【事件激情】ウルトラNW : 第40便-続【9.11 ON THE DAY】


「全員すぐ外へ出ろッ、ここから逃げろッ」

「早く外へッ」

登場する事件テロ紛争戦争、その捜査活動は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
白鳥百合子はじめこの文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりも、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。
FBIニューヨーク支局の一部捜査官による独自捜査も、テロ直前にハイジャック機を
割り出していたこともリアル現実ではなく想像にして妄想だが、ある意図がある。





エレイン“階段はどこ? 階段はどこなの?”

ショーン“天井と床が崩れてきた。ベバリー、どうやらお別れだ”

「急げ急げ急げ! ちんたらするな!」


「重傷者が優先だ! 列を乱すな!」


「割り込み、追い越しするやつは、わたしがぶちのめす!」


「なあ、おれたちなんであのナースの言いなりになってるんだ?」
「え、いや、逆らっちゃいけないような……怖いというか……」




「歩ける軽傷者は、このビルから全力で離れろ! 北へ向かえッ」


「息の続く限り遠くまで走れ!」
ここから午前10時3分まで数分間にわたって、事態は秒刻みで急展開する。
am9:55
午前9時55分──

United 93
ユナイテッド93便
ゴオオオオオオオオオ──

「よしっ、お湯できたッ」



「缶ビール、えーと、投げるの?」
「こめかみか鼻面狙って殴るんだ」
ハイジャック発生からわずか30分。この短い時間で、直前まで赤の他人で互いに名前も知らなかった乗員乗客たちは多数決で「反撃」を決めると、命懸けの奪還計画をつくりあげた。テロリストの目の届きにくい後部ギャレーを根城にして武器になりそうなものをかき集め中。

「サイード! 客どもが後ろの方で何かやってる。今にも叛乱してきそうだ」
「黙らせろ、おかしな動きをしたやつを片っ端からぶちのめせ、血を見せてやれ」
「やつら全員で一斉にかかって来たら? おれとハズナウィだけじゃ止められない。
爆弾がニセなのも疑ってるっぽい。このままじゃやばいぞ」

「おいジャラさんよ、ワシントンまであと何分かかるんだ?」

「あと……20分」

「はぁ? 20分!? ちゃっちゃと速度あげろやっ」

「これが目一杯だ!」
ハイジャック決行までジアド・ジャラがもたもた引っ張った代償である。

反撃計画を主導したのは、マーク・ビンガム、トマス・バーネットJr.、
トッド・ビーマー、ジェレミー・グリックの乗客4人。
4人とも成功したビジネスマンで体育会系。計画と実行とチーム行動に慣れている。乗員ではサンドラ・ブラッドショーとシシー・リルズが主戦派で積極的に協力中。

「今から機を取り戻す」

「おれは死ぬだろうなあ……いや、やってみせる。
ディーナ、心配するな、きっとうまくいく」
奪還の成否はテロリストの爆弾が本物か偽物かにかかっている。

あれがニセ爆弾なら人数でこちらが圧倒的に優勢。
193cm100kgのラグビー選手ビンガムと柔道黒帯のグリッグを切り込み隊長に、
速攻勢い勝負で見張りを倒し、操縦室になだれこむ。
操縦室を奪還したら、パイロット免許持ちの乗客ドン・グリーンDonald Greeneが操縦桿を握る、で、なんとか機を安定させるか不時着させる──という、
最後は神様よろしく奇跡たのんます!決死作戦。

「朝食のバターナイフでハイジャッカーと対決するさ」
“ジェレミー、危ないことはしないで”
「いや、リズベス、やるしかないんだ」
グレッグ宅にはFBI捜査官が駆けつけ、彼と妻の通話を聴いている。

