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【事件激情】マーダーズ イン カントリー六th【或る田舎的殺戮】

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2004年 平成16年 8月1日

加古川市西神吉町大国

加古川花火大会

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ふう、やっと寝てくれたなあ。

キミヨ*@74歳ヤス@47歳の部屋を覗いて、ふとんで静かに寝てる息子に安心した。

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今日はいつもに増して荒れてたなあ。心配したで。

朝からひときわおかしかった。水やりしてただけの北隣のミシマ*さんをいきなり怒鳴ったり、窓から包丁投げようとしたり。

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加古川花火大会を見てたら、急にスガ*さんの下の子と怒鳴り合うて、外へ飛び出してってもうたし。

と思ったら夜9時過ぎにぶりぶり怒って帰ってきて、

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「待ち伏せしとったのに、いつの間に家に帰りおったんや」

「いてもうたる、今日こそいてもうたる」


ずっと興奮してわめいてた。さいわいいうかスガ*さんとこの子を見失ったらしい。

心配でずっとつきっきりでなだめて。
ヤスが床につくまで気が気でなかったけど。
落ち着いて眠うなったようや(子どもみたい

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そういや、ヤスが置いてる一斗缶のガソリン。気がかり。
そないなもん買うて何に使うんや、ときいたら、

ヒサコ*らぁをぶっ殺したら、テレビにこのボロ家映るやろ。恥ずかしいわ。だから燃したるんや」

あのガソリンもどこかに隠した方がええんかな。ヤスは怒るやろうけど。

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あらもう日付変わってもうた。明日のパートも早いし寝よ。
キミヨ*は部屋へ戻っていった。

これから先どうなるんやろ、とため息つきつつ。


母親の足音が遠のくのを聞き届けて、

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ヤスはそおっと目を開く──


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七th 或る田舎的 大虐殺
──転 津山三十人殺し    ──転 加古川親族7人殺害事件
──転 名張毒ぶどう酒事件 ──転 月ヶ瀬村中2女子殺人事件


1938年 昭和13年 5月21日

岡山県西加茂村

午前3時

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けたたましい半鐘。

大友嘉造*@22歳はとびおきて。

消防団なんで着替えて小走りに出た。

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団員たちが詰め所の前にぞろぞろ集まってる。
なんじゃなんじゃい、どこが火事じゃい。
ずっと半鐘が鳴ってるんだが。

やがて消防団の世話役がやってきて、
「あーご苦労さん。貝尾で強盗が入ったそうじゃ。今寄っても危険じゃけえ、家に帰って待機しんちぇ」

なんじゃなんじゃ紛らわしいの。
と、ぞろぞろ団員たちは家々に戻る。
嘉造*もそのときはなんにも思わず帰った。

なぜか貝尾という名と自分の女房良子*とがむすびついてなかった。

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【事件激情】マーダーズ イン カントリー【の予告】

COMING SOON

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m2.gif…の予告篇


語り継がれるおどろな伝説(落武者やら鬼やら)──
呪われた家系──
悲しき業と因習──
そんな耽美横溝な田舎なんて、
いまだかつて日本のどこにもなかった!


で、反対に、

おおらかで素朴で癒しで、

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脱サラで暮らしたい田舎暮らし

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こんなのどかなじいさんばあさんも、

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残念ながら虚像にしてファンタジー

そこにひそむもうひとつの顔──

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【事件激情】マーダーズ イン カントリー六th結【或る田舎的殺戮】

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1階で寝ていたタツヒコ*

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目を醒まして奥の寝室から出てきた、

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アツ子*


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さらにヤスは離れに乗り込んで、

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本棟の騒ぎに目を醒ましていた長男ノブオ*──

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そのあと本棟に戻って、

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2階へ

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長女サツキ*

自室のドアを必死で押さえようとしたが、

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ヤスは体当たりして押し入り──

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うおおおお429 
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お_4b450 
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1961年 昭和36年


名張



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「あいつら夜逃げしやがったぞおおお!」

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「人殺しめぇ!」

「やつらの家の墓なんぞ置かせるか!」

「汚らわしい!」

「ぶち壊せえっ」

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「捨てろぉ!」

「そおれっと!」

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おも 

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ああああ450_5 
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ああああ450_4 
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お_4b450 
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あああ3_440 



2004年 平成16年 8月2日 加古川

午前3時半

ヒサコ*の長男マサル*、向かいの自宅から母屋に駆けつけて110番119番中。

「母が頭を殴られてケガを。血を流して。ええ、わたしは息子で、母から助けを呼ぶ電話あったんで……」

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「……男が入ってきて襲われた言うてるんや。すぐ来てもらえますか? 犯人は逃げたようで。いや僕も向かいの自宅から来たばかりなんで分からんのですわ」

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「おかあ、もうすぐ救急車来るからな、大丈夫か」

「大丈夫なわけないやろ、ああ痛い痛いよう」

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ヒサノリ*ヒサノリ*が…2階」
「2階? ヒサノリ*もケガしよるんか?」

マナミ*@マサル*の妻も様子を見に来る。

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「どうやの。お義母さんのケガは?」

「ああ、マナミ*ユリコ*は?」
ユリコ*は2人の娘。
「いま、血を拭くタオル取りに家行ってる」
「ほうか、わしは110番119番したとこや」

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ヒサノリ*が、2階でケガしとるらしい」

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マサル*は2階へ。妻マナミ*も後に続くと、

「お、ヒサノリ*

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「長年の恨み思い知れ」

「ケガは平気か?」

「長年の恨み思い知れ」

「……ヒサノリ*?」


「長年の恨み思い知れ」


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「──マナミ*

 逃げえ」


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「長年の恨み思い知れ」



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わあああああああ
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きゃあああッきゃあああッ
うおおおおおおおお
きゃああああああッ


ヒサコ*はこのとき頭蓋骨骨折くも膜下出血まで起こしてたが、
すごい生命力で表の道路まで逃げ出ていて。

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「はあはあ、誰か、誰か助けて」

が、

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ヤスは逃げ道を読んで先回り。

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ひいいい 
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1997年 平成9年 月ヶ瀬

あああ、大丈夫かああっ

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みみみみ充代ちゃん、みみみ

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うわわわ、ははねちゃっははははねはねちゃった

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ああなんでおれはなんで。こんな。

すすすぐ病院連れてってやるからな。あああ、痛いか?

