【事件激情】37564♯4(終)【世田谷一家殺人事件】


・この悲しみの意味を知ることができるなら 世田谷事件・喪失と再生の物語 入江杏 春秋社
・世田谷一家殺人事件 15年目の新真実 一橋文哉 角川書店
・世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白 斉藤寅 草思社
・世田谷一家殺人事件の真実 山本泰生 九天社
・警視庁捜査1課殺人班 毛利文彦 角川文庫
・ASKAの事件簿: 世田谷一家殺害事件の謎!
・山上の木(世田谷一家惨殺事件について)
・負け犬の遠吠え 世田谷一家殺害事件の考察
・世田谷一家4人強盗殺人事件 - 警視庁 - 東京都(PDF)
【事件激情】37564♯4(終)【世田谷一家殺人事件】
警視庁各部・各課長
各付属機関の長
各署長 殿
平成十四年三月十八日付
警視庁捜査一課長 菅原忠雄 成城署長 町田信一
国籍を問わず、犯人と年齢的、身体的特徴の近い男性からの無差別的な指紋採取を
全署、本部全課の警察官に指示徹底のこと。
年齢四十歳位以下の男性。身長一七〇センチ前後─一八〇センチ位。体格中肉もし
くはやや痩せ形。血液型A型。左右いずれかの手指を負傷したと認められる。
犯人像に該当する者(国籍は問わない)からの指紋採取について
遺留指紋は左右の拇指と認められ、各種の取り扱いに際しては左右の拇指を採取し
て送付する(左手拇指だけでも可)。
指紋採取等に応じない被取扱者については確実な血液型の確認をして下さい。

世田谷一家殺人事件とその捜査および周辺情報は、公開された情報に準ずる。登場する組織団体、公官庁、部課局、および黒文字・紫文字・赤文字の人物は実在する。
入江杏*はペンネームであり、ネット含む一部メディアでは、遺族の実名が出回り、半ば公然の情報と化してしまっているが、事件激情ではあえて入江杏*のままである。



大っぴらにリアル界で広言(ネット除く)する人はさすがに少ないけども、
じつは最も心の奥底で確信してる人が多いのが↓これだろう。

【犯人=韓国人説】
事件から15年以上が経つ上祖師谷界隈の地元住民にも根強くこれがはびこっている。
サイレントマジョリティーなかんじで。
その根拠は、

韓国生産の安物スニーカー「スラセンジャー」を履いていた、

ヒップバッグと帽子も韓国製だった、
と、


カニ歩きや生理用ナプキンでの止血法など軍隊で教わりそうなことを知っていた、
と、そして、
そして、
えっと、あれ?
じつのところ証拠らしい状況証拠はこのくらいなんだけども。

この事件の特異面のひとつ、黒いハンカチによる奇妙な包丁の包み持ち。
じつはこれすーかり忘れちょりました。他の遺留品とぜんぜんリンクしないんで。
犯人が持ち込んだらしい無印良品の黒ハンカチは2枚ある。

うち1枚は2階キッチン前の廊下に落ちていて、
三角形に折られて2端が絞られていた。
大昔の銀行強盗がつける覆面みたいなノリで。

もう1枚の黒ハンカチは泰子とにいなの倒れている中2階踊り場に落ちていた。
こっちが包丁を持つのに使われた模様。ちょっと変わった持ち方で。

ハンカチの真ん中に切り込み、切り込み近くの布地をくぐらせ袋状にします。

そこに包丁の柄を差し込んでハンカチごと包み込むように持ち、
余った布は持ち手を覆うように垂らして出来上がり。
この包み持ち、まんどくせえわりに何の利点があるのかいまいちわからん。

