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【事件激情】サティアンズ 第二十六解【地下鉄サリン事件】

title前解へ戻る39  title目次へ39  s00主な登場人物01  s00事件関連年表01 



終末論をかかげるカルトは世界に数多く存在する。
だが、自らの手で世界を終わらせようとしたカルトは、
ただひとつ、オウム真理教だけだ。

──ロバート・J・リフトン@精神医学者




s26げつようび

1995年3月20日 月曜日

地下鉄サリン事件発生後──深夜

警察庁、どんより。

霞ヶ関中央官庁、とくに警察庁警視庁職員大量虐殺ねらいのテロなのは明らか。
ニッポン警察も初めて直面する、既成概念の通じない敵だった。

s26だいげきろん 
で、2日後予定の強制捜査について、大激論が。

「それみたことか、サリンはあったじゃないか。もっとあったらどうする」
2日後は危険、充分な態勢を整え直すため延期すべきだ」
「まだ都内でテロを仕掛けるつもりかもしれない。首都防衛に力を注ぐべきでは」
Xデイを公表してるわけじゃないし、延期もやむなし」

s26おされぎみ 
という声が強くて、22日は押され気味に。

そんな弱含みの空気を、

なーにを怖じ気づいておるか!
s21もたもたしてるうちに02 
井上幸彦@警視総監 

「これは警視庁、いや警察、いや国家への挑戦状!
警察を封じ込める目的で起こされたことは明白である!

s26ここでおくびょう02 
ここで臆病風に吹かれて延期などすれば、警察腰が引けたと思われる!
きゃつらの思惑どおりになるだけだわ!

きさまら警察官であろうっ。

s26めっきか びしィッ
偉そうな階級章は2階の売店で買ったオモチャか!?


mark8_60.jpg  

同じ頃──

s26まにゅある 
オウム真理教強制捜査カミングスーンを見越して、
去年つくった強制捜査マニュアルに沿って証拠隠滅をはかる。

s26いほう 
違法行為の証拠になる記録、帳簿、メモのたぐいはどんどん焼却。
失うとまずい科学技術省の記録類は、サマナが小分けにして持ち出せ。

「これを君に預ける。科学技術省の重要情報だ」

s26ほとぼりが 
小林勝彦@科学技術省秘書

トリウム爆弾、レーザー砲戦車、反物質爆弾、人工雷、巡航ミサイル、金属イオン爆弾、氷爆弾──の設計図というか「やりたいなリスト」

科学技術省トンデモ新兵器こそいちばんいらんと思うんだが。


mark8_60.jpg 

s23聖路加国際 
地下鉄サリン事件修羅場の余韻まだ残る、
聖路加国際病院

s26こつ

コツ、コツ、コツ──

s11立ち止まる靴01s26こつきい 
コツ─────────────キイイイ──

s26きいい02

s26けいしどのnew0830

s26きいい04 
s26きいい03 

s23鼻水はふけ 
警視どのー」

s26けいしどのー 
s26よかったnew0830 
渋谷くん、よかった無事で」

「よしよし」


「あーこらっ、もー髪に鼻水ついたじゃん!」



s0gjサティアンズタイトル

1995年3月22日に行われたオウム真理教強制捜査までの、警察自衛隊、そしてオウム真理教の動きは、公開された情報にもとづく。
登場する公官庁、企業、機関、組織、部局、役職もすべて実在する。
白鳥百合子1107などこの色で示されるのは、架空の人物であり、実在する人物、事件、出来事と架空の彼らの交差する部分は、例によって創作全開ソースは妄想なんであるが、その内容には一応意図がある。
また、この色この形式*の人名は仮名である。



s26cptカナリヤは啼いているか05
line_cross5_450_30.jpg



s26しらとりけいしに 
白鳥警視に話がある」

s26たかいし 
高石和夫@警察庁警備局公安第1課長@白鳥百合子の上司

s26こんばんnew0830 
「こんばんわ、課長。こんなとこにおいでになる暇ないのでは?」

s26なきつかれ 
「彼はどうしたんだ?」
「泣き疲れて寝ちゃいました」

s26きみのけいたい 
「君の携帯電話だ」

s26すまなかった 
「すまなかった」

s26あなたがあnew0830 
「あなたが謝らないといけない相手は私じゃないと思いますけど」

s26えんきせず 
強制捜査は延期せず、予定どおり22日決行と決まった」
「あら、てっきり皆さんパニクって延期かと思ってました」

「そうなりかけたが、総監の一喝で変わった」
「あー、あの人は戦国武将ですからね」

s26るすでんでは

「──留守電で1107が助けを求めてます。対応は?」

「していない。事前に波風立てるのは好ましくないとの指示だ」


s26けつあつ

「今日はわざわざありがとうございました。
私の血圧が上がる前にとっととお帰り願えますか

s26びきょく

備局長は君を黙らせたいようだ。気をつけろ」

s26きをつけろ 


mark8_60.jpg  

「ねえ、このあいだ、あなたと話してたときだけど──」

s26ねえこのあいだ02 
マハーカッサパの、ほらアメリカの、ヘリ免許の話したでしょ」
「あ、はい」

「あれね、自分で喋っといてなんだけど、あんまり広まらない方がいいの。
まだ他の人に話してないよね?」

s26はいもちnew 
「はい、もちろんです」

「よかった。このまま内緒にしておいてくれる?」
s26ないしょに02 
マチク・ラプドンマ師
会員番号20番@最古参信者。
1990年総選挙にも立候補した25人のひとり。