グリッグは航空電話を通話のままシートに残し、
機内の音を地上へ発信しつづけた。
am9:57
午前9時57分──

─────────‘Are you guys ready?’
トッド・ビーマー「野郎ども、用意はいいか?」

─‘Let's roll.’
「やったるぜ」

うおおおおおおおおおおッ

「え?」


「わっわっわっ、ボンブ!ジスボ
ガキッ



「ひぐわっ」



ばしゃっ

「あづっ、あぢっ」
ばしゃっ ばしゃしゃっ



「あぢぢ、あぢーっ、ぎゃあああああッ」
なんかお間抜けなケンカに見えるが、当事者たちは決死の大マジである。

「じゃ消火器が要るな!」
ゴンッ

ゴッ ゴッ ゴスッ ゴスッ

「爆弾は偽物だ! ただの粘土だぞ──ッ」
93便FA サンドラ・ブラッドショーSandra Bradshaw、夫フィルへの最後の通話


「みんなファーストクラスに向かって走ってるっ。わたしも行かなくちゃ、バイ」
am9:58
午前9時58分──


「ここじゃダメだ! もっと離れろっ」

「テレビ局の連中が邪魔だ、くそ、なんであんな処まで行きやがる」
「住民までつられて戻っちまうぞ、住民を止めろ」




“こちら1-5隊、こちら1-5隊”
「1階ロビーに降りたか? ロビーまで降りろ」
“エレベーターが壊れてる”

“70階に10.45 コード3*、エレベーターを40階より上にあげてくれ”
*10.45、コード3=ニューヨーク消防局 通信コード : 死亡重傷等緊急報告、負傷者あり

“報告、報告。78階に10.45多数、コード1*だ。サウスタワーの階段”
*10.45多数、コード1 : 死亡重傷等緊急報告、死者多数あり


「レスコラだ、我が社の職員はほぼ全員地上に撤退完了した」
Richard “Rick” Rescorla
Security Chief for Morgan Stanley Dean Witter
リチャード・レスコラ
@モルガン・スタンレー ディーン・ウィッター保安警備主任


「だが、まだ退避を確認できてない者が若干いる。確認のため上へ戻る」

「リック、あんたも外へ出なきゃダメだ」
「いや、全員が避難してからだ」


リック・レスコラ>妻スーザンへの最後の通話


‘I don’t want you to cry, Susan. I have to evacuate my people now.’
“泣かないでくれよ、スーザン。おれは仲間を助けにいかなきゃならん”


‘If something happens to me,’
“もし万一おれに何か起きたときは、”


‘I want you to know that you made my life.’
“覚えといてくれ、君がおれの人生のすべてだったと”

リック・レスコラが最後に目撃されたのは、サウスタワー10階の非常階段で、
降りる人々をトレードマークのトラメガで励まし叫ぶ姿だった。
モルガン・スタンレー ディーン・ウィッターの従業員2700人は、レスコラの猛特訓どおり無事地上に脱出、犠牲は6人にとどまった。
だが、リック・レスコラとその部下4人は生還しなかった。遺体も発見されていない。
am9:58:55
午前9時58分55秒──

ゴオオオオオオオオオオオオ

「ハズナウィがやられた。ニセ爆弾もバレた!」


「客どもが押し寄せてくるッ」

「ここに入ってくるつもりだ。ドアを破られるなッ」

「揺らすぞッ、何かにつかまれ!」

ギイイイイイ───────ン


「うわわわわわっ」「くそっ進め進めっ」


「アッラーフ、アクバル!」




am9:59
午前9時59分──

ニューヨーク市警ユク H. チン刑事、30代くらいのビジネスマンから「1機目の激突まもなく路上で拾った」と、サウジアラビアのパスポートを渡される。

9.11調査委記録(p40)
アメリカン11便ハイジャッカー、サタム・アルスカミのパスポート、ほぼ無傷だった。

【そこに陰謀はあったのか パスポートはなぜ都合よく見つかった?】

↓クリックすると開く

「あんな爆発と火災で紙のパスポートやビザが燃えないのは変だ、自作自以下略」



パスポート以外にも地上に落ちた残骸のなかには、ハイジャック機に積んでいた航空郵便がほぼ燃えないまま見つかったり、すべてが焼けて粉々の灰になるわけではない。

検証サイト 911mythsでは、2003年の【スペースシャトル・コロンビア空中分解事故】の話を例に挙げる。コロンビアは大気圏再突入中に爆発、流れ星となって四散、乗員全員が死亡したが、機内にあった実験用の蠕虫ワームとコケの培養容器は地上で発見された。しかも内部は無傷で、ワームは何世代か世代交代までしていた。
──ということもあるから偶然ハイジャッカーのパスポートが見つかるのはそんな無理筋の話じゃない。他の乗客のパスポートだって見つかってるし。


ショーン “愛してるよ、ベバリー”

“もう一度、君に会いたかった”