指紋対策? 血滑り防止? 返り血対策?
でもどれにも役に立ってない。そもそも持ちにくいし。犯人けっきょく包丁でてめえの手ケガってるし。ハンカチじゃ自傷防ぐの無理だよ。で、返り血も思っきしトレーナーに浴びてるし。そもそも自分で指紋残してるし。てか手袋はめとけよそもそも。
これ犯人が凶器選びもその使い方も含めて逆に殺人行為に慣れてない、
つまり殺しのプロでないことを物語るような……。
こんな意味ないこと軍隊で教えないし、
なので「包丁包み持ち包が2回」は、軍隊関係者から最も遠いところにあ
韓国軍の訓練のようす↓






んーと、
もしかして教えてるかも、

あの韓国軍なら。
つぎにこれ↓

犯人の残した血液のDNA鑑定結果。
DNAの塩基配列パターンの解析で、民族人種を想定したところ、


父系の特徴が反映されるY染色体遺伝子はアジア系由来、
母系が反映されるミトコンドリアは南欧系との混血種。
ただし、母方の何代前に南欧系と混血になったかまでは分からない。
犯人の母親かもしれないし、2000年前の祖先かもしれない。
で、この父系のY染色体だけども、

日本人では13人に1人、中国人は10人に1人、韓国人は5人に1人の確率で
このDNAを持つ人間がいる分布になる。
韓国人の確率めっさ高いの一目瞭然すぎっす。
ただこれはうくまで確率の話だ。
もっと特定度のうっすい「証拠」として、

「遺留品のヒップバッグから検出されたアメリカのモハーヴェ砂漠の砂だが、
この付近は韓国企業が多く進出している。その関係者の可能性あり」

FBI超能力捜査官ジョゼフ・マクモニーグルの透視によ以下略
ちなみにFBIには「超能力捜査」なんて分野はないぞえ。
あとは正直うわさレベル。

「半島と関係の太い某統一教会や某創価学会が関わった」「粗暴犯なら韓国人@在日含むキリッ」「韓国警察に指紋照合を依頼したら拒否された(もしくは「一致しない」と嘘返事がきた)」「トイレのウンコを流していないから」「アイスクリームのカップを握りつぶして食べているから」というテンプレの悪イメージ、
あげくに「泰子の実家と姉の嫁ぎ先の名字が在日の通名に多い、>つまり被害者一家は在日で在日同士の争いにちがいなキリッ」とかの“常識()”ならうようよあるんだけども。
当時は大統領金大中の対日穏健ムード(あくまでムード)や、日韓W杯@どこぞのTV局的には韓日W杯を翌年に控えた友好(の演出)ムードで、今ほど韓国への感情は悪化してなかった、というか日本人一般があまり隣国のことを知らされておらず、

隣国がどれだけ反日のマグマたぎらせてるかすら知らない、牧歌的な時代。







のちの韓流
>隣国の病的な反日、特異な国民性が日本にも伝わるのはずううっとのちのことで。

これまた韓国(および在日)に過剰に配慮するマスコミによって、世田谷一家殺人事件から頑ななまでに「韓国」の2文字すらタブーにして検証すら許さす排除し、
ひたすら「犯人は日本人」連呼を無限ヘビロテした結果、
かえってよけい「マスコミも警察も嘘をついている」
と草の根で怪しまれ度ハイスコアになっていくんである。
ところで事件当時の「外国人」の犯罪もまた、かなり特殊な環境にあって。


1993年、長年続いた外国人に義務づけられた指紋押捺が廃止される。「外国人」の8割が在日韓国人在日朝鮮人で、事実上、彼らのために廃止したようなもんだった。

その当然の副作用が外国人犯罪の激増で、廃止を境に物凄く分かりやすく右肩上がりに。あたかも台風の真っ直中で窓いきなり全開にしたようなもん。外国人がやり得とばかりに、金満で犯罪に無防備な日本という狩り場を荒らしまくったんである。

9.11同時多発テロを
世田谷一家殺人事件のおきた2000年末は、外国人の犯罪天国の時代だった。

フェイクドキュメンタリーつまり全編作り話認定された「侵入者たちの告白」の「犯人=アジア系留学生のクリミナルグループ」そのものは、作り話だったけども、






マジでこういうことも起こるんで、ほんと可能性はゼロではないんである。
ところで、
軍隊経験があって、米国モハーヴェ砂漠に行ったことある外国人、
って条件だったら↓この人たちも当てはまる。

「在日米軍」
もろ現役の方々の集団だし。犯罪をまったくしないかというとするし。

モハーヴェ砂漠にはフォートアーウィン米陸軍戦闘訓練センターとエドワーズ空軍基地があって、そこに出入りする確率が一番高いのはそりゃアメリカ兵だ。
遺留品の韓国製グッズも在韓米軍に配属されてたときに買ったってことでどう?

