ОйОй!
пизда! блядь!
япошка!
Удар смерти!
блядь!
япошка!
япо……
ゴトッ
「
ひいいいっ、かはっ」
「
げほっげほっ」
「
げほっ」

いまもはっきりと覚えているのは、

顔にかかった
ロシア兵の
血が、とても温かかったこと。
Николаевский инцидентNikolayevsk Massacre【尼港事件】惨劇の舞台となったのは、
黒竜江@
アムール川河口の港町
ニコエラフスク、
和名「
尼港にこう」である。
第一次世界大戦最中におきた
共産主義革命で
帝政ロシアが倒れたのち、
国内各地で
白軍@
反革命派が蜂起、
ロシア全土で
内戦が続いた。
主要国
米英仏日は、
モスクワの
ロシア共産党を新政府として認めず、
白軍支援のため
シベリア出兵を開始、各地に
侵攻する
干渉戦争が勃発。とくに
日本は国境北隣の
赤化されると困るんで他より1ケタ多い
7.6万の大軍を
派兵した。
そうした町のひとつ、「
尼港」こと
ニコラエフスク。
日本領の北端
南樺太に近く、
日本との交易も盛んで現地に住む
日本人居留民も多く。
赤軍は
匪賊並の
略奪強姦や
人民裁判で恐れ嫌われ、町の
ロシア人(有力者層は
ユダヤ系)住民も
日本軍を歓迎。
日本軍守備隊が
白軍と協力しつつ治安維持を担った。
1920年冬期。
アムール川が
氷結して港が使えず町は孤立。
日本軍主力のいる
ハバフロスクとの連絡も遮断された。
その隙を突いて
赤色パルチザン@共産民兵4300人が町に
来襲。
ロシア人 中国人 朝鮮人の
混成民兵で、
中華民国の
軍艦まで加勢して町を
砲撃。
対する
日本軍守備隊わずか
370人と
白軍350人程度じゃかなうわけもなく。
町を支配した
赤軍民兵は
冬期のあいだ非道の限りを尽くし。
略奪、強姦、
市民の
逮捕、拷問、処刑、
婦女子に
民兵との
“同棲”強制。
春になって
日本軍主力の救援が来る前に、人口
1万2000人の半分以上を
虐殺。隣町まで逃げた
市民もわざわざ追いかけて
殺す執拗さで。
殺し尽くし
破壊し尽くして。
こんななか
日本人もまた無事ではいられず。
捕虜の
日本兵、
日本領事一家はじめ
日本人居留民も、
女子供にいたるまで
残虐皆殺しに。
日本人犠牲者は身許が分かっただけでも
731名にのぼる。じっさいはそれ以上とも。

──わたしの家族は、けだものの
共産主義者ボルシェビキに殺された。
パーパも
マーマも、幼い
弟も。
弟は生きたまま埋められて、土からちっちゃな手だけ出ていた。
あんなに大好きで可愛がってた
弟なのに、
生きてたときを思い出せない。
顔も、声も、姿も、名前さえも。
記憶にあるのは、土から生えてた白くて小さな手だけ。
あの日、幼かったわたし。
ニイタカ・ヤヨイ-カトリーヌと名乗る前のわたしだ。
登場する事件テロ紛争戦争、その捜査は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
白鳥百合子、ニイタカ・ヤヨイ-カトリーヌら、この文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりは、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。

Late February, 20012001年 平成13年
2月下旬
Tokyo東京白鳥百合子@警視正@警察庁警備局外事課国際テロ対策室付@兼 同
警備企画課総合情報分析室長補佐@兼
警視庁公安部部付付
もはや肩書きのインフレ「うーん」
本郷@警視@警視庁公安部公安1課管理官
「
部付付どのはうかない顔だな。
駒込の説得は失敗か」
「え、なんでそれ知ってるんですか?」
「
部付付どの、さっきから考えてること全部口でしゃべってるからな」
──おれは
コマが心配なんです。
大久保@巡査部長@警視庁公安総務課
あいつ
世田谷の
一家殺しに入れ込みすぎてて。
やばいことになってる。

そりゃあのむごい
殺されようを見りゃ、
人の親として
ホシ許せねえって思うのも無理ねえですよ。
しかも
殺された子供2人が、
コマの子供と同じ年頃でね。それに
コマの下のガ…息子の友だちに、
殺された子と似た障害ある子がいるらしくって。
だから
コマはもう他人事に思えないようで。
でもありゃもうウチの
事象じゃねえ撤収ってお達し出てるのにいまだ
捜査本部に入り浸ってるのはまずい。何度も言ってるんですけど、聞かねえんです。
姐さんの言うことなら耳貸すと思うんで──、
が、
「お言葉ですが、
警視正」
駒込@警部@警視庁公安部公安総務課係長代理@兼 同
成城署警備課長補佐心得
「組織的関与の可能性が薄れたとはいえ、まだ
団体関係の個人がシロと決まったわけではありません。それならこちらの
事象として扱うのもムダではないのでは?」
「これは
捜1の仕事で
捜査員も大勢来てるし、
コマちゃんは
警備課の本業があるし」
「
警視正も
オウム真理教に対して独自に動かれましたが、
坂本弁護士一家事件の時点では、あくまで
刑事で
公安の
事象とは言えませんでした」
*【サティアンズ 第二解】
「ま、まあ、それは、
教団をあのまま放置すれば社会治安に脅威を与える存在になり得ると思ったから。じじつ
松本サリン事件でそうなったし──」
「では
警視正は、たとえ
教会関係者が関わっていても、
テロに発展しないならどうでもいい、無視しろと?」
「そうだよ」
「罪もない
子供たちまで残酷に
殺されても関係ないと?」
「うん、関係ない。あなたは
公安警察の一員ってこと忘れないで」

