の才能は彼女にはない」片岡利明@「狼」

と、テロリスト的には絶賛全否定。

ちなみに職場でのあだ名=「ドジり子」
三菱重工爆破のニュースを見た同僚からも
ドジり子には無理だよな。仕掛ける前に誤爆するだろ」
まあ…。つーかドジり子ぜんぜん言いにくいアダ名つけセンスないぞ同僚。


そんな由紀子のつくりかた↓

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生まれも育ちも山口県。

高校時代のあだ名は「チンペイ」。
野末陣平に似てたから。

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女子的にまったくうれしかねーや。

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勉強できて「ゲバ学生大嫌いん」だったから
進学先は、そういう輩の少ない北里大衛生学部に。
というくらい、左翼運動から遠かった由紀子
なんで「大地の牙」やってんのかっていうと、

はい、男、であります。

やっぱりまーそのーなんだ、いつの時代も才女ご乱心の陰にたいてい男の影ありとゆーかなんとゆーか、

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大学3年、高校からのカレが学生運動にかぶれ、交番に火炎ビン投げて逮捕。
理不尽だと怒ってビラ配り。

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ところが裁判でカレが「周りにだまされて」「自分も被害者」と言い訳ばかりで、
「かっこわる」とガッカリ。

ただそっちカテゴリの友だちも増えて政治活動アレルギーがなくなったらしく。

大島啓司@のちの朝倉喬司伊達政保@のち音楽評論家森詠@作家兼ジャーナリスト、左方面の最先端人脈と知り合って「チンペイチンペイ」可愛がられるようになり。
どんどん深みに。

h08100200.jpg 失敗しない大学デビュー 不安解消マニュアル  
チンペイ、みんごとサブカル嬢に変身。

ホントはこの頃のサブカルカウンターカルチャーといいたいんだそうで今のサブカルとはぜんぜんちがうキリリッだそうだがそんなもんサブカルでよし。

以降の由紀子田舎の優等生が都会に出るとどうなるかってサンプルのような。

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文化人周辺人脈にいつもいて、とくべつ美女とか才能ってのもないんだけどなぜかいい位置キープ女っているが、彼女もそういうマスコット属性あったらしい。

適度に感受性高く諸先輩の話に相づち打てるくらいには頭も良く、
かといってハンパに先輩諸氏より頭良すぎて序列を乱すわけでもなく。
臨床検査技師なんでハンスト支援とか役立つし。

http://www.youtube.com/embed/Ajzpd-ONOdo
 
活動仲間と一緒に政変前夜の韓国へ観光に行ったり。
沖縄@返還前へ米兵向けのジェームズブラウンコンサート@プロデュースby竹中労@反骨の芸能記者っつうなんぞを見に行ったり。

竹中労_反骨のルポライター 竹中労---没後20年・反骨のルポライター 
ちなみに竹中労@反骨の芸能記者もかなりハチャメチャな人間なんだが長くなるんで略。竹中労、太田ドラゴン平岡正明@ジャズ評論家兼編集者、そろえて「三バカ」と呼ばれるゲバラ萌えだった。みんな大好きチェゲバラ。

けっこう顔ぶれおんなじ。狭くて濃ゆい新左翼業界なんである。

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チンペイ“タカシ”こと斎藤和と出会ったのもこの頃。

そんな風に運動系男子(スポーツではなく)とお友達付き合いするうち、“タカシ”から熱心に勧められて>チンペイ“詳しいヒトたち”に引率されて>韓国

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とうぜん“詳しいヒトたち”の案内は「反日体感コース」。いかに日本ひどいとか強制なんちゃらとか、現地の初対面のオッサンに「日本人は悪いこと以下略」と怒られ以下略>定番の反日日本人養成コースを辿って、
ショックですっかり反日嬢に育って帰国。

ちなみにこの頃、日本からカネもらうため大統領朴正煕反日思想を強権でおさえこんでいて、当時の日本にもさほど伝わってない。もちろん韓流なんてのも無い。

そうやって左旋回をつづけてチンペイは、
活動を通してミクロネシア人活動家ダニエル・ロペス@42歳と知り合い、

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好きになっちゃったミクロネシア―楽園の島々のツボにはまってうっとり旅 (楽園マニュアル)
 