と、在日米軍を脊髄反射的にdisりたい特性の方々がとくに【米兵説】を激推し中。
じっさい捜査本部も当初は自衛隊員とそのOB、そして関東方面の在日米軍や横須賀に寄港した米海軍艦船にも疑いの目を向けていたこともある。
──ってかんじに、同じ証拠で、いろんな外国人に解釈可能なんである。
ただ、米軍基地と近くもなくアクセスがいいわけでもなく、しかも道路も複雑怪奇に入り組んで絶対迷子になりそうな上祖師谷界隈の、公共交通機関網からもぽっかり抜け落ちた“陸の孤島”状態のあの暗い更地ばかり目立つ一帯に米兵がたまたま迷い込み、そのなかの一軒にいきなり殴り込んで一家皆殺しにするかっていうと、
まーたくそのストーリー展開にリアル感なしなんだが。

すべての有名未解決事件の真犯人を知ってるので有名な一橋文哉はというと、
ライフワークのように「韓国人ヒットマン」説を牽引している。
それも説なだけじゃなくて、犯人と黒幕に独占インタビューまで(したと書いてある)

それによると犯人は元韓国軍兵士の不良で、黒幕は元某キリスト系宗教団体幹部の在日韓国人で北朝鮮工作員なんだそうで。
──というのが本当ならそりゃすごいんだが、

毎度のパターンっつうか、この人の記事はまったく裏取り不能のまさに独占仮名取材すぎて、本当なのか脳内取材なのか、結局本人以外の誰にもわかりようもないんで。
動機は「都から宮沢家に払われた立ち退き料1億数千万円のゲットつまりゼニ目当て」といってるんだけども、これ入江杏*が手記で数字のおかしさ含め思いっ切し全否定はい論破しちまってて、ふつうならこの時点で撤回するかなにか反論しなければいけないんだが、そういう都合の悪い話はスルーあーあー聞こえないーらしく。
下山謀殺説本みたいに何から何まで悪質な嘘と歪曲の塊とまではいかないけども、
こういうのはいわゆるソースとはいえない。
あくまで世田谷一家殺人事件にインスパイアされた「小説」と思うがよろし。

「犯人は外国人でなく日本人」連呼にもいちおう根拠があるにはある。
犯人が家捜しする際、漢字を読みとって書類を仕分けした形跡があること。


でもこれ、犯人が漢字を読めたってことしか証明してない。
たしかに昨日今日来日した外国人なら漢字読めなさそうだ。
でもじゃあ、漢字も読める外国人なら? たとえば
おっと誰が来たようだ。
「犯人=韓国人ヒットマン」は可能性ゼロではないし、もしそうだったとしても大多数が疑問に思わないだろう。でもその根拠が、一橋文哉みたいな「小説」か、ゆんゆんする電波系ばっかなんで、しょうじき陰謀論と大差ないである。
今のところは。

