【事件激情】ウルトラNW : 第11便-続@再掲【9.11】
*第10便









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【事件激情】ウルトラNW : 第11便 続【911アメリカ同時多発テロ】

(いますれ違ったとき、一瞬なにか会話した? 授受した?)
(あの男は誰だろう、)

「出せっ」











【事件激情】ウルトラNW : 第11便 続【911アメリカ同時多発テロ】

(いますれ違ったとき、一瞬なにか会話した? 授受した?)

(あの男は誰だろう、)

「出せっ」

登場する事件テロ紛争戦争、その捜査は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
白鳥百合子、ニイタカ・ヤヨイ-カトリーヌら、この文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりは、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。




この年2001年2月から4月にかけて、
日米ともに、数多くの人生を激変させる大事件が立て続けにおきていた。
9 February, 2001
Friday
日本時間 2月10日 土曜日
Off the coast of Oahu
オアフ島沖

Ehime-Maru and USS Greeneville collision
【えひめ丸海難事故】
事故の一報を聞いてからも、森元という名字じゃない森善朗総理が…

ゴルフやり続けたけしからん問題。メディア総力を挙げて超バッシングされ、ただでさえ1桁だった支持率が壊滅的に。日米安保の空気も微妙なものになる。

米軍がらみでよけい話がややこやしく、
外務省の水鳥真美@日米地位協定室長が奔走することに。
18 February, 2001
Sunday
2月18日 日曜日

こんどはFBIを揺るがすスパイスキャンダルが…

スパイ容疑で逮捕されたのは、FBI防諜官ロバート・ハンセン。
CIAの二重スパイオルドリッチ・エームズやハロルド・ジェームズ・ニコルソンにつづく売国奴は、FBIにいた。
しかもスパイ狩りの狩人本人がスパイという、
スパイ物でも今どきベタすぎやろ、と言われそうなオチ。

ロバート・フィリップ・ハンセン、暗号名「レイモン」
70年代の入局まもなくから早くもKGB@ソ連に情報売るようになり、相手がSVR@ロシアに代わっても国家機密をリークし続けていた。
動機は主義主張イデオロギー関係なくカネのため。
インターネットの掲示板を巧妙に利用して情報やりとりしてたのが昔のスパイと違う。
ソ連側にいるスパイの名前、NSA@国家安全保障局のシギント情報収集システムや、軍事機密まで片っ端から売り飛ばしていた。

しかもハンセンは、NSA@国家安全保障局出向中で、NSAのイントラネットにもアクセス権があったもんだから担当者一同、真っ青である。
アメリカの情報収集体制の食らったダメージは超深く、インテリジェンス村でのFBIの信用は奈落の底以下に落ちた。
とくに「裏切り者続出のCIAと比べてFBIは忠誠心が強いキリッ」ってこれまでドヤ顔して偉そうだっただけによけいフルボッコである。しかも防諜担当がスパイで鶏小屋を狐に守らせてた状態ますますかっこわる過ぎである。

この最低不祥事ですっかりしょげてしまった、
稀代の無能にしてアホのルイス・フリーFBI長官、

10年の任期満了を待たずしてとっとと辞職しちゃったんである。
26 February, 2001
Monday
2月26日 月曜日
ヒジュラ暦 1421年 ズーアルヒッジャ月 2日目

أفغانستان باميان
Bamiyan, Afghanistan
アフガニスタン バーミヤン

Before




After
タリバーン政権、世界遺産バーミヤン石仏を大爆破。
タリバーンの人権踏みにじりまくりの暴政には洟も引っかけなかった先進国メディアや良識派()が、石仏が壊された途端こぞって騒ぎ出す。
1st April, 2001
Sunday
4月1日 日曜日

