なにしろぜんぜん隠そうとしてないし。
端本は堂々と
セーラーを外へ連れ出し、
ドライブを楽しんで、で、もって
ラブホ寄って。そこでするのは瞑想じゃなくて。

外界の同世代だったらごくごく当たり前の、でも
オウム内ではあり得ない。
もう
破戒もきわまれりのとんだ
不良信者なんだが、
この
破戒カップルが咎められたことはない。

ホントなら
サマナ@
出家信者の
不邪淫の
戒は厳しく。
そもそも
恋人や
配偶者以外との
愛のないセックス禁止、
ってくらいのはずなんだが、
教団内ではより厳しい
肉欲一切禁止として理解されていた模様。
夫婦でさえ別々に生活するし、私的に話しただけで怒られて>
マントラ鳴り響く
修行部屋で
独房修行か、コンテナに閉じ込められて暗闇で反省である。
初期には例の
岡﨑一明と
サクラー@飯田エリ子が付き合ってて>
麻原「集中が足りない」>反省して
独房修行ってこともあった。
飯田エリ子はその後も未練たらたら。ぜんぜん煩悩残りまくりです。
岡﨑は
岡﨑でその後も修行意味なしエロイエッサイムのまま、またやらかす。
ある
少女信者を親が取り返そうとモメたんで、
教団「めんどうだから表向き結婚したことにしたれ」
少女信者の法的な夫を
岡﨑ってことにして
婚姻届を出した。
が、
岡﨑一明、なに思ったのか
幼な妻と
ありとあらゆる面で名実とも夫婦として行動。
で、それが問題になって──じつはそれが
ジョーカー岡﨑の最大の脱会理由だった。
1300人も
出家信者がいて同じ場所にいたら、
そりゃあなんだかんだいって
破戒の一つや二つや三つや四つない方がおかしい。
林泰男@ヴァジラチッタイシディンナ@
科学技術省次官、
警備小屋に配属された
大洞英子@
自治省とよく会ううちに仲良くなり、靴下のほころびを繕ってもらったり。なんか
昭和の匂いがするぞ。で、2人は急接近。
オウムシスターズ4姉妹でラブビーム放射中なのは
次女セーラーだけじゃない、
セーラーの姉で
オウムシスターズ長女ソーマ、
自治省の武闘系
富田隆@シーハと熱愛中。
井上嘉浩@アーナンダと
中村昇@ウパーリオウム二大モテ男。
とくに
井上なんて
福岡支部長時代、
女信者何人もと
破戒して
麻原に怒られたり。
早川紀代秀@ティローパ、
ロシアねーちゃん大好き。
ロシアとのパイプづくりって名目で、
ロシアンクラブで豪遊して、んで飲み代
1千万円を経費で落とそうとして金庫番
石井久子にチクられ、
麻原にめっさ怒られたり。
さすがおっさん純愛より飲む打つ買うでんな。
そしてかの
菊地直子、
林泰男と付き合ってた時期あり。四六時中“
邪悪心”ばっかり抱いてたのもあの赤裸々日記でおなじみ。
そのへん
オウムも建前だらけのどろりんどろどろワールドである。
そもそも親分
グルが
ロリ大奥で好き放題ラブ注入してるんだし、子は親に似るべ。
が、単に怒られるだけでなくて、命がけのときもある。
仙台支部長中村徹、
ダーキニー@
麻原大奥のひとりと恋>2人で
下向(脱会)をもくろむ>「
けしからん」
↓
>
温熱修行なる
50度の
熱湯風呂に長時間入浴強要>全身大やけど>
死亡死んだ
中村はヒラでなくて
中堅幹部だったんで、
幹部層にも衝撃効果大きく。後ろ暗い
林泰男あたりはつねに粛清に怯えて、
地下鉄サリン散布役も断れなくなる。
でも
ガフヴァ端本&
セーラーのばやい、
幹部たちもそして
麻原さえも黙認の状態である。
文句あるならおれに言え。もしおれのクミに口とか手とか出してみろ、
おれが相手だ、殺すぞ、
麻原なんぼのもんじゃい、ぶちのめすぞ。って
ガフヴァ端本の空気感。
セーラーも、本来そういう突っ走り体質だったのかいまや
愛に殉じます無敵モード。
オウムの連中は、
暴力とか
強い意志にめっぽう弱い。
もともと
オウム信者たち一人ひとりはバイオレンスな人間ではない。
オウムの暴力犯罪ひとつひとつも、子どもの
集団イジメの延長線上的で、
しまいには血も見ないで済む
化学兵器に依存しだした。
そもそも
麻原が宗教を始めたのも「
宗教に頼るのは弱い人間だから」なんで。
だからまあそのとおりのヘタレどもが集まったわけなんだが。
いわば
のび太と
スネ夫しかいない
ドラえもん。
だから元
暴力団中田清秀@ジョーティスパタトヴァッチャウパスータカ長げーよのような本職の暴力的人間は便利には使われても、けっきょく主要幹部に入れてもらえなかった。本職偉くして対等になったら怖いではないかである。