ギュイイイ────ンンンン


「どうして黙って見送ったの?」

「やつが乗る前に突撃してほしかったんで?」

「するんじゃないかと思って冷や冷やしたよ」
「そんな度胸はねえですよ」


「偉いさんが右って言ってるのに、おれ如き下っ端も下っ端、所轄の兵隊が左ってイキってもしゃーないっしょ。あんたの飼ってるゴリライモにボコられたくねえし」

「安心しなさい。今日はわたし一人だから」
「へえ? ほんじゃ下っ端の兵隊もちょっとだけ度胸出してみるかな」

「捜査本部から韓国警察に指紋照合が依頼された。結果は『該当なし』だった」

「が、小耳に挟んだんだが、韓国警察との間になぜかおたくの外2が入ってたって」

「なんでいちいちハムが割り込んでくるのかね。
本当にあの韓国人は世田谷と無関係なのか?」

「わたしはたかが警部だよ。そんな他の課のことまで知るわけ──」
「いーやこれも小耳に挟んだんですけどね、あんたはたかが警部じゃない」

「あんたは本庁のうんと上の方と直でつながって動いてる」


「そんな変なうわさ、どこから聞いたの?」

「ノー、コメント」

「知ってどうする気?」
「どうもしない。兵隊にできることなんざないしね。ただ知りたいだけですよ」

「あんたの地位なら下っ端の質問なんか鼻で笑って無視もできるだろうし、いつものノーコメントならそれでいい。こっちはああそういうことかと思うだけだ」

「…………」

「あの韓国人は、世田谷一家殺しと関係あるのか? ないのか?」

「どっちです?」

グオオオ──

ギュイイイイ────

イイイイ──ン

──ンンンン

「………どうも。自分は署に戻りますわ。聞き込みがまだまだ残ってるんでね」


「駒込より大久保へ」
“こちら大久保”
「全員警戒を解いて。作業完了、撤収する」
“了解”
ギュイイイ────ンンン

「ふう」

「なんかごたついてんな、こんどは何だ」
「新しい管理官が現場へ視察に行くそうですよ」

「はぁ? また管理官替わるの?」
「今回はデスクも一新するとか。捜査員も半分くらい入れ替わるって噂です」

事件から2年が経過し、成城署の特捜本部もさすがに最多の150人から80人体制まで縮小したものの、以後は成城署の署長と副署長は捜査1課から送り込む「成城シフト」が敷かれ、あたかも「世田谷一家殺人事件専従署」に。
今度こそ犯人?が浮かんでは消え浮かんでは消え。

「あっ、出てきます」
「ようやくか、引きこもり野郎、絶対逃がすな」

捜査班が待ち伏せてるのは、アパートで一人暮らしの30男。何度訪問してもぜったいにドアを開けず、聞き込みも拒否してきた。こういうやつはよほどの警察嫌い(気取り)か、後ろ暗いとこがあるやつである。
なので「外に出たとき狙って職質かけたれ」作戦。
警察嫌い気取りなら例によって「任意なら応じない」とかどっかで聞きかじったテンプレほざいてゴネるだろうが、応じるまで十重二十重に囲んで逃がさない。
「……ん?」

「あいつは違う、撤収だ撤収」
デブでした。
犯人はヒップバッグのベルトによれば腰回り70~75cmの細身なのだ。
もう一人、宮沢家の子供たちの意外に広い社会生活から浮かび上がったのが──

長女にいなのストーカーじみたロリコン野郎。


にいなの通うピアノやバレエ教室方面を洗ううちに浮かんだ男で、習い事の行く先々に出没してにいなを見つめてたりして「気持ち悪い」「ロリコン」「変質者」と父兄にも疎まれる“有名人”で。ほかの少女にもべたべたしてトラブルになったこともある、仮に犯人でなくても要注意人物だった。
「にいなにつきまとって付き添いの泰子に咎められて逆恨みじゃないのか」
泰子の顔の損傷が激しかったのも、そういう理由で泰子に敵意を持っていたのでは。
捜査本部はこのロリコンをひそかに内偵。>じつに挙動不審で怪しすぎる。

DNA鑑定で出た「母系が南欧系」にも合致する。
こいつの母親が、南欧系のハーフなのだ。
ついに捜査本部はロリコンの事情聴取と家宅捜索に踏み切る。
が、

「ダメです、指紋が違います」
「くそっ」

ほかに、こんな「容疑者」もリアルとネットの海のそこここで囁かれる。
↓
世田谷区に住む「法曹界の実力者」の息子17歳@メンヘル患い。
>事件直後に自殺。
↓
警視庁交通部(もしくは成城署最高幹部)幹部の息子17歳@ニート。
>事件直後に自殺。
そんなに似たような境遇と最期遂げるやつがそう近くに何人もいるはずがなく。