Hainan Island Incident
【海南島事件】
中国海南島沖で米軍偵察機EP-3Eと中国戦闘機殲撃8型Ⅱがクラッシュ、の結果、
中華機は墜落、中華パイロットは行方不明というか死亡。
米偵察機も大破、>海南島に不時着、>乗員が中国に拘束される。
米中双方が言い分を主張したけども、じっさい原因は中華機の曲芸飛行。
ターへーなくせにいきがって暴走飛行する中華空軍の民度の低さは、いまや国際的に誰でも知っとるてでーらー有名だてなデフォである。
クラッシュ直前の映像。手前の尖ったのはアメリカ機の回るプロペラ。
めっちゃ近すぎ。
そもそもジェット機は高速で飛ぶように作られてて低速ではフラフラ不安定なんで、
ドン亀のプロペラ機とこんな超近さで併走なんて正気の沙汰じゃない。
このパイロット王偉ワンウェイは、少校(少佐)で中隊長にもかかわらず、以前から無謀操縦やらかす問題児で有名なはっきりいってアホだった名前も王で偉そうだし。
しかしこういうばあい彼の国のつねで、

「尽职爱国的飞行员! 海空卫士王伟同志永垂不朽!
海军党委批准王伟同志為革命烈士! 荣誉称号和“一级英模!」
なんかすごいほめたたえてるっぽいぞ。
えっらい祭りあげられようである。全地球を救ったくらいの勢い。
ただでさえブッシュ大統領就任後の「中国は戦略的競争相手」発言で、米中関係がとげとげっぽくなったところにさらにこれ。
とうぜん鹵獲した偵察機を中国はさんざんっぱら調べたはずで。米軍は偵察システムを全面リニューアルするハメになった。
烈士主役の漫画もあるアル
米民主党は今も昔も媚中@“パンダハガー”、やりすぎて反動で次の共和党は対中強硬@“ドラゴンスレイヤー”に、の方程式はやはり健在。
ブッシュ政権初っぱなから米中は急速冷却化する。
米偵察機も大破、>海南島に不時着、>乗員が中国に拘束される。
米中双方が言い分を主張したけども、じっさい原因は中華機の曲芸飛行。
ターへーなくせにいきがって暴走飛行する中華空軍の民度の低さは、いまや国際的に誰でも知っとるてでーらー有名だてなデフォである。

クラッシュ直前の映像。手前の尖ったのはアメリカ機の回るプロペラ。
めっちゃ近すぎ。
そもそもジェット機は高速で飛ぶように作られてて低速ではフラフラ不安定なんで、
ドン亀のプロペラ機とこんな超近さで併走なんて正気の沙汰じゃない。

このパイロット王偉ワンウェイは、少校(少佐)で中隊長にもかかわらず、以前から無謀操縦やらかす問題児で有名なはっきりいってアホだった名前も王で偉そうだし。
しかしこういうばあい彼の国のつねで、


「尽职爱国的飞行员! 海空卫士王伟同志永垂不朽!
海军党委批准王伟同志為革命烈士! 荣誉称号和“一级英模!」
なんかすごいほめたたえてるっぽいぞ。

えっらい祭りあげられようである。全地球を救ったくらいの勢い。
ただでさえブッシュ大統領就任後の「中国は戦略的競争相手」発言で、米中関係がとげとげっぽくなったところにさらにこれ。
とうぜん鹵獲した偵察機を中国はさんざんっぱら調べたはずで。米軍は偵察システムを全面リニューアルするハメになった。

米民主党は今も昔も媚中@“パンダハガー”、やりすぎて反動で次の共和党は対中強硬@“ドラゴンスレイヤー”に、の方程式はやはり健在。
ブッシュ政権初っぱなから米中は急速冷却化する。
さらにその次の日、日本でも──
2 April, 2001
Monday
4月2日 月曜日

Sasebo, Nagasaki
長崎県佐世保市

USS Chicago, SSN-721 Los Angeles-class
米原潜「シカゴ」、佐世保に無通告でいきなり入港。
放射能漏れチェックのため、最低24時間前の事前連絡ルールを無視する慣例破り。
おどろいた佐世保市が抗議。