ミクロネシア人日本でなんの活動するんだ、というと、
戦時中のミクロネシア人軍属への補償請求とか独立支援とか
要するに銭くれと言いに日本に来てたんだが、

由紀子的にそれツボだったらしい。

ガイジンゆえアパートを借りられないロペスを自分の部屋に泊めてやり、
いろいろ世話焼くうちに恋に落ちて。
このときチンペイ=21歳。
「一緒にミクロネシアへ行くの」とかうっとりしてた。

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ところがロペス、とっととひとりでミクロネシアに帰っちゃった。
チンペイ、とんだ現地妻扱いで捨てられたんである。

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傷心のチンペイ 川*TーT)>なぜか「阿Q正伝」を無限リピート読み>寂しさのあまり>タカシ会いたい 川*TーT)電話>あとはくり返し。

で、タカシが「反日武装戦線に参加する」と言ったら>はじめ偽身分づくりに協力するだけという約束>なしくずしで最前線に参加。←いまココ

ちなみにロペスに捨てられてたった半年にして
OLコス爆弾仕掛けるとこまでいってます。

テロリスト化すんの早えーよ! 昼メロでも却下されそうな早いっぷり。

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軍資金も要るんで生活は楽でなくて、ホステスのバイトも掛け持ち。
ちなみに例のマスコット力を発揮して人気ホステスだったらしく。
“タカシ”彼女の水商売が気に入らなかったらしい。でもその分、自分でもっと稼いで…という気もあんまり、というか全然なかったような。

まー男に影響されやすいというかしかも微妙な男とばかりとくっついてというか恋をするときあんまし自分がないというか…。

“タカシ”には「私が好きな人は別にいる、あなたは3番目」とか言ってて。
で、けっきょく付き合って命運まで共にしてるし。
都合のいいなのか小悪魔なのか紛らわしい、それが不思議の国のチンペイ

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にしても彼女の当時から現在にいたる言動からみても、
なんだか無邪気というか自分のやったこといまだ分かってないんじゃないかというほど軽く、はっきりいって幼い。驚くことにいまだおんなじ。

タカシこと斎藤和が、そんなドジり子ぜんぜん言いにくいアダ名つけセンスないぞ同僚をどう思ってたかは、今となっては、もう知りようもないんだが…。

とにかく由紀子「狼」リーダー“タカサワ”とわざわざ会ったのは
連絡係として頼み事があるからで、

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大地の牙は、大成をやります。それでボールペンを1本いただきたいんです」

「ボールペン」「電気雷管」の符牒。
反日武装戦線電気雷管をつくる技術力と設備を持ってるのは「狼」片岡利明だけ。斎藤和革命的に機械音痴「大地の牙」陣営ではつくれなかった。

三井物産のときは、簡単なガス点火用ヒーターを使った。
でも電気雷管の方が成功度が高いんでね。

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じつはこの頃、由紀子“タカシ”の子を妊娠したばかりだった。
でもいろいろ無理がたたってまもなく流産する。


title十年前の亡霊40

公安幹部に上がってきた報告のひとつ。

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茗荷谷駅近くに、アナーキストと縁の深い出版社がある」

現代思潮社

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「サド裁判」がそのスジでは武勇伝で。
マルキ・ド・サドの「悪徳の栄・続」がわいせつ文書として摘発され。
社主@石井恭二と翻訳@澁澤達彦が、最高裁まで争った件。

扱ってる作家も吉本ばななのオヤジ隆明埴谷雄高(本名般若豊の方がペンネームっぽい)、赤瀬川原平、唐十郎、デリダ、バタイユ、こしゅとう゛ぁ──ある種の方々にはネ申のごときラインアップだし。かの美学校も始めたり。
むつかしいこと考えたい若者には最先端トっキントっキンにとんがってかっこいい出版社だった。そしてむつかしーこと考えたい若者は今よりずっとたくさんいた。