警察の殺人捜査の内実が、公に報道されることはほとんどないけども、
事件から6年の2006年暮れ、珍しい報道パターンがあった。
捜査員が回った杉並区高井戸、環八沿いの住民にたまたま
テレ朝「ニューススーション」の番組関係者がいたんである。
捜査員から見せられた顔写真は4枚
・30歳前後の男 目がつり上がり、鼻が大きい
・20代か30代の女 東南アジア系
・どこにでもいそうな50代の中年女
・30歳前後の男 メガネ、小柄、細身、日本人以外のアジア系にも見える

写真以外にも似顔絵も聞き込みに使われていた。



3人の男の似顔絵も出回った。
事件の数日前から、宮沢宅の近くで何人かの不審者が目撃されている。
そのうちの事件前日12月29日、午後1時頃に、
公園事務所の警備員とモメていた2人の人物の顔、かもしれない。

言い争いは防犯カメラに録画されていて、ベージュの作業服と紺色の制服の2人。
その場には宮沢みきおも居合わせたことが分かっている。ただみきおは口論に加わっておらず、10mほど離れた玄関横にいて傍観者だったっぽい。
この公園ビデオ映像、実在することは確かだが、今も公開されていない。
さらに同じ12月29日については、こんな目撃証言も、


午後3時頃──
宮沢宅から南へ2km地点、
成城学園前駅から歩いて5分弱の成城橋あたり
親子連れが「ラグランシャツとヒップバッグの若い男」を目撃している。

「12月なのに薄着だったから覚えていた」
じつはこの目撃証言には捜査本部が注目した理由があって。

この目撃とほぼ同時刻、同場所に、宮沢一家4人も居合わせた可能性が高いのだ。
事件前日のこの日、宮沢一家4人はそろって渋谷へ映画を観に出かけて、

ちょうど午後3時前後に成城学園前駅から小田急線に乗ったとみられるんである。

寒空にラグランシャツ男は犯人、かもしれない。宮沢一家を尾けていた、のかもしれない。それともここで犯人に目をつけられた、のかもしれない。
まだこの時期、路上の防犯カメラ網は発展途上で、いまのように犯人の全行動を各防犯カメラ映像をリレーして追い切れるほど密に張り巡らされてはいなかった。

この事件をきっかけに治安対策の声が高まり、上祖師谷近辺に防犯灯@カメラ付き@通報装置付きがつぎつぎと設置されたのは当然ながら事件より後である。
都の祖師谷公園拡張計画は事実上頓挫、人気のおハイソ住宅地のなかにあって、この周辺一帯はぽっかりと空白のまま。公園と更地の続く“陸の孤島”化が加速中。
元入江宅前に警官が常駐してるのでかろうじて治安は保たれてるが、夜の公園付近はDQNsの絶好のたまり場だ。

何年も捜査が巡り巡るうち、被害者の知人関係の追跡は、みきおの登録していたメーリングリスト@当時のLINEみたいなもんの登録メンにまで広がる。
その登録メンのなかに「バーニングマン」参加者がいた。

「バーニングマン」
ネバダ州ブラックロック砂漠で開催されるフェス@音楽とアートとヌーディストとヒッピー的疑似コミュニティおバカお祭りである。
この開催地であるブラックロックの砂が、遺留品のヒップバッグから検出された砂粒と一致するかもしれないのだ。
しかもこの登録メンは上祖師谷付近に土地勘があり、
ダブルしかも事件前の写真展で蛍光染料で「ブラックライトで光るキノコ」を制作、
どれも決定的じゃないもののあまりに一致する要素が多いんで捜査員が聴取に行って、指紋まで採っている。数年後、当人がそれをブログで明かしている。
ということは犯人ではなかったんだけども。
ちなみに砂粒の出所はより精細な成分分析によってモハーヴェ砂漠で確定、
ブラックロックの砂ではないことが後に判明した。
ときはさらに流れ──
2010年 平成22年
4月27日──