えひめ丸事件ショックもさめやらぬ世論が敏感なときに、
あまりにも無神経かつ同じ原潜ネタで、さすがに日本政府も慌てて、



またまた外務省の水鳥真美@日米地位協定室長が佐世保に急きょ派遣されることに。
の結果、けっきょく意図的じゃなく単なる連絡ミスと判明したんだが。

「あーあマミちゃんも大変だねー」*【ウルトラ : 10機目】
同じ4月──
アメリカ当局のヤクーザ日干し作戦発動。

山口組系最強の経済ヤクザにして芸能界に顔がきく一方でカタギも平気ではじく凶悪度MAXの武闘派、アメリカで肝臓移植手術を受けるため、ひそかにFBIと裏取引…
前科が盛りだくさんで米国ビザ不可のはずだが、
FBIの口利きでするっと裏口入国に成功、

UCLA@カリフォルニア大ロサンゼルス校メディカルセンターに100万ドルぽんと払って、ドナー待ち順も飛び越して移植を受けた。
引き替えに、山口組の中核弘道会幹部連の名前、米国内で使う金融機関をリーク。

これをもとにICE@アメリカ税関捜査局は、山口組二次団体五菱会ナンバーツーでヤミ金金庫番梶山進の口座を凍結、資金200万ドル@2億円を没収。
スイスでもクレディスイス銀の口座にある6100万スイスフラン@52億円差押え。

「暴力団」が長らく合法的に存在できてた日本と違い、アメリカ当局はとうぜんジャパニーズヤクーザをマフィアと同等の犯罪シンジケートとみなしている。
FBIや入管はヤクザや企業舎弟の米国進出を水際阻止したいんだが、日本の警察庁はヤクザ情報提供にのらりくらり後ろ向きでアメリカ側をイライラさせていて。
というわけで業を煮やしたアメリカ独自の第一手だった。
この一件は日米当局で秘匿されてたけども、7年後の08年5月、米紙ワシントンポストとロサンゼルスタイムズがスッパ抜いて波紋を呼ぶ。

一方、日本のマスコミは、例によって「報道しない自由」を行使してほぼ黙殺スルー。
さらに半年後の08年10月、

六代目山口組が、後藤をとつぜん除籍処分>引退に追い込んだ。
アメリカでの暴露記事が原因か、それとも山口組総本部の会合ブッチして芸能人参加のゴルフコンペやったからかどうかは定かではない。

のちこの流れが紆余曲折しつつも着々と進んで、
テロ資金マネーロンダリング対策と合流、
アメリカ財務省が、山口組とその中核弘道会、稲川会、住吉会、工藤會、と主要幹部たちを国際的犯罪組織として経済制裁対象に指定。ずっと非協力的だった日本の外堀も埋め、ついにヤクーザをグローバル規模で追い込む日干し作戦へとつなが
るが、それはまだまだずっと先の話。

April, 2001
2001年4月

Washington D.C.
ワシントン
息子ブッシュと取り巻きたちは就任わずか3か月で、
ソックスの飼い主前政権が何年もかけて積み重ねて形にしてきた国際テロ対策を「こんなんいらんやろ」とガラクタにしつつあった。

次官級会議@国家安全保障問題
「君らはビンラディンとかいうのを過大評価しすぎじゃないのかね!」

「おや、しゃべるトロール人形が。ノルウェーのお土産ですか?」
「私は副長官だぞ失敬な!」
Paul Wolfowitz
@US Deputy Secretary of Defense
ポール・ウォルフォイッツ@国防副長官


「大きな国際テロが国家の後ろ盾ナシでやれるはずがない。まちがいなく反米国家が後ろにいて糸を引いていることくらいちょっと考えれば分かるだろう。たとえばイラクのフセインとかイラクのサダムとかイラクのサダム・フセインとか」
Richard A. Clark
@National Coordinator for Security, Infrastructure Protection,
and Counter-terrorism for NSC
リチャード・クラーク@NSC対テロ調整官


