【事件激情】ウルトラNW : 第21便【911アメリカ同時多発テロ】
*第20便──────────*new









【事件激情】ウルトラNW : 第21便【911アメリカ同時多発テロ】
明日は選挙速報好きの最高峰、4年に一度の米大統領選なわけで、全裸待機である。
衆院選でも都知事選でもAKB総選挙でもいい、とにかく開票速報フェチである。
選挙そのものより数字とか地図の色分けとかが刻々と変わるのが好きなだけだが。
「情報の目的は知識ではない、正しい行動だ」
──────────ピーター・ドラッガー

登場する事件テロ紛争戦争、その捜査活動は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
ただし、FBIニューヨーク支局による非公式秘密捜査はリアル界では行われていない。
白鳥百合子はじめこの文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりも、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。





23rd August, 2001
2001年8月23日
Thursday
木曜日
19 days before ‘Nine Eleven’
──9.11まで残り19日
イスラエルの情報機関モサドから、>CIAに口コミ情報提供。
「将来大規模なテロ計画に関わりそうな要注意人物」として、
「マルワン・シェヒ」「ハズミ」「アタ」「ミダル」
という名前と名前の断片を知らせる。









【事件激情】ウルトラNW : 第21便【911アメリカ同時多発テロ】
明日は選挙速報好きの最高峰、4年に一度の米大統領選なわけで、全裸待機である。
衆院選でも都知事選でもAKB総選挙でもいい、とにかく開票速報フェチである。
選挙そのものより数字とか地図の色分けとかが刻々と変わるのが好きなだけだが。
「情報の目的は知識ではない、正しい行動だ」
──────────ピーター・ドラッガー

登場する事件テロ紛争戦争、その捜査活動は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
ただし、FBIニューヨーク支局による非公式秘密捜査はリアル界では行われていない。
白鳥百合子はじめこの文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりも、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。





23rd August, 2001
2001年8月23日
Thursday
木曜日
19 days before ‘Nine Eleven’
──9.11まで残り19日

イスラエルの情報機関モサドから、>CIAに口コミ情報提供。
「将来大規模なテロ計画に関わりそうな要注意人物」として、
「マルワン・シェヒ」「ハズミ」「アタ」「ミダル」
という名前と名前の断片を知らせる。

中東の憎まれっ子イスラエル。アメリカから絶大な庇護を受けてるが、その情報機関「モサド」こと諜報特務庁はCIAと馴れ合わず、きほん独自路線で勝手にやっている。
その孤高のモサドがわざわざ今回レアなネタをアメリカに寄越したということは、それだけ今そこにある危機という匂いを嗅ぎとったのかもしれない。

っつうことは、CIA序列上位の長官ジョージ・テネット、国際テロ対策センター長コファー・ブラック、ビンラディン問題課長リチャード・ブリーことリッチBは、
昨年から隠蔽し続けてきたハリド・アルミダルとナワフ・アルハズミの可能性大の名前を含むアルカイダメンが大規模テロをやりそうっつう情報を得ていたうえに、
そのうち少なくともハズミダル2人組は1年半も前から米国入りしてる件も知ってて、



それってヤバいだろっての明らかだけど局益を優先してスルーしてました、
ってことになる。単に2つの情報を結びつけられませんでしたとかモサドからのお知らせ見すごしましたとかなら、ただの大間抜けだが。


さすがのCIAもここまでくると、ほっときゃいいやってわけにもいなくなってきて、
この日、ビンラディン問題課から、>FBI、国務省、司法省のINS@移民帰化局に、
「ハリド・アルミダルとナワフ・アルハズミ」を
「国際テロリストウォッチリスト韻を踏んでるのではない」に加えるよう要請。
やれやれ1年半も遅れてやっとこさ正常に回り始め
たかと思いきや──

「うーミスターモーン。落書きしてほんと悪かったと思ってます」

「反省してますからどうかそんな怒った顔しないでください」
「あーミスシラトリ、」

「君がさっきから謝ってるのは私の顔じゃなくて私の後頭部の落書きだ」
「え? あーっ、ぜんぜん気づかなかった!」

「なんとか落書きしたの誤魔化せないかって、いろいろ描き足したらよけいワケわかんないことになっていって、結局そういうことにですね……」
「そこでなぜさらに描き足す? しかも油性ペンで」