「時効廃止法案」こと刑法・刑事訴訟法改正案が可決、>即日施行。
2004年に最高刑が死刑の強盗殺人・殺人については公訴時効がそれまでの15年>25年に増量済みだったが、この廃止でその期限すら消えた。
この法改正が特別なのは、これから起きる事件だけでなく、施行の時点で時効になっていない過去おきた事件にもさかのぼって適用される、
という“禁じ手すれすれ”の遡及法的な性格をもつところで。
「スーパーナンペイ女性3人射殺事件@1995年」「柴又上智大生刺殺放火事件@1996年」「世田谷一家殺人事件@2000年」など373件の未解決事件の時効が消えた。
だが、それと同じ4月──

入江杏*の夫が急逝。享年60歳。
エンジンデザイナーとして英国での華やかな成功を捨て、傷心の家族のそばに寄り添うことを選んだ漢だったけども、
本人も当事者だったわけで、事件は本人も知らぬうちに心身を蝕んでいた。
つづく翌年の2011年 平成23年──
杏*と泰子姉妹の母親、死去。享年82歳。
晩年は体調を崩し、視力を失っていた。
事件の朝、一家4人の遺体をじっさい目にした遺族は、泰子の母親だけだ。
マスコミには何も語らなかったが、家族にだけはあの日見た酸鼻を極める光景を語った語って語って語り続けた。一度スイッチが入ると止まらず、最初から最後までぜんぶとめどなく語って語って語りつづけた何度でも何度でも何度でも何度でも何度でも。
さらに立て続けにその翌年、2012年 平成24年──

宮沢みきおの父、良行死去。享年84歳。

殺人事件遺族によって結成された「宙の会」会長。
トレードマークはベレー帽、時効廃止運動のアイコンの一人だった。

「生きてる間に捕まえられなくてごめんね」
事件は関わった刑事たちの人生もまた大きく変える。

元成城署長土田猛@歌う元署長
「成城シフト」で捜査1課から成城副署長、のち署長。成城シフトの歴代署長のなかでもひときわ世田谷事件に入れ込み、精力的に捜査を主導するが、解決みないまま定年。

その後「宙の会」特別参与にも就き、遺族をサポートする。
毎年師走になると、警視庁はちょぼちょぼ小出しに「新事実」を公表。
ただし報道で「~28日までに分かった」的に書かれるのは、
「分かった」のはメディア目線の時系列で、警察は言ってなかっただけの意。
師走の「新事実」発表はだんだん年末の恒例行事のようになっていく。

福田和子@松山ホステス殺人事件の犯人
時効寸前のワイドショーで「時効寸前」と大々的に顔と声が流れまくって、潜伏先で「そういや声似てね?」と身バレ、>時効21日前にしょっぴかれた彼女の“成功例”もあるんで、メディアで情報が流れ続けることはけっこう大事なんである。
だから警察は「秘密の暴露」用のストックが枯渇するほどつぎつぎと細かな情報を流すが、さすがに月日が経つにつれ、反応も少なくなっていく。

事件から10年ちょい経つ頃、宮沢宅と入江宅をついに取り壊す話が持ち上がる。
2軒を囲むシートと足場が組まれたときに解体がうわさになったが、
じっさいその話はそれより前にあったんである。
こんな長い年月そのまま残されてる現場は他にないし、人が住まない家屋はすぐ傷むというのはほんとうで、老朽化で壁にクラックが増え、崩れる心配も出てきたし。
仮に現場がなくなっても裁判は維持できるし。
捜査1課長、刑事部参事官@“副部長”はOKを出す。
だがこのときは刑事部長が取り壊しにストップをかけた。
「ダメだ、あの事件は特別だ。あの現場は特別なんだ」
さらにときは無情に過ぎゆき──