問題の太田竜はこの現代思潮社とも付き合いあり。

さらに、

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茗荷谷駅界隈で、事件当日、東京行動戦線の元メン2人が目撃された」
という情報も。

東京行動戦線?」
「おーなんだか懐かしいのが出てきたな(遠い目」

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東京行動戦線
1965年結成そして解散のアナーキスト集団。

現代思潮社がただの出版社とちがうのは、経営者自ら過激派をつくったってところ。
社主石井、編集長松田政男、あと平岡正明・山口健二とかこれまた一線級のアナーキスト文化人が創立メンとして東京行動戦線は始まった。

多かったときでも総勢30人くらい。ベトナム義勇軍として(もちろん米軍相手に)戦おうと渡航計画したこともあった。
さらにデモの先頭でわざと機動隊と激しくぶつかって暴動化させようとしたり火焔瓶の代わりにアンモニア瓶を投げたりなかなかにして過激で。

まーなかなかにして過激なんでとうぜん警察に睨まれて、
その年のうちにあえなく消滅した。

「あんなの10年も前だろ」
「1年も活動できずになくなったし、若い部員は知らないくらいじゃないか」
「たしかあとで派生もいくつか現れたが、今はどれも開店休業状態のはずだな」

とにかくこれで、
茗荷谷─東京行動戦線─現代思潮社─太田ドラゴン腹腹時計

h08201200.jpg 
おお、つながったぞ。わーい。
公安幹部連わくわく。

しかしそもそも茗荷谷駅目撃証言そのものがガセなんで、
ホントはぜんぜんつながってやしないんだが。


で、とりあえず黒幕候補として太田竜を手配してるわけだが、

太田竜って、関係ないんじゃ?」

言っちゃなんだが太田ドラゴンほど自己顕示欲の強いしゃべりたがりーが、もし「腹腹時計」丸の内爆弾テロに関わってたなら、必ず周りの誰かにしゃべってるはずだ。
なのにそういう噂ひとつ流れてこない。

g08210200.jpg 新装版 公安警察スパイ養成所 (宝島SUGOI文庫) 
全国警察公安を通して各地の協力者(要は内通者・タレコミ屋・スパイ・間者・裏切り者)にも当たってる

んだが、どの線からもまーたく東アジア反日どうたらの匂いすら出てこない。

活動家同士はけっこう横の繋がりがあって、
誰かがなにかやると噂になったり、**派があれそれをやったとか誰それが関わったらしいぜとか漏れ聞こえたりするもんなのだ。

h08220220.jpg 
活動家みんなさん基本自慢しいだし口が軽いんで。

先立つモノつまり軍資金も調達しないといけないし。カネヒトが動けばとうぜんなんらか化学反応があるわけで、そうなれば誰かがソレを見てるか聞いてるはず。

徒党をあまり組まないアナーキストだってそのへん例外じゃない。

なのに、

なぜか「狼」やら「大地の牙」やらは、
カネヒトの“痕跡”がまったく見当たらない。

日本各地のどこからもなにひとつネタが上がってこない。
誰も知らないのだ。あれだけの爆弾テロをやらかしたのに。
こんなことは今までなかった。

まるで無から忽然とわいて出たような。

ha01kessha_20120107225237.jpeg 秘密結社Q 
まさか本当に未確認一匹狼?

合法非合法ふくめて既存の新左翼と一切縁がないアウトローで、完全自己完結で、
しかも秘密保持もかちこちに堅いテロリスト。

h0800whoareyou.jpg 
そんなの可能なのか?

もしそんなのが実在するとしたら。
これまでの手法がまーたく通じない相手だ。公安警察が長年かけて網の目のように張り巡らせた精緻な諜報システムが無力状態。
──これはまずい。

「おまえらは、誰だ?


そんなとき、
急報がもたらされる。

h08230200.jpg これから自首します (ノン・ノベル) 
「手配中の太田竜が、小田原署に出頭しました!」

え? まさかの自首

おお、はや事件解決? 意外な早さであっけなく?
ハラハラクロック!これで終わるの?

捜査幹部たちは浮き足だったんだが──。


9発目 敵を欺くには、まず味方から】へと続く

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