イラストレーター、バブル華やかりし頃ばりばりギョーカイ人だった。
教団では編集・美術系のワークを担当。
富士山総本部道場曼荼羅図を描いたのも彼女である。

入信前は岐部哲也@マハーカッサパ正悟師@もし平井堅がインド人だったら恋人で。彼女の方が先にオウムにのめり込み、岐部は彼女を止めようと同行するうちにミイラ取りがなんちゃらかんちゃら。

古参のわりに知名度低く、ほぼ同期の早川、村井、新實岐部らが大臣長官にまで出世したのとくらべると、彼女はずっと目立たず地味に中堅幹部のまま。
ただ真面目で修行スキルはわりと高く、周りから敬意を払われていた。

石井久子都澤和子と似た古風な少女的美人だったんだが、なぜか麻原に重用されていない。彼女の何かが麻原のお好みに合わなかったと思われ。

「ねえ、さっきから顔色悪くない? 大丈夫?」

s26あのさまな 
「…あの…サマナが、在家の人たちから、今朝の地下鉄事件オウムがやったと世間で言われてる、と聞いてきたんです。私、不安で」

「気持ちは分かる。でもみんなが動揺するからね。
あなたを慕ってる子はあなたが思ってる以上に多いんだから」
「……すみません」

s26さここよ01s26さここよ022 
「さ、ここよ」
 
s26さここよ031 
「どうぞ、入って」

s26ああった032 
s26はいって01 
「電気電気、あ、あった」

s26ああった  
s26ああったnew0830

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【事件激情】サティアンズ 第二十二解 後篇【地下鉄サリン事件】

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s22もういっかいnew 
「もう一回直訴したら、私クビなのでは?」

s22それはいちnew 
「それは一時解除する。君の見解を聞きたい」

警備局の見解でしたら杉田局長が申し上げていると思います」
「それは君の“解析”と同じなのか」

s22いえnewnew 
「いえ」

s22早期突入を支持 
「では君は、早期突入を支持する派か」
一刻も早く。19日でも遅いくらいです。総監とは違う理由で、ですが」
「君が急ぐ理由は」

当該団体代表者のひと声で一気に動きます。代表者の思惑を圧倒するスピードと物量で襲いかかる必要があるんです。
お役所仕事ちんたらやってる猶予はありません」

「そういう君の解析で例の化学物質はどういう位置付けなのだ」

「それをお伝えすることにあまり意味があるとは思えませんが、申し上げます。

三が日に膨大な化学製品が廃棄、プラントが取り壊されたのはほぼ確実です。しかし化学製品が最後の一滴まで消滅し尽くしたかというと、そんな保証はできません」

「では局長の言い分が正しいと?」

s22おとぎばnew 
「おとぎ話として聞いてください。ここにA*Bという2人の人物がいます。
局長の慎重論はそのうちA*のもたらした情報にもとづいています。

s21_3113.jpg 
団体化学製品昨年夏に完成してすぐ外へ持ち出し、どこかに隠してある。上九一色にも残りがまだあるかもしれない』というものです」

「しかし、君はその情報を採用しない。なぜだ」

s11ご冗談を01 
「私、生理的にA*って好きになれないんですよね」
「……ものすごい理由だな」

でもこの判断基準、今まで外したことないですよ。

そしてその君はBを信用していると。
 

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【事件激情】サティアンズ 第三解【地下鉄サリン事件】

title前解へ戻る39  title目次へ39  s00主な登場人物01 


オウムを妨害するものは
悪行を積むのと同じである

悪行を積むものが生きながらえているのは、
悪行をさらに積むことだ
悪行を積んでいるものに養われていることも
悪行になる



s02坂本一家アミ02 
坂本弁護士一家“失踪”事件タレコミ投書が投函されたのとほぼ同時期、

s02岡崎複雑因子01 
オウム古参信者岡﨑一明
衆院選挙戦中の90年2月10日、とつぜん脱会>郷里山口へ戻っている。

s02志賀大見得01 
たしかに怪しい点多し。志賀刑事は上司に相談>元信者岡﨑を見張ることに。

s02永田町目周り01 
もちろん「素性の知れない丸メガネの女に教えられまして」
などと上司に言えるはずもないんでそこは伏せて。


stitleサティアンズ001 

オウム真理教による犯行の経緯、警察の事件捜査は、原則公開された情報にもとづく。
ただし“丸メガネの女”は、架空の警察官であり、
実在する警察関係者と彼女の関わりは、創作全開ソースは妄想である。



s02chpトリックスター01s

オウム真理教古参幹部岡﨑一明
s02岡崎大見得011 
オウムでおもに名乗っていた佐伯養親の名字。
オウム入信以前は学習教材のセールスマンとかもはやうさんくささ満載だ。

