【事件激情】ウルトラNW : 第12便@再掲【パリ同時多発テロ】
*第11便









【事件激情】ウルトラNW : 第12便@再掲【9.11】
「イスラム過激派の下から日に日に経験を積んだ戦闘員が巣立っている。
それに対して今、治安当局は圧倒されていると言わざるを得ない」
───イブ・トロティニヨン@DGSE(フランス対外治安総局)元局員
───────────────────(AFP 2015年11月14日付)

“明朝9時、部長室に出頭すること。
監察立ち会いの下、経過報告を行う。
君にも証言が求められるのでそのつもりで”
「わかりました」
“言うまでもないだろうが、くれぐれも秘匿のこと”
「はい」









【事件激情】ウルトラNW : 第12便@再掲【9.11】
「イスラム過激派の下から日に日に経験を積んだ戦闘員が巣立っている。
それに対して今、治安当局は圧倒されていると言わざるを得ない」
───イブ・トロティニヨン@DGSE(フランス対外治安総局)元局員
───────────────────(AFP 2015年11月14日付)

“明朝9時、部長室に出頭すること。
監察立ち会いの下、経過報告を行う。
君にも証言が求められるのでそのつもりで”

「わかりました」
“言うまでもないだろうが、くれぐれも秘匿のこと”

「はい」


登場する事件テロ紛争戦争、その捜査は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
白鳥百合子、駒込ら、この文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりは、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。




April 2, 2001
Monday
2001年 平成13年
4月2日
月曜日
Tokyo
東京

“──昨年暮れに世田谷区の会社員、宮沢みきおさん一家4人が殺害された事件で、”

“現場2階の居間にあった黒いジャンパーから
犯人と同じ血液型のA型の汗が検出されたことがわかりました”

“被害者の宮沢さん一家にA型はいないことから、成城署捜査本部は犯人が身につけていた遺留品の可能性もあるとみて捜査を進めています”

“ジャンパーはユニクロ製のエアテックジャケットで、
サイズはL、昨年11月から販売され──”
April 24, Tuesday
4月24日 火曜日

“森内閣退陣を受けて行われた自民党総裁選で、小泉純一郎元厚相が議員による本選挙でも勝利し、自民党総裁に選出され、第87代内閣総理大臣指名は確実と──”
May 8, Tuesday
5月8日 火曜日

“警視庁捜査2課は、外務省の機密費詐取流用で逮捕された松尾克俊元要人外国訪問支援室長を詐欺容疑で再逮捕しました。98年4月以降の首相外遊で約1億6000万円を騙し取った疑いで、前の逮捕容疑とあわせ、詐取額は約2億6700万円に──”
May 17, Thursday
5月17日 木曜日

“きょう、村井国家公安委員長は警視庁を視察し、野田警視総監ら幹部から都内の治安状況について説明を受けたのち、世田谷一家殺害事件などの現場を訪れ──”

「桜田門」こと警視庁本部庁舎の13階~15階、公安部フロア
、の14階には、公安部ヘッド五人衆の部屋がある。

五人衆>、公安部長、そして参事官、部付、公安総務課長、公安1課長の5人。
このうち部長・参事官・総務課長がキャリア組、部付・1課長がノンキャリアである。

「──白鳥警視正に対する、一連の行確作業の経過につきましては、
以上であります。続きまして、」

「警部、貴官は3月まで公安総務課係長補佐および成城警察署警備課長代理として、上祖師谷3丁目一家4人強盗殺人事件特別捜査本部に参加していた。事実と相違ないか」

「はい、相違ありません」
「貴官の現在の配属および勤務実態は」
「成城署から異動となり、管区警察学校の専科教養課程を受講中です」

「きみは公安総務課で昭和59年から62年、平成元年から平成4年、及びオウム関連案件において平成7年4月から9月まで、白鳥警視正の部下だったな」
「はい」
「それ以降、白鳥警視正となんらかの交流はあったか」
「はい、現在まで継続的に」
安藤隆春@警視庁公安部長


「今日、君がここで監察立ち会いのもと聴取を受けることを、
白鳥警視正は知っているか?」

「本職は知らせておりません」
「……よろしい。続けてくれ」

「白鳥警視正は世田谷事件の扱いについて、貴官になんらかの干渉を行ったか」
「公安の案件ではないので、捜査本部への出入りを控えてはどうか、と言われました」
「白鳥警視正は世田谷事件の捜査方針に関して、君に指示命令する職権者だったのか」

「いえ、違います。ですからあくまでわたしを心配しての私的な忠告と受けとりました。本職が個人の裁量で捜査本部に協力していたことも事実で……」
「警部、聞かれたこと以外は発言しないように」

「………はい」
「白鳥警視正が世田谷事件の扱いについて、公安部関与に影響する調査を担当していたことを知っているか?」

「今は知っております」
「今は、というと知ったのはいつか?」
「先月、外事2課の管理官──あなたから教えられたときです」
「先ほどの、白鳥警視正から指示を受けた時点では知らなかったのか」
「ですから、その時点では知りませんでしたし、指示命令でもありませんでした」
「──君が白鳥警視正を追尾したのはなぜだ」
「明確に説明はできません。強いて言えば、不自然さを感じたから、としか」