そんな彼らだから、バイオレンス臭がムンムンする
ガフヴァ端本の存在感が怖い。
坂本弁護士事件実行犯だった
幹部村井早川新実中川は、
端本の圧倒的な暴力爆発を目の当たりにしている。
一度着火するとためらいなく黙々とバイオレンスを行使する男。
しかも
麻原への
帰依もとうに霧散ってるし、自分は月1万5000円しか使える金もらってないのに
麻原一家や
幹部はぜいたく三昧してるのも仕事柄みてきて鬱憤もたまりに溜まってるからヤケクソの
殺気すらあって、
オウム得意の
集団いじめ形式で殺そうとしても
何人かは返り討ちなんじゃないか、
拳骨めっさ痛いんじゃないか、にゃーら出ちゃうんじゃないか、
理屈じゃない、脳の奥の脳幹に棲まうずうううっと太古のご先祖様が爬虫類時代に植え込まれた
原初的な恐怖感覚。
ちょっと
修行しただけじゃ消えまへん、生きものだもの、あと
インチキ修行だもの。
だから誰も
端本と
セーラーの恋路を邪魔しようもなく、まあ見て見ぬふりである。
下っ端信者サマナたちにも2人の
自由恋愛は見える化されてるんで不満気分がうつうつしてたりするんであるが、でもだが文句はいえない。
文句いうなんて
グルに
帰依してない証拠だから。きっとなにか深い意味があるはずってことで。相変わらず便利な
オウム支配システム。
ただし、
武闘系なら有利かっていうと、似たような立ち位置でも、
セーラーの姉
ソーマと
空手使いにして元
社交ダンスクラブ講師シーハ@富田隆は、上から別れろ切れろと脅しすかしされてるから社交ダンスの先生にもかかわらず!
やはり後ろめたさというかどこか開き直れない弱含みみたいなのがあると、“
いじめっ子”に嗅ぎとられて強く出られるんだろうし社交ダンスの先生なのに。
それにくらべて妹
セーラーと
端本はそういうつけ込まれた様子がなく、
ぜんぜん悪びれてなかった、もはや確信犯というか。激強気。
その後も
端本は、
第七サティアン「まほうプラント」の稼動要員に加わったり、
江川紹子ポア作戦に加わったり、相変わらず
シークレットワーク要員で活躍してたから、
「
やることやってやるから、おれたちに口出すな」
そういう暗黙の交換条件みたいにびみょうな均衡が保たれてた模様。
さて一方、
警察の奥の院では、また異変が。
9月9日──
警視庁トップ
吉野準@警視総監が退任。
前の
総監@
安藤忠雄とおなじく、たった1年だけで異例の早期退場。
そして、
後任の
警視総監になんと
井上幸彦@警察庁次長が。
ふつう
次長>
長官って流れが順当なんで。2人つづけて
次長>
総監というのは異例、しかも
井上は
次長になってまだ3か月。W異例である。
かつて
東アジア反日武装戦線と対決するため、
次長>
総監をあえて自ら望んだ
土田國保は奇特な例で、
キャリアにとって
1等賞は長官、これ基本。
最初っから
2等賞の総監に行きたくてたまらないって
キャリアはいない。
つまり
井上が
長官まであと一歩まできて
警視総監に追いやられた感が露骨杉。
そして空いた
次長の席には、
大阪府警のフーくん 回転灯付きだよ長官官房長関口祐弘@
7月に
大阪府警本部長から異動したてほやほや、がスピード昇格。
よかった、おれは人間だ空いた
長官官房長の席には、
すがぬーこと
菅沼警備局長が。
おれはピーガルくん、しかもストラップだ…(T^T)で、空いた
警備局長の席には、
横浜帰りの
杉田和博@神奈川県警本部長が座ることに。
まあこの顔ぶれからして、某
警察庁顧問様@前
長官の意向が露骨に強く強く反映してるのはもろだしもろ分かりなわけである。
長官と
刑事局長=前
長官と同じ
静岡出身トリオ「
3K」
官房長、
警備局長=「
ファミリー」
警察業界内では、次か、次の次の
長官が
3Kの
垣見刑事局長で、
総監は
菅沼官房長、という人事予想がささやかれ。
これで前
長官が、公職から退きつつも、
末永う
サッチョーに院政を敷きつづける盤石の体制ができた、
と内にも外にも分かった。
が、無理を通せばひずみが生じる。
由緒ある
「警視総監」の度重なる安い扱われように、
誇り高き
警視庁ノンキャリ軍団ざわざわざわめき。
なめんなよてっめー
警察庁なんざ出来たの
戦後じゃねーか、
こちとら
明治時代からあるんでいべらぼーめ的に。
警視総監は
警察でただひとり
階級名と
役職名が同じ
警察官で、ほかの
警察本部長と違って
総理大臣の承認が必要だし、特別感がある。
その格式高い
総監様を残念賞扱いとはなにごとだ。
警察本部のなかでも
警視庁はひときわ
ノンキャリ軍団意識が強く、
キャリアの牙城
警察庁への不平不満がぐつぐつ煮え立つ状況に。
さらに、順当なら
國松長官(1961年入庁)の1年後輩の
井上(62年入庁)が
次長>
長官となるところを
警視総監にしたから、新
次長関口(63年入庁)は、
井上より後輩で階級も1ケ下の
警視監、つまり名実ともに格下、
というねじれ現象が残され。
これらもろもろがのち大混乱の種になるんだけども、
そんなのまだ誰も心配していない。
警視庁──
夜
コツ、 コツ、
コツ、 コツ、
コ…