s02岡﨑麻原2ショット01 
オウム真理教の前身オウム神仙の会@ヨガ教室15人くらいだった頃からの最古参で、宗教法人になってからは総務部長。その仕事はオウムの出版物を書店に売り込む営業マン(やってること前とほぼ同じなんだが)だった。

s02学塾01 
たしかに衆院選挙期間90年2月10日前後に出奔、今は地元山口県宇部市学習塾を開いていて、今はもうオウムとは関係切れてるらしい。

捜査本部監視班山口まで送って監視を続け。
が、3か月張り込んでも、誰かオウムらしいやつが接触してくるってこともないし、
不自然な動きをする様子もとくにないんで、
s02志賀現る01 
志賀刑事は思い切って90年9月の初め、じかに岡﨑のアバートを訪ねた。

s02岡崎驚く021 
岡﨑はさすがに驚く。どうやっておれが投書主って知ったんだ?

その驚きようが引っかかって、志賀は協力を頼んであった山口県警小野田署岡﨑を連れて行き、ポリグラフ嘘発見器)にかけた。

s02ポリグラフ01 
事件のことは知らない」「手紙も知らない」「自分が出したんじゃない」

s02志賀聴取01 
「あんたが脱会してすぐ、オウム真理教からあんたの口座に金が振り込まれてるな。
830万円。けっこう大金だ。あれは何かな」

2月14日、こっちでレンタカーを借りて長距離走ってるね。行き先は?
レンタカー会社があんたのカミさんの忘れ物を預かってた。あれ、長野の郷土品だな。向こうの売店でよく売ってる。他の地方でわざわざ長野土産は買わないよなあ」

そんな調子で誤魔化しきれなくなったのか、
タレコミ投書を書いて出したのは自分だと岡﨑白状

ところが、投書の理由はというと…。

s02ポリグラフ02 
投書麻原に言われて書いた」
麻原に『選挙違反捜査をはぐらかすためインチキの手紙を出せ。成功したら金をやる』と言われ、成功したから830万円もらった」

で、坂本事件当日のアリバイについても、「麻原に叱られて独房修行をしていた」

独房修行というのは、明かり一切なしの狭くて暗黒のコンテナのなかでいいと言われるまで何十日も暮らすお仕置きなのか修行なのかわからん修行だ。

s02志賀うーむ01 
志賀刑事はうーむ。
ポリグラフの結果を見ても、正直…よくわからへん。

とりあえず辻褄は合ってる、矛盾もない。
この怯えたネズミみたいな男が嘘をつきとおせるとも思えない。

志賀刑事は、岡﨑を信用することに。

ここが運命の分かれ道だった。

s02岡崎バリトリックスター01 s02岡崎チェシャ猫01 s02岡崎ジョーカー01 
この岡﨑という飛び入りジョーカーな男の胡散臭い動きのせいで
ますます事件解決が遠くなるんである。

なんてことを露知らない志賀刑事は、岡﨑を10日ほど現地の署に通わせて聴取、
後半はもっぱらオウムの内部事情について聞き取った。
岡﨑も協力的で、自分の知ってることならなんでも話す、役に立ちたいという態度。

で、ますます志賀刑事岡﨑を情報源として信用した。
坂本事件の方では空振りだったが、
オウムの内情を知るためよい情報源ができた、と思った。

s02なみの駅01 
その頃、ちょうど熊本県警が、波野村オウム教団施設に対して、
国土利用法違反を口実に強制捜査やるのやらないのってところだったし。

s02妙な女タイトミニ01 s02妙な女くちびる01 
国土利用法違反のネタを、こっそり熊本県警所轄幹部に教えたのも、

s02永田町異顔5x横長300 
あの丸メガネの女でした、
なんてことは志賀刑事もちろん知らないんだが。


そして目の前でおそれいってる岡﨑一明が内心、

s02岡崎しめしめ01 
(よしよしうまくだませた。塾も家庭教師もやって落ち着いたし、
親や友だちを裏切ることになるし、本当のことは言えないな

なんて舌出してることも志賀刑事は知らず。

岡﨑一明
息をするかのごとく嘘をつく男。

s02bk平気でうそをつく人たち 平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学 
志賀刑事に明かしてない秘密たくさんあり。

脱会ついでに、現金2億2千万8千万の通帳を持ち逃げしたこと
○持ち逃げした2億を郷里に宅配便(!)で送ろうとしてオウム側に取り戻されたこと
○で、「坂本弁護士の件を黙ってるから5千万くれ」と、麻原をゆすったこと
○突っぱねられたから威嚇のつもりで警察タレコミ投書したこと
○で、改めて麻原にゆすりの電話したこと
○で、口座に830万円を口止め料で振り込ませたこと(麻原4170万値切られた)
○実家に帰した女房に、告白テープを「おれに何かあったら警察に渡せ」と預けたこと


そして最も重大な、

○あの1989年11月4日午前3時──

s02坂本アパート03 

坂本弁護士一家のアパートで、本当は何があったのかってこと

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