この年、捜査本部のもはや恒例の「新事実」発表は例年とちと違った。
「翌日朝のネット接続はやっぱり誤作動」と朝逃走をふたたび深夜逃走に軌道修正。
14年経ってまた事件直後の見立てにリセットされたんである。
さらに、犯人の推定身長も175cmから、>170cmに修正。
つまりやや長身から、>中肉中背に変更したわけで対象は無限に広がった。
そしてこの年、ある“事件”がおきる。


幼児しかも発達障害なため、交友関係はごくごく限られるとみられていた長男礼。
だが礼は発達障害診療の病院や福祉施設に出入りしていて、大人世代の不特定多数と接触する機会は、そこらの健常児よりもじつは多かったりするんである。

とうぜん礼一人では通えないんで、基本泰子が付き添っている。
そこで礼かそれとも親が接点を持った者のうちの誰かが犯人かも、しれない。
「礼の発達障害がらみの知人」
「犯人知人説」でわりと主流なのがこれ。
例の一橋文哉による立ち退き料目当ての韓国人ヒットマンの黒幕も、
礼の発達障害関連を利用して宮沢家に接近した、って設定だ。
そもそもこのカテゴリーは両親の人間関係ともむすびついてないし、対象が対象なだけに捜査網からこぼれ落ちてる可能性もないではないわけで。

元FBI心理分析官マーク・サファリックもこの説をとった。

マーク・サファリック@元FBIプロファイラー
テレビ朝日が2014年末特番で高っけえギャラ払って呼んだ、
FBIのBAU@捜査・作戦支援課行動分析班に所属、プロファイリング歴23年。
「犯人の奇妙な行動は私が過去に扱ったケースの行動データと一致するキリッ」
と心理分析官なセリフをキメつつ。

「プロファイリングで大切なのは、1に殺害現場の様子、2に侵入経路、3に脱出経路、最後に犯人の遺留品や行動だ。この順番を間違ってはいけない。とくに2と3を間違えると誤ったプロファイリングをしてしまう」
その肝心の2と3がいまだ分からないんだが。
「犯人の行動すべてに理由をつけることは不可能かつ無意味だ。不可解な行動はひとまずスルーしていい。明確な理由付けができるものをもとに犯人像を絞り込むのだ」
これを翻訳すると、
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/ i f ,.r='"-‐'つ____ こまけぇこたぁいいんだよ!!
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,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
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「名探偵s」があーでもないこーでもないとつつき回してる細かな矛盾はスルーでいい、っつうのは斬新ていや斬新なスタンスである。さっすがアメリカ人というか。

「ふむ、この包丁は殺人に向いていない。犯人は殺人に慣れていないキリッ」
「こうした凶器を使う殺人の動機は、強い怨恨の可能性があるキリッ」

「冬空の下、開いているかも分からない2階の小さな窓から入るとは考えにくい。ふつうに玄関から入ったのでは。ということは犯人は宮沢一家の知り合いである」
「翌朝逃走したという証拠がない以上、夜逃走したと考えるべき」
「順番として、いちばん脅威と感じる人物から襲う。この場合は唯一の成人男性、父親だ。つぎに母親と娘、そのあいだに包丁が壊れたので最後に素手で息子を絞殺した。ん? 手のケガ? 血?
/)
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/ ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ / 」

「深夜に脇道から飛び出した男は事件と関係ある可能性が高い」

「犯行時間との多少のズレはまず忘れろ。不審人物がそこにいたということが重要だ」

この人、アメリカでもこういう事件系のドキュメント「クリミナルマインドスケープ」に出たり、捜査ドラマの監修やったり、いろいろ商売上手なんで、1を100くらいに見せかける思わせぶりなコメントは慣れたもんである。
しょうじきぜんぜん大したこと言ってるわけじゃないけども、このプロファイラー氏は「元」とはいえ、殺人捜査でメシ喰ってた人だからして、本職がどういうプロセスで考えるのか、っつうのがなんとなく感じられるような。

