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【事件激情】マーダーズ イン カントリー伍th【或る田舎的殺戮】

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1997年5月4日 奈良県月ヶ瀬村

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充代@13歳、自宅に戻らず。
卓球大会が終わって、学校を出て帰宅の途についた──それきり足取り不明

駐在所および所轄警察も捜索を始めた。ふだん事件らしい事件すら起きない田舎なんで警察もみんな慌てた。

通学路沿いを中心に捜索するうち、

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自宅から400m離れた県道で運動靴を発見。

靴発見場所にタイヤスリップ痕、ガードレールに

4日目に奈良県警はさらに人員投入、本格的捜索を開始。

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現場近くの公衆トイレの浄化槽から、
切り裂かれたジャージ上下下着リュックダウンベスト@血痕付き
を発見。
下着はなぜか半弧の輪郭で切り取られ。


奈良県警事件性いと高しとみて、捜査本部を設置。
狭い月ヶ瀬捜査員が充満した。村人緊張。


ジャージにもタイヤ痕が残っていた。
路上のスリップ痕もあわせると、大型の四輪駆動車のタイヤ。

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推理=充代四駆車ではねられた、連れ去られた、
衣服が切り裂かれて捨てられてること、下着の切り取られかた、切り取られた部分が見つからず持ち去られたようで。変質者のしわざ……?

5年前の1992年にお隣の三重県鈴鹿で起きた事件を思い出す捜査員もいる。

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鈴鹿8耐メカニック樋田康則
度を超したJCJK制服フェチ

セーラー服を盗んではカノジョ女房に着せてはハアハア興奮してたが、

リアルで制服女子拉致鬼畜をやりたくてしかたなくなり、
四駆を飛ばして犬散歩中の少女@14歳をはねた。
が、予定よりケガひどすぎたんで、慌ててわざわざもう1回轢いて殺した
そんで死体バラバラにして池に捨てた。
というムチャクチャなやつで、

ほかにも少女拉致強姦未遂傷害5件もやらかし、下半身不随にされた女子高生もいた。

樋田当人はとっ捕まってムショの中で97年当時。99年樋田は獄中で首を吊った

さすがに今回やつが犯人じゃないだろうが、誰かが手口を真似た、模倣犯ではないか。


いやもうひとついやな可能性。

死後硬直が起こると服を脱がせられなくなる。
脱がすには切り裂くしかない。


車使用ってことからもしや村外の人間の行きずりかとも思われたんだけども、
問題の公衆トイレは公道からはパッと見わかりにくい、地元民くらいしか存在を知らない。
犯人=地元民の可能性大。

で、捜査員が村で聞き込みを少ししただけで、すぐ有力怪しい人物が浮上した。

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丘崎誠人@25歳@無職

四駆三菱ストラーダ(中古)を持っていて、

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昼間っからよく乗り回してた。なのに少女失踪からまもなく売ってしまったらしい。めっちゃ不自然。

そんなことやってるうちに、


5月27日──

兵庫県神戸市の新興住宅地で小6男子が失踪、

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切断された首が中学校の校門に置かれる猟奇事件が起こった。

さらに6月に入って「酒鬼薔薇聖斗」を名乗る犯人が、新聞社に挑戦状を送りつける。

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全国の皆さまの興味は一気にそちらへと流れた。

酒鬼薔薇事件月ヶ瀬事件4月大阪浪速小3少女通り魔殺人6月13日三重明和町女子高生失踪事件とあわせ、

近畿一円に殺伐とした空気ただよったんである。



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伍th 或る田舎的 ファイナルカウントダウン
──────名張毒ぶどう酒事件
──続 月ヶ瀬村中2女子殺人事件
───続 加古川親族7人殺害事件