「ここ数年国家が関わっていないテロが主流です。
それにイラクはここ数年、テロに関わってませんが」

「君やCIAがイラクとのつながりを見つけられないだけだろう!
イラクが国際的悪事すべての背後にいるのは世界の常識だぞ!」

誇張じゃなくウォルフォイッツはマジでこれ級のバカだった正体トロール人形だし。
頭の中は「イラク」「サダム・フセイン」のみ。
すべてがイラクに始まりサダムに終わる。
副大統領チェイニー、国防長官ラムズフェルド、そしてトロール人形、
息子ブッシュのお気に入りトリオが「1にイラク、2にサダム、3、4がなくて5にイラクイラクイラクイラク! イラク! イラク!」連呼厨の中心。
それに感化された息子ブッシュも程度は同じようなもんで。

「というわけで、ビンラディンのような小物に惑わされず、
イラクを念頭において安全保障を見直すべきで……」
「ちょっと待った、われわれ国務省はミスタークラークとNSCの分析に賛成だ」
Richard L. Armitage
@US Deputy Secretary of State
リチャード・アーミテージ@国務副長官


「アルカイダは大きな脅威だ。国務省では緊急優先事項にしているが?」
よくこれだけどうしようもない顔ぶればかり揃えたもんだってくらいダメダメな政権のなかで、国務長官パウエルと副長官アーミテージは、数少ないまともな閣僚で。
Colin L. Powell
@US Secretary of State
コリン・パウエル@国務長官


パウエルは湾岸戦争のとき米軍てっぺんの統合参謀本部議長、アーミテージは元海兵隊にして元軍情報部。軍人は変な主義主張に目を曇らされないリアリストである。
でも政府の主要メンツ内でせいぜい味方はそれくらい。
息子ブッシュは情報機関をどうも信用できんとみて冷淡だった。
お気に入りラムズフェルドが長官の国防総省には望み通りの予算をたっぷり回す一方で、CIAにはびた一文予算増額を認めず。
ブッシュ政権の安全保障で大きな力を持ったのは、副大統領チェイニーと国防長官ラムズフェルドで、この2人がCIAとか情報機関を役立たずとみていた。てことはつまりホワイトハウス序列でCIAはいちばん後ろのほうになったってことで。大統領の毎朝ブリーフィングにCIA長官は一応出席してるものの、↓
George J. Tenet
@Director of Central Intelligence
for Central Intelligence Agency
ジョージ・テネット@CIA長官


「まったく聞く耳も持たねえんだよなちくしょうぶつぶつ」
というテネットの愚痴を聞かされるのがクラークの日課になってきた。

同類相哀れむっつうか、テネット長官は直接クラークに新ネタを投げてくることが増えて、一緒に
が、にもかかわらず、テネットの口から、


肝心の「アルカイダ・クアラルンプール秘密会議に出席したハリド・アルミダルとナワフ・アルハズミがアメリカに潜伏中」という話は一度たりとも出ることはなく。

事件激情界では白鳥経由でミダルハズミ情報を知ってるクラークは複雑な気分。
そしてFBIの属する司法省もまた、どうしようもないやつが上に来た。
John D. Ashcroft
@US Attorney General


新司法長官ジョン・アシュクロフト、
FBIのテロ対策予算増額をすべて拒否る。どころか、

「アルカイダアルカイダうるさいっ。今後アルカイダ言うの禁止!」
Dale L. Watson
@Assistant Director for Counter-terrorism Division of FBI
デール・ワトソン
@FBI対テロ本部担当副長官補


「なあ、クラーク、あれって芝居かな。あんな鈍いなんてあり得ないだろ。
あんなのが司法長官になれるはずがないよな」
なれちゃったんですなそれが。
さらに金融ラインの国際テロ対策も先祖返りするいきおい。