「白鳥警視正が訪れた輸入食品店で遭遇したという人物は、この中にいるか」
「はい、います。2番の男です」
「写真2番の男を仮に甲)とするが、甲)について知識があれば説明してほしい」

「甲)は在日本大韓民国民団の元関係者ですが、在日本朝鮮人総聯合会との関係もあるとされ、昨年11月検挙された北朝鮮工作員との共謀も疑われる帰化在日です」

「貴官はその目撃のあと、白鳥警視正か、甲)のいずれかを継続して追尾したか」
「できませんでした」
「なぜできなかった」
「現場に居合わせた、外事2課の視察班に排除されましたので。その際、本職は抵抗し、視察班の若干名の方に若干の受傷を負わせ……」
「コホン(´ρ`*)そこまで言わんでよろしい。
ではその輸入食品店で、白鳥警視正と甲)の接触の有無は」

「店出入り口にて近距離ですれ違ったのを見ました」
「そのとき、白鳥警視正と甲)の間に、情報もしくは物品の授受を視認したか」
「距離もあり、視認はできませんでした」
「そのとき、授受があったと思うか」
「推測の回答はいたしかねます」
「あくまで技術的にとらえて、授受は、可能だったと思うか」

「一般論ですが、訓練を受けた人間なら不可能ではない、と考えます」

「以上であります。この他にも複数の人間から白鳥警視正と甲)の関係性を裏付ける証言を得ており、このときも白鳥警視正との間になんらかの授受行為が行われた可能性は非常に高くなったと考えられ……」

「あ、ちょっとタンマ」

「は?」

「タンマ?」

「もうそろそろいいんじゃないか? 入ってきなさい」

「わたしめっちゃ入りづらい空気じゃないですか」




「あ、」

「え、白鳥警視正は、すでに先週出国したはずでは?」

「あーうん、あれは嘘」
「う、嘘?」

「部長、これはどういうことでありますか?」

「わたしも管理官も警部も、ハゲだぬきのチェスのポーンってことだよ」
「あー白鳥、君は目の前に本人がいるときの呼称をもうすこしなんとかしたまえ」
「じゃ、ハゲだぬきの将棋の歩」
「いやそっちの方ではなくて (。´-_-`。) 」

「…………」
「管理官、今回の案件はその報告書を部長に提出すれば終了だと思いますよ」


「お疲れ様でした。あなたたちの追尾能力は非常に優秀でガクブルしました、と誉めちぎっといたから、つぎの人事考課に反映されるといいね」

「部長、しかしこの事象は……」
「管理官、ここまであなたは超絶有能に職務をはたしてます。でも、これでもなおかつわたしを売国奴扱いするのだったら、」


「わたしに対する個人的な攻撃と受け止めるしかないけど? それでよいならどうぞ」

「…………」

ドサッ


「報告を終わりますっ」

「さ、部長、どうぞ。お待ちかねのお宝ですよ」


「申し訳ありません、本職も体調が優れませんので、失礼いたします」



「コマちゃん!」


「みんな行ってしまいましたな、部長」
「んーそうだな」

「そのー我々2人だけここにいても、意味なくないですか?」
「んーそうとも言うな」
「では私は帰ってもよいでしょうか」
「まあそうしてもらおうか」
「つまり今回の事案は虚構で、最初から監察も舞台装置にすぎないわけですね」
「足労願ってすまないがそうなる」
「どうも変だと思いましたよ、あなたが白鳥を陥れるはずがないんだ」

「安藤さん、公安部が特殊なのは理解しているつもりですが、監察をこういう演出に巻き込まないでいただけませんか」

「まあ、なりゆきというか少々危急の事情があったので、今回はすまん。
あとで属さんにも詫びを入れておくから」
*属さん : 警視庁の監察を統べる警務部長事務を兼ねる属憲夫副総監を指す

「待ってっ」


「コマちゃんっ」

「黙っててごめん。コマちゃん怒るのも無理ないよ」

「怒ってるのではありませんっ。あ、いえ怒っていますが警視正にではなく」

「自分にむかつくのですっ」

「わたしは警視正に濡れ衣をきせる動きを事前に知っていたのに黙ってました。
どころか、警視正を貶める証言までしました」
「コマちゃんは間違ったことはしてないよ」


「濡れ衣かどうかなんてコマちゃんの手持ちの情報じゃわかんないんだし、事実だったなら当然の対応でしょ。逆に裏でわたしにバラしてたら服務規程違反じゃん」
「だとしても、自分が許せません!」


「尊敬する人を売るような卑劣な──

「あ…」

「あ…」
「は、“班長”、すみません。自分は、」


「自分は、ご期待にこたえられませんでした」

「あ、ちょっと、コマちゃん!」

「……嫌われちったなあ」

2001年4月、911アメリカ同時多発テロまであと5か月を切ったこのころ。
世界のあちこちから、災厄の予兆のような不吉なお知らせがつぎつぎとやってくる。
Aprile 5, 2001
giovedi
4月5日
木曜日