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ああなんで。おれぁ狂っちまったんか?

病院行かなきゃひどいケガケガひどい/これがバレたらもう村にいられなくなる/早く連れてってやんねえと/俺も家族も追い出される/病院病院へ/どうすりゃ/病院へ早く病院/いいんだどうすりゃどうすりゃどうすりゃどうすりゃどうすりゃどうすりゃどうすりゃどうすりゃ
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ななななんとかしなけりゃなんとか──

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なんとかしなけりゃ

なんとかしなけりゃ

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なんとかしなけりゃ──


丘崎誠人充代ストラーダ(中古)に運び込み、
ぐるぐる辺りを回ったあげくに、
人のほとんど来ない道沿いの公衆トイレへ。

ビニールテープで首を絞めようとするが、うまくいかず、

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転がっていた人頭大の石@5kgを、

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1938年 昭和13年 5月21日

岡山県西加茂村行重貝尾

夜明け前


「すぐ戻るんやぞ」

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大友嘉造*警察の非常線を越えて、
闇に包まれた無人の貝尾部落へ

女房良子*の実家、西山*家は都井家のお向かいさんである。


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良子*?」


西山秀二*@50歳

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胸部・頭部を射たれ 即死


その妻とめ*@43歳

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腹部を射たれ 即死


その実妹岡千津子*@22歳

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腕を斬られ、胸部を射たれ 即死


良子*?」

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……ああ、…ああ、あかん…

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とめ*の娘 嘉造*の妻
大友良子*@22歳

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首と胸部を射たれ 即死


凶報を受け、津山警察署署長以下署員全員出動

内務省警保局麾下岡山県警察部刑事課課長以下急派。

近隣の消防団青年団あわせて1500人の助っ人も。

「生存者の証言によると、犯人は住民の都井睦雄22歳!」
「部落にはとどまらず、西の方角へ逃げた模様であります!」

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やがて、貝尾の西隣の坂元部落の辻沿い、岡田*家でも、
平吉*みよ*夫婦が射殺されているのが見つかる。
みよ*睦雄の夜這い相手でさいきん疎遠になってた女だ。

あまりの大惨事に情報も混乱。
死者「数人」「7人」「18人」「28人」どんどん増えていく。

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都井は、連発式猟銃日本刀を所持。弾薬も多数携帯せる模様」

山に入られると厄介だ。中国山地はさほど険しくもないし、森も深くはないが、
尾根つづきに山越えされて、鳥取県へ抜けられるとまずい。といって助っ人の青年団がうっかり出くわして撃たれでもしたらえらいことだ。


夜明けを過ぎ、朝7時

坂元部落の武内市松*から通報あり。
事件直後、市松*の家に、猟銃を持った黒の詰め襟学生服のが訪れ、

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人を殺してきた。鉛筆を寄越せ、早くしろ」

市松*雑記帳鉛筆を差し出す。

市松*睦やん「冒険物語独演会」に集まってた子どもらの一人だったから、その猟銃男都井睦雄だと分かった。

睦やんはその子にひと声、
「勉強して、えろうなれよ」

西の方へと去った。

警察市松*の家近くの路上、ぬかるみに都井らしき足跡を発見。

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足跡は、荒坂峠へと向かっていた。



2004年 平成16年 8月2日

加古川

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午前3時45分

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ゴウゴウ燃えまくるヤスの家。

ヤスがガソリンをまいて火をつけたのだった。

包丁を放そうとしても固く握りしめたまま指がびくとも動かないから、

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しかたなく片手で一斗缶抱えてガソリンをまいた。

無謀にもライターで点火。

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当然こうなる。
ヤス、顔と両腕を大火傷。

顔も両手もやたら熱くてヒリヒリして痛えぞ。ああ痛え。

パトカー救急車消防車のサイレンがやかましい。

あ、しもた、そういや火ィつける前にスガ*のガキをらにゃいかんかった。
くそ、もう家燃しちまっとるやんけ。どないしよか。

でも燃える我が家を見てるうちに、

なんだか急にどうでもよくなった。

「もうやめや」

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「もう殺すのはやめや」



1938年 昭和13年 5月21日

岡山県西加茂村

朝10時


山狩り隊、貝尾から3.5キロ離れた荒坂峠近く山頂付近で、
が倒れているのを発見。

詰め襟の学生服からして都井睦雄らしい。

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「動かねえぞ」
「死んどるんかな」

みんなおっかなびっくり、石を投げてみたり、棒でつついてみたり。
やっと都井がもう生きてないのが分かった。

横には懐中電灯日本刀匕首ナショナルランプ雑嚢
それと地下足袋まできれいに並べて置き。

市松*の家で奪った雑記帳の切れ端に走り書きされた遺書

遺書には、冷たい世間、というか女たちへの呪詛の言葉がつらつら続いたあと、
こうむすばれていた。


「もはや夜明けも近づいた、死にましょう。」


睦雄猟銃で自分の心臓を撃った。


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睦やんの倒れていたのは、遠く貝尾部落をのぞめる場所だった。



──次回完結──

th 終章 或る田舎的 祭りの始末 】へとつづく──


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