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【事件激情】マーダーズ イン カントリー参rd【或る田舎的殺戮】

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「あのクソ母屋が。許さへんぞ
「あのクソ母屋が。許さへんぞ
「あのクソ母屋が。許さへんぞ


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「あのクソ母屋が。許さへんぞ」「あのクソ母屋が。許さへんぞ
「あのクソ母屋が。許さへんぞ」「あのクソ母屋が。許さへんぞ
「あのクソ母屋が。許さへんぞ」「あのクソ母屋が。許さへんぞ
「あのクソ母屋が。許さへんぞ」「あのクソ母屋が。許さへんぞ



2004年8月1日
加古川花火大会の夜──

kakogawa011;234 
ヤス@47歳キミヨ*@74歳の母子、
自宅の2階で花火を見物中。

すると、自転車のランプが家の玄関を照らした。
ご近所スガ*家の息子だった。
たまたまかわざとか。

ヤス、また例によってかっと頭に血が上昇。
また覗きに来よったんか!

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「なんじゃあ!」
いつものとおり怒声。いきなり沸点低い。

スガ*の息子もこれまた挑発的に、
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「なんどい、出てこんかいボケえっ!」

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「おぅ、待っとれ!」

ヤスは下駄箱に設置の包丁(え?)をひっつかんで、

「おらぁ、待てや、こらぁッ」

これ別にヤクザやヤンチーの抗争じゃない。カタギのご近所さん同士の会話
事件直前はこの調子がご近所の常態と化していた。

でも今宵はいつもと違ってた。

「ああ、ごうがわく、今日こそいてもうたる」

この7時間後──
藤城康孝は、親族と隣人一家8人殺傷する。


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参rd 或る田舎的 ペルソナ ノン グラータ
──加古川親族7人殺害事件


兵庫県加古川市──

明石焼姫路城にはさまれる不利すぎる位置取りのせいか、なんつーかこーいまいち存在感の薄い地方自治体なんである。

靴下生産日本一、あと神戸牛も育ってるし。それと加古川(川の名前)にヌートリアもいるし。
人口だって地方自治体には珍しく増えてる方なんだが。

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市南部の沿岸地帯は神戸製鋼が君臨。阪神工業地帯の雄。
新ベッドタウンでもあり、国道沿いは量販店激戦区。

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一方、市北部。広がる昔ながらの農村的ワールド

藤城康孝ことヤス犯人はヤスの暮らしてるのは、市北部のしかも駅と駅の間、ぽっかり空いた真空地帯。
郊外都市内にできた都市内田舎だったトシウチダシャではないトシナイイナカ
不自然な発達をした都市にはよくこういう空隙ができる。

住民はほぼお百姓の子孫、先祖代々ここに家と土地があって地縁血縁じつに濃ゆい。

この事件
関係する4世帯10人がそろって同姓なのが象徴的だ。

代々同族の者たちがごくごくごく狭い半径50m以内に肩寄せ合って居を構える、
昔なら当たり前。仕事もたいてい同じ(農業)だし、まあ一族集住は合理的だった。

でも今どき親族が四六時中隣り合ってたら、メリットはいまや皆無どころか、
ただただ災いのもと

ここでもそのジンクスすぎるほどジンクスの通りに。

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キミヨ*ヤス、母子二人暮らし。

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ただし、74歳@パート息子47歳@無職で。


母子が暮らす家に隣接して、一族本家のお屋敷がある。

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本家はでーんとでかくてお城みたい。都市近郊の農村でよく見かける、むやみに重厚感あふれる巨大日本住宅。ヤス母子のなんとのう安普請な家とは比べものにならず。

“お城”の主は、本家当主(故人)夫人ヒサコ*@80歳
ヤスにとっては父親の兄嫁で伯母でそして宿敵である。


さて、事件が起きると、
近隣住民の声」は、

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「玄関で話してただけなのに“悪口言いおって”と家から飛び出てきて、胸ぐらつかまれた人もいた」「殴られた人も」「子どもたちも遠回りして学校へ行った」