大統領補佐官@経済政策担当ローレンス・リンゼイ
「マネーロンダリング規制なんて自由経済の妨げだ。自由貿易の旗手ユナイテッドステイツでは国際標準以下をめざす。テロ資金? そんなの些細なもんだろ」
財務長官ポール・オニール
「そうだそうだ、あとさーマネロン対策の多国間交渉なんてやめようよめんどいし」

「……………」
ひゅるるるるるる


ついにクラークも限界突破。
「配置換えを願いたい。対テロ調整官から退きたいと思います」

「私はこの10年間テロのことばかり考えてきて、いまや白鯨を追うエイハブ船長のようになりつつある。あなたがたにはもう少し“テロにこだわりのない担当者”の方がちょうどよいのではないでしょうか?」
Condoleezza Rice
@National Security Advisor


さすがにコンドリーザ・ライスと副補佐官スティーブン・ハドリーは慌てる。
たしかにテロ対策を軽視してるけども、まったく専門家がゼロっつうのもちょっとまずい気がする。といってクラーク並にテロに詳しい人材なんて少なくともブッシュ政権界隈にはいない。だって軽視してきたから知らないんだもん。
なので、クラークは慰留されてしぶしぶ9月末までは対テロ調整官に留任、ブッシュ政権の軍事計画書「国家安全保障大統領決定」を完成するとこまで責任持つことに。
それと、
「あなたの後任で、誰か適任者に心当たりは?」

「そのような人材なら、1人だけいます」


「はい、お土産」
John P. O’Neill
@Special Agent in charge of the National Security
in the FBI New York field office
ジョン・オニール@FBIニューヨーク支局主任捜査官(国家安全保障担当)


「なんだこりゃ」

「あなた用の“生命保険”」

「こいつは、マジか……、どうやってこんなもん手に入れた」
「信号で困ってたお年寄りを……」
「2秒でわかる嘘をつくな」

「まーあなたも首の後ろがスースーしてるだろうし少しは武器も必要でしょ」
稀代の無能にしてアホフリーの急な長官職投げ出しを受けて、
FBI長官代行に就いたのはトマス・ピカード副長官。
Thomas J. Pickard
@Deputy Director→Acting Director of the FBI

つまりオニールの天敵が暫定トップに。オニール的にお先真っ暗。
大嫌いなオニールを追い出すため、ピカードはじめアンチたちが、前年の不祥事「機密書類置き引き事件」をまた蒸し返そうといろいろもくろみ始めたのだった。

「なんでおれを助けるようなことを? じつはおれが好きか?」
「もーあなたの中じゃ女は好きか嫌いかしか分類ないの?」

「つぎの大規模テロを防ぐために一発やる太郎という人材が必要だからだよ! ミスタークラークにつづいてあなたまで抜けたら目も当てられないじゃん」

「……クラークが辞めるの、聞いたのか」

「うん。すごく残念。今こそまさにあの人が必要だと思うんだけどなあ」

「じつはな、クラークは対テロ調整官の後任に、
おれを推すつもりらしい。誰にも言うなよ」

「へえ。いいじゃん。適任かも。首尾よくいったらアンチ発狂だね。じゃ、その“生命保険”を有効活用してせいぜいわたしの人間愛の深さに感謝してよ」

「まあ、この“保険”は最低限の社交辞令的な感謝の意を示しつつ、預かっとこう。使ってやるかどうかはともかく」
「素直じゃないねー相変わらず」

「ところでこの間な、プリンストンに行って、ケナン教授に会ってきたぞ」
「あら」

「ニイタカという女のこと、あんたがアメリカで企んでることも聞かせてもらった」
「あ、そう」

「あっそうって、少しぐらい驚くとか困った顔するとかしろよ」
「いえ、もっと早く会いに行くかなと思ってたからさ。聞いたんでしょ、いろいろと」
「おれが教授から聞き出した話をあんたに都合悪く使うって思わないのか」