Repubblica Italiana
イタリア
アフリカ人@国籍不明5人、捜査当局がミラ近郊で逮捕。
アルカイダメンの疑いあり。

מְדִינַת יִשְׂרָאֵל
State of Israel
イスラエルからの珍しく警告。
『テロリストが民間航空機をハイジャックし、兵器として使おうとしている』

المملكة الأردنيّة الهاشميّة
Hashemite Kingdom of Jordan
ヨルダンからも、
「自爆テロを意味する“ビッグウェディング”というワードが通信傍受で急増」



さらにサウジアラビア、エジプト、そしてドイツの政府首脳からも、
国防総省に>、そんなかんじの警告。
さらになんと、

افغانستان طالبان
Taliban, Afghanistan
アルカイダのダチ公タリバーン@アフガニスタンからも。
タリバーンの穏健派、外務大臣ムタワキルの密使から米外交官にタレコミ。
「アルカイダがアメリカに大規模テロを予定中」
そしてまた、

民間レベルの衛星写真でもわかる手がかり。
アフガンのアルカイダ軍事訓練キャンプ。野ざらしの中古飛行機の機体。
あるいていど観察していれば、そこで数人のグループが、小さなナイフらしきものでなにかやってるとわかる。

すなわちナイフによるハイジャックの訓練をしているのだった。

世界最大の覗き魔NSA@国家安全保障局の壁に耳あり障子に目ありドラム缶の中にトムさんありシステムこと「エシュロン」も不吉なフレーズをキャッチ。

“第二のヒロシマ”

“目を見張るような”

“真に恐ろしいことが”
この手の断片情報が世界中から押し寄せて、まるで、

“2012” wallpeper
津波か洪水のように。
もはやユナイテッドステイツの情報機関は容量オーバー。
90年代からわずか数年で加速度的に大増殖したインターネットの情報洪水を前に、

“2012” wallpeper
CIAはじめアメリカのインテリジェンスコミュニティの従来の人員とシステムではとても追っつかなくなって。もはや重要度も真偽もたしかめられずスルー、
つうか目にもとまらんうちにどんどん上書きされ古くなっていく。

容量オーバーなのは、情報機関だけではなく──、
2000年10月、欧米金融各社を顧客にコンプライアンス遵守をサポートする調査会社ブリティッシュバンキング・コンプライアンスカンパニーが、
「アルカイダの疑いある要注意人物」をブラックリストに追加。
そのなかに、のちの9.11ハイジャッカー19人のうちなんと15人が、
ヤバさ全開MAXの「危険人物」に分類されていた。

このブラックリストは欧米資本の銀行なら簡単に閲覧できるようになっていて、これでチェックすれば、うっかりテロリストやマフィア名義の口座開設を避けられる、
はずだった、
が、問題の15人はたいした支障もなくさらっと口座を開くことができて、テロ資金の受け取りやテロ準備用の支払いに活用しまくってたんである。
せっかくリストあっても誰も見やしないんじゃ意味がない。
ちなみにこの要警戒リストはCIAはじめ各情報機関も閲覧する権限を持っていた。
だが最後の最後まで、
せっかくのブラックリストと照らし合わせようって思いつく人間はいなかった。

こういうシギント情報だけではなく、
人対人ヒューミント情報でさえパイプ詰まりをおこす。

ペルシャ湾岸諸国の反体制系アンダーグラウンド界隈では、


「テログループがもうすぐアメリカに攻撃をかける」
という噂がささやかれていた。
さらにもうちょっとディープな情報通だと、


「ハリドモハメド・シェイクがハイジャックをやろうとしてる」
「ハリドモハ以下略は、WTC爆破テロをやったラムジ・ユセフの親戚」
──と、けっこう具体的な氏素性、テロの内容の口コミ情報も囁かれていて。
その筋では「飛行機計画」はもはや公然の秘密というか誰でも知っとるてーである。

戦場ジャーナリストアクションフィギュア
Toymaster War Journalist – 1/6-Scale Action Figure
とうぜん中東各地でネタあさりしてる欧米ジャーナリストの耳にも入ってくる。彼らの何人かは情報機関の意識的無意識的協力者でもある。
でも、そういうネタは、ほかの幾千万のガラクタ情報に紛れてしまい、CIAのフィールドオフィサーか次のアナリストの段階でスパム扱いされ、
さらに上の決定権をもつ人間たちまで届くことはなかった。例によって。
ただし、こういう数々の不吉なお知らせは、じっさい9.11のあと、結果知ったうえで遡って発掘したから出てきた話で、
玉石混淆にして無数のテロ情報の奔流から、9.11の前兆だけを都合よくふるい分けて、つなぎ合わせてストーリーにできる人もシステムもなかったんである。
このときのビフォー9.11とまったく同じ不幸の連鎖が、

14年後の欧州でなぞったように繰り返されるんであるが。
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