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「あの人たちはヒサコ*さんの土地に住んでて、税金を全然払ってくれないので払ってるんや、とよくこぼされた」

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「あの母親は昔から気が荒く、他人の犬@散歩中の腹を蹴って死なせた」「母親は仕切りたがりでパート先でも思うとおりにならないと怒る性格だった」

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「あの母子は本家に迷惑ばかりかけて。息子が暴れても母親は謝りもしない、近所に謝りに回るのは本家のヒサコ*さんだった」「息子は働いてないのに母親からお金もらってブランドとか着ていて釣りボートも買ってもらっていて」

しかも「のぞき見されてる! 盗聴されてる!」とわめいて暴れたこともあるっとくれば、こりゃもう電波系でガチだろってことだしで。

報道でも「マザコン中年が被害妄想で暴発」って内容に落ち着いていった。

トラブルメーカーとち狂った分家に振り回される、善良でまともな本家
そして善良なのに勝手に妄想で憎まれて難儀なご近所

って構図になる



……ホントに彼らの言うとおりなら


が、

この事件の裁判では、検察もそして判決も、
「ご近所さんがた」の言い分をほぼすべて、華麗にスルーした。

なぜかといえば──

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【事件激情】マーダーズ イン カントリー弐nd【或る田舎的殺戮】

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丹波卯一*@28歳、駆ける。

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真っ暗な山ん中をひいこら駆けった。

はるか後方の闇の向こう、貝尾部落のある方角で、

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ターンと銃声と甲高い悲鳴が聞こえたような……

あわわ、わし漏らしそうじゃ。
もう振り向きもせずただただ駆けって。

そうして卯一*西加茂村駐在所にようやくたどり着いたんだが、
留守 (iAi;)
巡査、出征してました(補充しとけよ)

しかたないからさらにあぜ道をひいこら、農家で自転車を借りて20分、

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息せき切って次に近い加茂町駐在所まで。


このとき午前2時40分

1938年 昭和13年
5月21日


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「巡査どのー、巡査どのー! 人殺しじゃあ!」

駐在の今田巡査はだんだん戸を叩く音と大声でとび起きて、
出ると、過呼吸状態かつ汗だくで真っ青の卯一*@28歳がいる。

それだけで、今田巡査にはすべて分かった。

都井がやったか!?」

西加茂村駐在の巡査が出征してるので加茂町駐在所が管轄を兼ねていた。この頃、岡山県警察部も慢性人手不足なんで。

今田巡査は田舎町配属にしてはまずまず有能で熱心な官憲だった。

今田巡査は以前から貝尾部落都井睦雄@22歳が危険である、と警戒していた。3月に手入れをして隠し持ってた雷管弾薬を没収したこともある。
貝尾に何度も様子を見に行き、都井に「このまま無為に過ごしておってはいかんぞ」と諭したり、鉄道職員の職を世話しようともした。

しかし都井がまた性懲りもなく土地を担保に高利貸しから金を借りて火器を買い集めたという噂が漏れ聞こえていた。

「あぁ、おかんがぁ、があ」
卯一*はもとからちと頭がぼやけている男で、取り乱してるから輪をかけて要領を得ぬ。

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ただちに津山警察署に電話で通報、宿直の警部補事件発生を報告。次に東加茂村駐在所にも電話して応援を頼み、

それから細君に、

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「おれはこの卯一*貝尾へ行く。ケガ人も出とるだろうから医者の手配、それから町役消防団を回って近在の半鐘を打ち鳴らすよう伝えること! 万一のときは鉄道電話を使うように!」

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今田巡査はあとを細君にまかせて卯一*と一緒に貝尾へ急いだ。


このとき、

貝尾殺戮が始まって、すでに1時間余──



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二ツ目が来るぞい!」

暗闇に浮かんだ懐中電灯の光がそう見えたんだろう。

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叫ぶ女にむけて、
睦やん猟銃ブローニングオートをかまえ、


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