「だったら、わたしが人を見る目がなかったってことになるね」

「ちっ」

「っていうか一発やる太郎じゃねえ!」
「遅いよ反応が」
──信じられん。

──まあ信じる信じないはオニール捜査官、君の自由だ。
いずれにせよ妄想にして創作だよ、証拠もないからな。
なんで初対面の私にあっさりニイタカ・ヤヨイ-カトリーヌのことを話したんですか。

ん? じき君が現れるだろうから話しても構わない、とユリコに言われておる。
君は彼女にずいぶんと信頼されているようだな。
シラトリがおれを信頼? 初耳ですぜ、そんな話。
隠してもストーカーのようにまとわりついて面倒くさいからとも言っていたな。
ಠ益ಠ………

まだ聞きたいことが残っておる顔をしてるな。
じゃあ単刀直入に聞きますぜ。

シラトリは日本のおまわりだ。なのにどうしてこれほどアメリカのテロ対策にからんでくるのか。ずっと不思議だった。なんの魂胆があるのか、ってね。
教授がご存じなら答えてもらいたい」

それを知ってどうするつもりだね?
そりゃ内容次第ですな。
ふむ、君はユリコの予測したとおりの反応を返すから面白いな。

ಠ益ಠ………。

よかろう。聞かせよう。
ユリコシラトリがアメリカでやろうとしていることは──

Tokyo
東京
“コマちゃんの様子、どうですか?”

「いちおう管区学校に休まず通ってるようだぞ」

「大久保が言うには、成城署や祖師谷方面にも行ってないようだ」
“そうですか、ひとまず安心しました”




「では先ほどの事例をスライドで見てみる。明かりを消して」

──手荒に君を排除しようとしたことは謝罪する。

その際、視察班の若干名

しかし警部、君のおかげで危うく行確が台無しになるところだった。

我々の視察班が取り巻いているところへいきなり君が割って入ったのだからな。

わたしは何も聞いておりませんでしたので。

部外者に教えるわけないでしょう。上に媚びてちょっと早く警部に昇任できたからって調子に乗らない方がいいんじゃないですかね。
あなた、鼻は大丈夫? 掌底で軟骨折れたと思うけど。
ಠ益ಠ


はたしておれらの作業の対象を聞いてもそんな強気でいられますかねえ。
どういうこと?
2人ともやめろ。今は煽り合うときではない。

やっと思い出しました。あそこにいた男は、総聯の関係者で、
康成輝カンソンヒとの共犯も疑われる人物ですね。
君が白鳥警視正の元部下で今も交流があることは知っている。
だからこれは特別なはからいだからな。
まずこれは公安部長直轄の秘匿作業で、知る者はごくわずかだからそのつもりで。

とくに白鳥警視正本人には今夜のことも含めて絶対に知らせないように。
今回の事象の発端は、君も所轄として携わった世田谷一家殺しだ。

君も知ってのとおり当初あの事件は半島系の宗教団体の関与が疑われた。
だがすぐその可能性はごく低いと判断され、公安部は引いた。
だが、

判断がそうなるようミスリードされていたとしたら?
じつは団体が捜査対象から除かれる根拠となった情報だが、
それが虚偽だった可能性が高いのだ。

問題の情報を提供したのは、
裏取りを担当した白鳥警視正だ。
あの白鳥警視正が虚偽に騙されるミスを犯すとは考えにくい。
となれば、虚偽と知りつつ、報告として上げたことになる。
これは何を意味するか。
警視正には世田谷事件から公安の目を逸らしたい意志があったのではないか。

我々は、警察内部に康カングループと通じる者がいると見込んで絞り込みを続けてきた。国内外を頻繁に行き来でき、部外秘を知り得る職責にある者だ。

対象者の職位の高さもあって我々は、
秘匿中の秘匿で捕捉作業を進めている。

いま白鳥百合子警視正には、
北朝鮮工作員の協力者である疑いがかかっている。

【ウルトラNW之章 : 第12便 マッスルズ -筋肉メン- 】へとつづく








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