「じゃあ、こんどはもう少しかっこいいのにしますから」
「うん、そうだな、ってまた落書きするつもりなのか!」
「んーそこに


「じつは良いニュースと悪いニュースを持ってきた」
「へ?」
Barry Mawn
@Director of the FBI’s New York field office
バリー・モーン@FBIニューヨーク支局長


「良いニュースは、ようやくCIAが、FBIにハリド・アルミダルとナワフ・アルハズミをウォッチリストに入れるよう要請してきた。同じ要請が国務省と移民帰化局にも」
きらきらきらきらー


「じゃ、ようやく『ハズミダルを探せ!』解禁? やっと大手を振って探せるの?」
「ところが、悪いニュースの方はそれが原因でな」
き



「……やっぱり」

「ある意味、前より事態が悪化したというか、じつは……」
CIAはこの期に及んでまだFBIにうだうだ条件をつけてきて。


FBI本部ITOS@国際テロ作戦セクション次長ウィルシャーと補佐官ダイナ・コルシつまりCIAからの出向組@CIAの情報流通妨害担当は、“実家”の意向のとおりに、

「ハリド・アルミダルの捜査は、犯罪捜査官ではなく防諜捜査官が担当すること。
犯罪捜査官がこの情報を共有することはCIAとしては受け入れがたい」
FBIニューヨーク支局の対テロ捜査班は犯罪捜査官ばかりで、
防諜捜査官は↓たった1人しかいない、
Robert Fuller
ロバート・フラー特別捜査官@防諜担当


しかも入局したてのド新人。
とうぜんというか、駆逐艦コール爆破テロ担当の捜査官がこの制限に激怒した。
Steven Bongardt
スティーブン・ボンガルト特別捜査官
@FBIニューヨーク支局対テロ特捜班



「そりゃどーゆーごったごるぁーーっ」

ボンガルトは元米海軍のトップガンという変わり種のFBI捜査官である。
念のためいうと米駆逐艦爆破テロの容疑者としてアルミダルを追いかけてる。
が、CIA側は伝家の宝刀「情報提供者の安全安心以下略」をタテに抗議をスルー。

「こンの野郎ッ、てめーら敵の味方か味方の敵か!」

いまや現場のFBI捜査官の鬱憤は蓄積MAXになっている。
CIAとNSA@国家安全保障局がなんでもかんでも出し惜しみして隠すし。本部のITOSも味方かと思いきや背中から撃ってくるし敵のアシストしかしないし。
じゃあおれたち独自に情報集めしようぜ、といろいろ奇策も考えてみたり。


たとえばマダガスカルにアンテナを立ててハリドシェイク・モハメドの通話を傍受しようとしたりとか。アルカイダの根城アフガニスタン・カンダハールに国際電話をタダでかけられる電話ボックス@盗聴器完備を仕掛けて、アルカイダメンが「ラッキーーーッ」って騙されて使ってくれないかな作戦とか。
いくらアレでも奇策すぎだろだが、捜査官からしたらCIAとかNSAとかが同じ連邦政府機関のくせに大事なことを隠してばっかりいるせいなわけで。必死こいて考えたんだからバカバカしいのは重々承知だ笑うなって言いたいってところである。

しかもこういうときに悪いことは重なるもので、そのイライラMAXの元凶ダイナ・コルシのうっかりミスかメールの不具合か、


“ハリド・アルミダルがまだ国内に滞在しているか要確認を”
という内輪向けメールが、
よりによってトップガンボンガルトのメールアドレスにも誤送信される。
結果、>
ギュイイイイイイ────

「え? なにこの音?」
ドッッカーーーーンッッ *ソニックブーム


──────────────────────BGM : マイティ・ウィング/チープトリック

「ごらーーッなんじゃごらあーーっ!
ハリド・アルミダルがアメリカにいるだとおおおおお!」

「んなこと聞いてねーぞ! ただちに詳しく教えやがれ!」

「そのメールは犯罪捜査官のあなたには見る資格ないから、破棄して忘れるように」

「おいおいおい待て待て待て待てえっ! このアルミダルってやつがアメリカに来たのはファッキンディズニーランドに行くためじゃねーよな!」

「ボンガルト捜査官がハリド・アルミダルの捜査および取り調べに関わるのは一切禁止です。反したら懲戒処分も刑事罰もあるから。ハリド・アルミダルの件から手を引くこと。防諜捜査官に任せてあなたはおとなしくしてなさい」