──売り言葉に買い言葉っていうやつですよ。
「わたしも
コマちゃん説教できた身じゃないのは分かってますよ。
坂本弁護士事件のとき、ほんとうに
公安事象に発展すると確信してたか、
坂本一家への思い入れはぜんぜんなかったか、純粋に冷徹に仕分けてたかよって聞かれたら、そら自信ないですもん」
「それで
部長にすがったのか」
し、思考盗聴ってやつ?「げっ、
警視、なんでそこまで知ってるんですか」
「だからさっきから考えてることぶつぶつ全部しゃべってただろ」
──君が素直に頭を下げるとは珍しい。
「そのくらいの常識は持ち合わせてます、わたしも」
「ふむ、彼女は
成城署で1年ちょいか。つぎの異動にはやや早いな」
安藤隆春@警視庁公安部長
「かといって拙速な配転では降格の印象が濃くなって将来人事に響きかねんし。
2月の定期人事の枠もあらかた埋まってしまったしな」
「おおそうだ、
管区警察学校で
専科教養の枠にひとつ空きが出るが、どうだ。いずれ彼女も
幹部候補として遠からず受講になったろうし、不自然じゃないだろう。
とりあえず期間は
3か月だが、次の配転はそれまでに考えよう」
「超絶神対応、痛み入りますっ。ところで
部長、」
「
つボイ様の直筆サインはまだでしょうか」
「んん? あー今回君に便宜を図ったではないか」
「それはそれ、あれはあれです」
世田谷一家殺人事件をめぐる黒いうわさ。
遺留品や
被害者の背景から「
韓国」「
北朝鮮」「
軍隊経験」「
T一教会」「
S価学会」のワードがいまも電子の海の片隅で囁かれ続けている。
そのひとつが、↓これ。
事件の
40日前──
11月下旬、
重信房子逮捕よりも影響大の
公安事件があった。
警視庁公安部外事2課が、
貿易商にして
キリスト教牧師にして
朝鮮総聯元幹部じつは
北朝鮮工作員の司令塔
康成輝カンソンヒと、同じく
牧師長谷川賛平、
パチンコ店勤務
申善三郎ら一味
12名を
逮捕したんである。
康カンは
乱数短波放送による
暗号や
万景峰マンギョンポン号で指令を受け、
日韓の
協力者獲得や
牧師の立場を利用した
情宣工作を担っていた。
あいにく
日本に
スパイ防止法がないんで、例によって
保険金詐欺とか
文書偽造とか別件での検挙だったけども、とにかく
康カングループはこれで活動不能に。
日本国内の
北朝鮮工作組織に大ダメージを与え、
外事2課@東アジア担ひさびさ大金星だった。
「だから
世田谷事件は
北朝鮮による
報復キリッ」っつう
陰謀論である。
なんで「
だからキリッ」ってつながるのかよくわからんけども、
「物理的に
駒込を
世田谷から離して、ほとぼりが冷めるのを待つわけか」
「これで一件落着、となってくれたらいいんですけどねえ。
明日、わたし出国しちゃうんで
コマちゃんとじっくり話せないのが気がかりで」
「
駒込はなにか言ってきてるのか」
「それがなにも。
コマちゃん納得いかないと遠慮なく凸ってくる人だから、逆にこの沈黙はちょっと不気味ですよ」
「ところで
白鳥、重要な話がある」
「え」
「スーパー寄る時間なかったから、夕めしは残り物の野菜炒めでいいか?」
「はぁー? 緊張感欠けるなー、人が真剣に悩んでるのに、野菜炒め?」
「食わんのか、じゃなんもつくらんぞ」
「あ、わ、食べます、食べますって、ありがたく残飯の野菜炒めいただきます」
「残飯じゃない残り物だバカモノ」
白鳥の予想したとおり、じつは
駒込はこの前日、
急な異動話がとうぜん
白鳥の差し金と気づいて、
さっそく猛抗議をしようと憤然と凸ってき
かけてたんだが、
あれ?
警視正、出かけるのかな。
膝上何cmよあれ警視正、相変わらずうらやましすぎるスタイルのよさだなー。
にしてもなんちゅう格好……、
あんないい加減な生活してて大して気をつかってる様子もないのに、
なんであの顔とあの体型維持できるんだろ。理不尽だ。
にしても、ホントぜんぜん老けないというか歳自体とらないというか。
どうなってんだろうかあの人。
わたしの方がずいぶん後輩なのに、年上に見られるようになって久しいし…(T_T)

とやっかみつつ
駒込がなぜか声を掛けないままついていく気になったのは、
微妙にセオリーと異なる
白鳥の行動が、
公安デカの習性的にどこか引っかかったからのようなそうでないような、
わたし、なんで
警視正を
追尾してるんだろ。

うわ、ここ、スーツの方が逆に目立つじゃん。
警視正のあの格好はそれでか。

(いますれ違ったとき、一瞬なにか会話した? 授受した?)

(あの男は誰だろう、)


(どこか見覚えが…)

(
え……?)

「
出せっ」
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