充代が失踪した5月4日午後の時間帯。丘崎誠人のアリバイは無い。
前夜からストラーダ(中古)で村外へと出ていた。

働きもせず。素行が悪い。怪しい。
なにしろ丘崎の息子やさけ。

「なんだ、最後の丘崎の息子やさけ”、というのは」
「はあ、それが──」

刑事たちが戸惑ったのは、与力だの区入りだのいう時代劇な言葉だった。村人には常識らしくふつうに口にするんだがなんのことやらである。

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丘崎の家とは付き合いしとらん」
「付き合いのある人は誰でしょうか」
「誰も丘崎の家とは付き合っとらんよ」
「なぜですか」
区入りしとらん。村のもんやないで
「すると最近村に来た人たちですか」
「んー30年かそこら前かな、来たのは」
「あのー30年も住んでたら村の人やないですか」
区入りしとらん。村のもんやないで

なんやそれ。

とにかく駐在所警官からも話を聞き、失踪少女祖父「与力」と呼ばれ、村ではたいへん偉い人であることが分かった。
最初は「民生委員」だから偉いのかと思いきや、与力が偉いから民生委員も兼ねてる、とも分かった。


6月28日──
台風の夜、
兵庫県警が大金星を挙げた。

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酒鬼薔薇聖斗逮捕。電撃的解決。
世間を揺るがした猟奇殺人鬼、なんと中学生@14歳だった。


酒鬼薔薇事件の解決で、マスコミがふたたび奈良の梅林の里に目を向け始めた。
「で、こっちはまだかよ」的に。


先を越された、じゃないが、奈良県警捜査本部は発奮と焦り。
「うちも早くケリをつけるぞ」

もちろんマスコミも取材をちょろっとしただけですーぐ丘崎誠人の怪しさに気づく。

“近所の住民”として取材に答えた誠人は、
「おらんくなった子は小さい頃からよく知っとる。車で家に送ってやったこともあった。捜査に協力したいです」

奈良県警は、兵庫県警と同じくマスコミには情報を流さず、粛々と裏をとっていた。
でもまあ警察が完全にマスコミを出し抜いた酒鬼薔薇事件とちがって、誰がターゲットかもはやもろ分かりではあったんだが。


にしても、
刑事たち、ちょっとだけ違和感を覚える。
村の人々は捜査にとても協力的だ。たぶん行方不明なのが「与力」の孫娘だからなのもあるだろう。

そして誰もが丘崎の息子が怪しい」という。
なぜそう思うのか、と聞いても、

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「子どもの頃に公民館を放火したいう話や。小3の頃やから警察沙汰にはならんかったがの」

「働いても続かん。家でぶらぶらしとる怠け者や」
「親もあれやしな」


けっきょく根拠はなんだかんだいって、
丘崎の息子やさけ」
なんである。

なにか微妙に神経がぞわりと。
そういえば──

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山形新庄マット死事件──

1993年山形県新庄市明倫中学校体育館、中学生男子@13歳が体育マットで逆さ簀巻き状態の死体で見つかった。

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山形県警「いじめエスカレート」とみて中学生7人を捕らまえる。

──が、ここからが異常な展開に。

いじめっ子7人がいきなり自白を翻して全面否認アリバイなんかも主張。

そのたちやら住民やらが一致団結して無実を訴え、
現場で見てたはずの生徒50人「見てない知らない」と言い出し。
例によって人権派弁護士もはりきって飛び入り。労組系人権団体まで加わってややこしくなり。

弁護士団は、
「巻かれたマットに少年自ら逆さに這い込んで一人で窒息した」
「そういう遊びが当時流行していた(と生徒たちもみんな言ってる)」

大まじめに主張どんな遊びだ。

被害少年宅には「ころしてやる」落書き。一家を中傷するデマもぶんぶんご町内を飛び交った。

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「遊んでいただけ」
「飼ってた虫をうっかり死なせたようなもの」

byご近所の主婦


こういうもろもろが全国のお茶の間に流れて、地元民らの常軌を逸した思考回路っぷりが際立った。
が、当人たちはまったくそうは思わず。
どころか被害者意識でますます凝り固まる。