「んだと! じゃてめえにゃもう聞かねーよ! フラーから聞くかんな!」

「フラー経由で聞くのも禁止に決まってるでしょ! とにかく今後犯罪部門の捜査官がアルミダルのアの字でも関係することちょっとでも知るの禁止! すべて禁止!」

ズドドドドドドドドドド

「上等だぐおらーーーーっ」
おまけにCIAビンラディン問題課に交換出向してるFBI管理職は、援護射撃してくれるかと思いきやCIAの肩もってことなかれクソ官僚として敵の味方ぶりを発揮。
さらにFBI側の法務部の弁護士シェリー・サボルも例によってCIA側の主張を法的に支持。まー名前からして仕事やらなさそうだしな。
「いいかこれだけは言っとくぞ!」


「てめーらのダンマリのせいで、もし何か起きたら! もし人が死んだら!
アメリカ国民はぜってえ納得しねーぞ! ぜってえ知りたがるぞ!」

「なんでおれたちがもっとまともな仕事できなかったか。
どうしておれたちみんなが、全力出さなかったかをな!」


「おんどりゃあぐああーーーッ」
というボンガルトのキレ芸はITOSというかそこを乗っとって牛耳るCIAに、ただでさえカチカチだった態度をさらに硬化させて、「ハリド・アルミダルが少しでも関わること」に対テロ捜査班が手を出すのは難しくなってしまったんである。

「──というなりゆきで事態が悪化してしまった。
決してボンガルトが悪いわけじゃないんだが、」
「んー、彼がやたら暑苦しい人だというのはよく分かりました」


「支局長もストレスたまってそんな顔になりますよね」
「だから頭の落書きに話しかけるのはやめたまえ」

「うーん、人数をしぼったデメリットかあー」
「で、非公式捜査のほうはどうだね」
「ええ、アンワル・アルアウラキのモスクの常連だったヨルダン人の現住所をやっと突き止めました。いまアンティツェフのどっちかとゴードンが向かってます」
↓アンティツェフのどっちか


「FBI得意の忍法個人情報一括検索の術が使えないと、インターネット普及以前に戻ったみたいにめっちゃ時間かかりますね。FBI本部にバレバレになっちゃうから無理なのは重々承知なんですけど」

Connecticut
コネチカット州
ニューヨークのほぼ北隣、ニューヨーク圏といってもいいコネチカット州。ニュージャージーが東京における千葉とか埼玉なら、コネチカットは北関東ってかんじ。

「ミスターエヤド・ムスタファ・アッラババ」

「君は昨年7月までニュージャージー州パターソンに、そのあと最近までバージニア州フォールズチャーチに住んでいた。フォールズチャーチでは、アンワル・アウラキが導師イマームを務めるダルアルヒジュラモスクに足繁く通ってたそうじゃないか」

「敬虔なイスラム教徒がモスクに通うのは珍しいことじゃないです。とくにイマームがその人だから通ったというわけではなくたまたまで、それほど親しくもないし……」

「モスクに君と同じく通ってる常連がいたはずだ。知り合いじゃないかと思ってね」
「そりゃ何人かよく見かけた人たちはいる。でも名前も知らないし」
「まあそう急いて返事しなくてもいい。まだ続きがあるんだ、」

「今年5月上旬、君は中東系の2人組と一緒に数日間旅行したそうだな。その2人組はダルアルヒジュラモスクの常連じゃなかったか? 名前も知らないのに親しいんだな」

「ちょっと待ってくれ。これは取り調べなのか。なら弁護士を呼ぶ」
「いやいや聞き込みだよ、善良な民間人に誠意ある協力をお願いしてるだけだ」
「弁護士同席でないともう何もしゃべらない」
「ま、弁護士呼びたいなら呼べばいいさ」


「おまえさん、ITエンジニアなんだってな。そっち方面は疎くてよく知らんが、さいきんのITエンジニアってのは不法移民向けのID偽造も職域に入るのかい?」

「なんなら弁護士呼んで一緒にそっちの話でもするかね?
それとも善良な民間人として会話をつづけるかね?」

「驚いた。やつが不法移民の手引きしてるなんてよく分かったな、ゴードン」

「おお、おれもびっくりしたぜ」
「当てずっぽうかよ!」

「エヤド・アッラババはアンワル・アルアウラキからの依頼で、サウジ人2人組と車で4日間、ニュージャージー州やコネチカット州を案内して回ったそうだ*」

“2人組の一方は人相からいってナワフ・アルハズミだ。もう1人はどうやらハリド・アルミダルじゃない。我々の把握してるアルカイダメンに当てはまらない未知の人物**だ”
*白鳥らの非公式秘密捜査はリアル界では行われてない架空の活動なので、エヤド・アッラババが9.11前に聴取を受けたことはない。ただし案内旅行やニセID不正は事実である。
**ちなみに案内旅行でアッラババと同行したもう「未知の人物」とはハニ・ハンジュルだった。