プルル…プルル…

「はい、どちらさま」

“くそッ、おれはなんて大馬鹿野郎だ”

「こんな大事なときになんでシラトリなんかに電話してるんだ」

「そうだよ、わたしよりバレリーとかメアリーリンとかアンナとかクリスティン@正妻さんとかにちゃんと電話してやりなよ、きっと心配し

てるって、え? ちょっ、まだビルの中なの?」
“おう、サウスタワーにな”
「はぁ? バカなの? みんな逃げてるから! 早く降りてきなよッ」
“んー、それがちょっとばかし難しくなったようなんだよな”

「あーっ、シラトリに渡すつもりの例の書類、ノースタワーのおれのデスクに置いたままだ。くそーまた同じポカを。取ってこないとな」

「そんなのもういいよお。早く逃げてよ早くやる太郎」
“ヤルタローじゃねえっ! オレ様の名場面が台無しじゃねーかこの野郎ッ”

サウスタワー83階 メリッサ・ドイMelissa Doi>緊急通報回線9-1-1の通話



メリッサ “ごほっ、あの、母と話したいの、母の電話と三者通話にできない?”
9-1-1「ごめんなさい、メリッサ。9-1-1回線にはそのシステムがないの」
メリッサ “じゃあ、母にメッセージを伝えてほしい、お願いできる?”
9-1-1「ええ、分かった。必ず伝えるから」
メリッサ “あ、ありがとう。じゃあ言うわ。母の名はアルデレーテ、電話番号は……”


ケビン・コスグローブKevin M. Cosgrove
@エーオンコーポレーション副社長>緊急通報回線9-1-1の通話
ケビン “僕らはサウスタワーの105階にいる。救助を頼む”
9-1-1「ミスター、あなたのいるのは105階のどこですか」
ケビン “いま見えるのは……フィナンシャルセンターを見下ろしてて──”



ケビン “われわれは3人、窓が2つ壊れてるところに──”
サウスタワー93階のグレッグ・ミラノウィッツGreg Milanowycz、
父親ジョゼフの同僚マルシア・デリオンMarsia DeLeonへの通話。


‘The ceiling is caving. The ceiling is caving.’
グレッグ “天井が落ちてくる………天井が落ちてくるよ……”

FBIニューヨーク支局長バリー・モーン、ワールドトレードセンター北側ビージーストリートを徒歩でニューヨーク市警緊急指揮所へ向かう途中だった。

ピンクのソックスにテニスシューズを履いた女の片足が転がっているのを見て、
それから、

なにげにツインタワーを見上げたモーンは


「シラトリ、聞いてるか」

「うん」
“悪いがちょっとあとは頼むわ、それとな、”

「負けるなよ」

「──うん」


メリッサ “ごほっごほっ、ああ、熱い、わたし死んじゃう”


9-1-1「メリッサ、マーム、落ち着いて。祈りの言葉を」

メリッサ “おお、聖母マリア、我がために祈り給わん、どうか──



助けて!”


ケビン “おお、ゴッド! オオ (ここで回線は断たれた)

なにげにツインタワーを見上げたモーンは



サウスタワーが落ちてくるのを見る。



アスベスト、ダイオキシン、PCや蛍光灯の水銀、ベンゼン、多環芳香族炭化水素、肺に治癒不能な傷をつけるグラスファイバー粒子と有毒ガスを孕む灼熱の大砂塵。

モーン支局長はWTC7のロビーに逃げ込み、
消防士数名とともに柱の後ろに飛び込んだ瞬間、

猛煙が奔流のように襲いかかり、柱に隠れなかった者はずたずたに引き裂かれた。

ドドドドドドドドドドドドドド

‘NIST FOIA, Christian Martin’

NBCプロデューサーのクリスティアン・マーティンChristian Martinは、通行人のビデオカメラを大枚払って譲り受け、南側のワシントンストリートから燃えるツインタワーを撮影してい

たら目前でサウスタワーが崩壊、地表に大量の瓦礫が降り注ぐのをとらえた。

ズゥウウウン──




「え?」

ブワッ
「わわわわわーーーっ」

ズゥウウウン──

「あ、えっ あれ?」


「げ、やば」


ゴウッ 「いま足痛いから無理ッ」



「なんて言ってる場合じゃないッ」







「痛でッ」




【第41便 地獄の花 9.11 ON THE DAY】へとつづく









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