少しでも被害者側を気にかける発言をした住民は、PTA組織ぐるみで徹底的に裏切り者としていびられ神経症になるまで追い込まれた。

いじめっ子7人の身内の子どもどもが、被害少年を玄関先で取り囲んで、

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「やーいやーい兄ちゃん殺されてうれしいか」
ののしった。

刑事民事とも二転三転。長い法廷闘争が続き。
けっきょく12年かかって最高裁刑事・民事とも、とっくに20代も半ばの7人全員の“有罪”が認められた。

が、地元民側はまるで懲りず冤罪を訴える再審請求、いまだ続行中。

元中学生7人は地元の英雄扱いになり。
住民たちは遺族@ヨソ者仇敵視こぞってののしり憎悪
今もなお。

驚くべき陰湿力粘着力

しかしまたなんでこんなこじれたのか。

被害少年の一家は東京からきたインテリ理想の幼稚園を作りますとか志高いこと言ってて裕福で家も大きくてオサレ東京弁でしゃべってた。

05mikeyx220h.jpg こんな風に見えた
腹立った。
ヨソ者だった。
17年も前に越してきてるんだが)


04yana010200h.jpg 山形県警キャラカモンくん
さらにまち(山形市)から来た刑事たちが「お上」よろしく威圧的に取り調べ。

民事裁判7少年もろとも訴えられた中学校つまり新庄市も、住民側に立って遺族と争った。

だからウチVSソト、の構図になった。

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「おらが一党」を守れ!

ふつうに見れば誰の目にも明らかすぎる事件だったのに、
「おらが一党」がそれをこじれさせドログチャにしてしまった。


一方、月ヶ瀬村も根っこにあるは同じ。でもまったく逆の形に。

丘崎誠人を、コンマ1秒のためらいもなく「怪しい」と名指し。
それは被害者が身内(しかも与力の孫)で、
対する誠人「おらが一党」じゃなく、永遠のヨソ者にして犠牲の子羊だったからで。

誠人はとっとと「お上」に差し出された。

murder;nara01n140 murder;nara01m140 
結果的には、村の噂どおり彼が犯人だった。

でも仮に、誠人が無関係だったとしても、
きっと村人は言ったはずだ。
彼が小3の年に起こった公民館火事のときのように。

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「丘崎の息子が怪しい」
「丘崎の息子やさけ」




1961年 昭和36年
4月2日

三重県名張市葛尾

毒ぶどう酒事件の舞台となったこちらのコミュニティにはあいにく手軽に差し出せる犠牲の山羊は持ち合わせてなかった。

それはのちのちつくり出される。


毒ぶどう酒事件を捜査していた三重県警捜査1課名張署は、
ぶどう酒購入運搬に関わった人間を絞り込んで、

奥西勝@35歳殺人・殺人未遂容疑で逮捕した。
死んだ千恵子@36歳だった。

マスコミは慌てた。なにしろつい前日には県警幹部が、

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「妻千恵子の犯行」
つまり道連れ自殺説を語ったばかり。

名張署奥西勝「わたしがやりました」と記者会見。

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「大きな事件を。自分のちょっとした気持ちから…、なんとお詫び申し上げてよいか分かりません…」

異例中の異例の公開自白
それが全国で放送された。


奥西勝「田舎・農村」イメージとなぜか異なる当時としちゃ珍しい、ソース顔のイケメンだった。

イケメンには愛人がいた。

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死者のひとり、北浦ヤス子@35歳

三十路の未亡人@子持ち。

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もうあなたしか見えんの

竹藪でめくるめく逢い引き。

まあ土地柄、妙齢な未亡人ってだけでフィルター有りで見られる。

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とうぜんながら竹藪の情事なんてすーぐ評判に。
でもだれも女房に教えてやんないのがまたいかにもなんだが。

が、この2人、うかつにもほどがあり、
無防備にも手ぇつないで歩いてるところを、

05budo120240.jpg あ…
05budo020240.jpg あ、じゃねえよ
女房千恵子とばっちり三者面談きゃーー
アホである。


さらに続きを読む >「たちまち修羅場が…」

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