「おそらく潜伏先の物色だと思う。
現地では賃貸住宅やフライトスクールを数件見て回ったそうだ」
“フライトスクール?”
「もうひとつ、アッラババはコネチカット行きの際、アレクサンドリアのアパートで待ち合わせたが、そこで2人組とはまた別にアラブ人らしい若者2人を見かけている。こいつらもハリド・アルミダルと人相が一致しない」

「ってのはつまり、アルミダルも入れて少なくともアルカイダが5人は
潜伏してるって思っておいたほうがいいね」
“アレクサンドリアのアパートはすでに引き払われていた”

“これからニュージャージーに飛んで、アッラババが案内した賃貸住宅を当たってみる”
「できればフライトスクールも回ってくれるかな。ちょっと引っかかる」
“イエス、マム”
「ごめん、こき使い状態で。わたしも動ければみんなの負担減らせるんだけど」

“気にするな、ユリコは体調を戻す方を優先して、肉体労働はおれたちに任せろ”
「ったく! 人すっぽかしておいて1か月半も連絡ナシってなんなの!」

「帰国したならしたってさっさと連絡するもんでしょう!」
“ごめんごめん、ジェニぱん。ちょっとアレがナニでさ”
Jennifer Matthews
ジェニファー・マシューズ
@CIAビンラディン問題課分析官


「ジェニぱんじゃないッ、ジェニファー!」

「心配させちゃって、ごめんごめん」(ブシュネル大使の情報源やってくれたのってジェニぱんだよね。じゃないとレアネタが入りすぎだったから)

「心配なんかしてないよ。腹立っただけ」(まあそんなところ)

「ちょっと電話できないとこにいてさ。そりゃ怒っちゃうよね」(おかげでわたしは救われて感謝しかないけど、あなた大丈夫? 相当無理したんじゃない?)

「なにタチの悪い夏風邪でもひいてたの?」(いまこの電話もCIAに盗聴されてるのは確実だから。下手なこと口走らないでよ)

「いやーちょっと体調崩しちゃってさ、しばらく遠出は難しいけど、動けるようになったらまたパダワンにフォース教えに行くから。てかジェニぱんはこっち来ないの? ニューヨークに」(やっぱりわたしのためにやりすぎて疑われた?)

「あんたとちがって忙しいのわたしは!」(ちょっとね、いま監察の内偵受けてる)

「わざわざあんたの軽口聞かされるためだけに行けるかっての!」
(だから今後もうあなたとは会えない。あなたとの連絡もこれを最後にする)


「まあそう言わずにさ、ジェニぱんの熱いレミゼコメンタリー聞きたいな、涙ながらの」(分かった。本当にごめんなさい。わたしのせいで立場を危うくしてしまった)
“涙ながらじゃないし!”(※暗号成分なし、純粋なツッコミ)
「だって本編よりそっちのほうが面白いし。ほら、とくにあそこの、エポニーヌの歌の、えーと川もただの川ってとこ? いつも力説してるじゃん」

「それ違う、ファンティーヌだし! 川じゃなくて海だし!」

「あれ?」




「あれーそうだっけ?」
“まったく! 相変わらずテキトーすぎる!”

「じゃ、元気みたいだからもう切るよっ、レミゼ談義だらだらするほど暇じゃないから! じゃね!」(わたしのことは気にしないでいいから。最後に無事な声だけでも聞けてよかった。本当は顔を見たかったけど。あくまでちょっと思っただけど!)