ぎいいい
「おや、お久しぶりです。お元気そうですね、こちらは囚われの身だというのに」
「少しはへこんでるかと思ったら、ふてぶてしいのは変わらずか」
高石和夫@警視正@警察庁チヨダ理事官
@つまり
永田町1丁目10こと
白鳥百合子警視の上司
「おや、私服の差し入れが許されてないのか。仮にも
警視に対してひどいな」
「え? これ、れっきとした私服ですけど。家じゃきほんジャージですんで」
「え………そ、そう、まあそのーなんだーあれだ (; ̄  ̄)
服務規程違反を認めたそうだな。このままいくと免職喰らうぞ。いいのか」
「そりゃ、いやじゃで通ればいやじゃと言いますけどねえ」
「あ、
理事官の監督責任は問われないと思いますが、左遷になっちゃったらすみません。それが心配でたまらなくていろいろ口止めにいらしたんですよね」
_, ._
( ゚ Д゚ )「わたしをどんな人間と思っとるんだ!
監察が来ると合図しただろう」
(╯⊙ ⊱ ⊙╰ )「えー? 5秒前に合図されても、無理ですって」
(´・ω・) 「まあ……守ってやれんで、すまなかった。なんともしようが」
「いえ、柄にもないので反省しないでください。
理事官は将来有望な方ですから、
精一杯保身に徹して出世してください」
「ほめられてるのかケナされてるのか相変わらずわからんな。
ところで
『松本サリン事件に関する一考察』という怪文書な、
ちっとばかり水面下で波紋を呼んでるぞ」
「あーあれですか」
「なんでずっと禁足されてるのに外のことを知ってるのかは聞かんが、あれは君か」
「ご冗談を。あんなダサいの。わたしだったらもっとスマートにやります」
そうだろうな。あれは君らしくない。
で、だ。ひとつ聞きたい。
そのスマートなやりかたで、
長官の首をとった、という話は本当か?
「
それが?」
ふふふ、そうか。では、
今から
15分の間、巡回引き継ぎの連絡不備で、

この先にある搬入用エレベーターまでの廊下が無人になる。

それで地下まで降りると、

偶然ながら目の前に停まっているローレル、カギがささったままだ。
「……なぜ
理事官がそんなバカやるのか聞いていいですか?」
「
バカ言うな」
「
資格者のあいだで口伝えされてきた“
伝説”がある。
『
丸メガネに気を許すな、だがぜったい邪魔をするな』
もし自分が運悪く上司になった場合、試練とあきらめ、
丸メガネの傍若無人を我慢すれば、のちのち必ず出世できる、
だが、
丸メガネを邪魔しようとした者は、必ず不幸になる」
「あのー本人の知らんあいだに、人を不幸の手紙みたいに」
「まあ、君を陰ながら支援したい者がちらほらいるということだ。
わたしも
伝説だけでこんな危ない橋は渡れん」
「でもわたしを逃がしちゃって、
理事官は平気ですか?」
「うむ、心配には及ばん」

「今夜
23時45分から
零時までの
15分間だけ、このフロアはふたたび連絡の行き違いで無人になる。もとの場所にローレルを停め、来た道を戻って、
零時ちょうどまでにこの部屋に戻って体育座りしていれば、何も起こらなかったことになる」
「あーそれなら
理事官の保身とも両立でき
って、
あと3時間じゃないですか!」
「これが精一杯でな。だから多少は急いだ方がいいと思うぞ」
「あのー
3時間でなにしてこいと? しかも
芋ジャージで」
「さあ? 君ならなんとかするんじゃないか? スピード違反に気をつけてな」
「鬼──ッ!」【第十三解 武士と毬藻】へとつづく