「うん、じゃ、またね。ジェニファー」(ありがとう、授業途中なのに、ごめん)

「はいはいおやすみ!」(さよなら)


「ったく、最後の最後まで」




「えっと、たしかジェニぱんが去年のクリスマスに無理矢理くれたCDが……」


「えっとオンマイ……ほら、やっぱり合ってるじゃん」

「ジェニぱんほどのレミゼヲタが、なんでエポニーヌの代名詞みたいな歌をファンティーヌと間違えるんだろ。あの歌一番好きだって言ってたじゃん、泣きながら」


「しかも海じゃなくてやっぱり川だし」


「あーなるほどね……、つまり、これはこれと入れ替え、と。A、C、」

「こんなの出ました」

「ジェニぱん、暗号ムダに難度高いよ! わたしが解けなかったらアウトじゃんッ」

“モサド情報”
“マルワン・シェヒ”
“ミダル”
“ハズミ”
“アタ”

「CIAがまたもや隠してるハズミダルのお仲間、新たに判明、と」

「ありがと、ジェニぱん。あなたの死はムダにしない」

「ええ、マイク、そう。マルワン・シェヒ、それと名前の一部だけどアタ」

「Tが2つのアタ。この2つの名前も意識して動いて」

「マルワン・シェヒ、と、アタ」

「あなたたちは、今どこにいて、何を思ってるんだろうね?」
6th August, 2001
2001年8月26日
Sunday
日曜日

Deerfield Beach, Florida
フロリダ州ディアフィールドビーチ
例によってマリンリゾート村
の、一角にある、

Panther Motel
パンサーモーテル

この日、モーテルの経営者夫人ダイアン・スルマは「マルワン・アルシェヒ」という客の部屋を掃除しようとして異様なものをみる。
「あら、なにこれ?」

壁に掛けられた絵がなぜかバスタオルで覆われて見えないようにされていて。

絵はよくある感じな女性の絵なんだけども。
あーアラブの人だといろいろ戒律とか難しいのかしらん。

なんだか男ばかりねえ。6人? 7人?
でも女の子をナンパしに来たのでもなさそう。歩いてすぐのビーチにも行ってないみたいだし。女の肩出してる程度の絵も見ちゃいけないのに、何しに来たのかしら。砂浜にはそれこそ肩どころかもっといろいろ出してる絵じゃない本物の女の子が大勢──

「あのー、宿泊の人数が増えてませんかねえ?」

「あ、いえマダム、僕は近くから訪ねて来てるだけです、」

「すぐ帰りますから。心配しないでください」
彼女は9.11後の報道で、この男がモハメド・アタだったと知る。
これと同じ日──

筋肉メンワイル・アルシェフリ、デビットカードを使って
アメリカンエアライン11便の搭乗券を予約購入。


同じく筋肉メンワイド・アルシェフリ、ウェブサイト“AA.com”でデビットカードを使い、アメリカンエアライン11便の搭乗券を予約購入。
シェフリ兄弟が入力した住所はともにフロリダ州ハムレット。アタとアルシェヒの借りていた例のゴルフリゾート村のアパートメントだった。
27th August, 2001
Monday
8月27日 月曜日

ナワフ・アルハズミ、メリーランド州ローレルのキンコーズ店内の端末からデビットカードでアメリカン77便の自分と弟サレムの搭乗券をあわせて予約購入。

筋肉メンサイード・アルガムディ、“UA.com”にアクセス、デビットカードでユナイテッドエアライン93便の自分とアーメド・アルナミの搭乗券を予約購入。

「ハロー、ユナイテッドエアラインズ、チケットセンターです」
筋肉メンフェイズ・バニアハマド、ユナイテッドエアラインのコールセンターに電話、VISAカードでユナイテッド93便の、自分とモハメド・アルシェフリの搭乗券を購入。
28th August
Tuesday
8月28日 火曜日


マルワン・アルシェヒ、マイアミ国際空港のユナイテッドエアラインのサービスウンターに直接出向いて、ユナイテッド175便の搭乗券を購入。

筋肉メンワリド・アルシェフリ、フォートローダーデール空港のサービスカウンターで、同じく筋肉メンサタム・アルスカミ名義でアメリカン11便の搭乗券を購入。

モハメド・アタ、アメリカンエアラインのウェブサイト“AA.com”にアクセス、
VISAカードで搭乗券を2人分購入する。

名義はモハメド・アタと筋肉メンアブドルアジズ・アルオマリ。入力した住所はハリウッド(フロリダ州の)の郵便局の私書箱である。

American Airlines Flight 11
アメリカンエアライン11便
from Boston
ボストン発
to Los Angeles
ロサンゼルス行
Date
搭乗日

Sept 11
9月11日
14 days before ‘Nine Eleven’
──9.11まで残り14日
【ウルトラ ニューワールド之章 第22便】へとつづく








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