じっさいの捜査本部はこんなこといちいち説明してくんないが、本職はこんな風に考えるんだって空気感、おわかりいただけただろうか。
ただ、プロファイラー氏は日本で生活してる人じゃないんで、微妙なのもあり。
「子供用勉強机の引き出しが開けられているのは無視すればいい。
子供の机に重要なものは入っていないからだ」というのは、

「引き出しが下から順に開けられているのはプロの泥棒の手口」とか「子供はお年玉を机にしまっておくこともある」という日本的パターンを知らないだけのような。

で、サファリックの割り出したプロファイリングは↓

へ?

なんか……脳裏をこれがよぎったぞえ。

「20代半ばで日本人」「被害者と顔見知り」「メンタル面で問題を抱える」
「被害者に強い怨恨を持っていた」
いやいやそんな推理もう百億万回くらい聞いたよってのは言わない約束だ。

「羊たちの沈黙」以降、後追い組の犯罪心理分析なんちゃらかんちゃらとりあえず美人捜査官系は腐るほどあふれかえって手垢つきまくりなんで、もう月並みなプロファイリングくらいじゃ誰も驚いてくれないんである。

かつてサファリックの先輩にして相方ロバート・レスラーが、酒鬼薔薇聖斗の人物像「近所に住む小柄な未成年」を的中させ、一方で日本の“専門家()”はどいつもこいつも「車で来た30代で長身のオタク」ってのばかりでわざとかよってくらいハズレだった、レスラーごいすーなんて言ってた時代が懐かしい。*【県警対14歳fourteen Vol.6】
いま思い返せばそのレスラーもじつは大したこと言ってなかったんだが、みんな無垢だったからね遠い目。“目が肥えて”すれちまったからさーみんなさん。


ちなみにやっぱり「日本人」の根拠はまーたく示されず、



なぜか唐突に「日本人」断定。毎度のお約束のように。
サファリック、日本の外国人事情を理解して言ってんのか?
てか本当にサファリックが「日本人」って言ったのか?
さらにちなみにサファリックが担当したと紹介された、
【ベーカーズフィールド殺人事件】だけども、
これはこれでなかなかレアな事件レアな解決法なのでちょっと詳しくふれてみる。
ちと長いし世田谷一家殺人事件と関係ないんで、
下の行↓の【事件名】をクリックすると可視になる。

July 2003, Bakersfield, California
2003年7月8日──
ロサンゼルスから北へ112マイル*180kmの地方都市、
カリフォルニア州ベーカーズフィールド。

ジョアニー@39歳と子供3人@4歳・2歳・0.1歳、ジョアニーの母親アーネスティン@70歳のハーパー家5人が、自宅で殺されているのが見つかった。
5人は6日日曜に教会のミサに出席、帰宅する前にステーキハウスで夕食をとったのが生きている姿を目撃された最後だった。8日火曜になってもジョアニーが姿を見せないのを心配した友だちが家を訪ねて死体を発見したんである。
凶器は、22口径拳銃と「鋭利な凶器」
被害者は女子供ばかりで、怖がって泣いてる幼児も赤ちゃんも容赦なしの冷血ぶり。
ジョアニーは頭に3発撃ちこまれ、7カ所も刺されていた。
犯人はとくに彼女に対して強い殺意があったということ。

銃による殺人なんて珍しくないアメリカとはいえ、さすがに衝撃を呼ぶ。
警察は被害者の別居中の夫に目を向ける。

ビンセント・ブラザーズ@小学校副校長@地域で尊敬される人格者
ちなみにビンセント兄弟じゃなくブラザーズは名字で単体である。いやじっさい兄貴も出てきてややこしいんだが、これ兄弟を呼ぶときブラザーズブラザーズ?
こいつの態度がどうも芝居臭くて怪しいと刑事はにらむんだが、証拠がない。
ビンセントの証言。事件の数日前から兄メルビンの住むオハイオ州コロンバスにいた。
たしかにビンセント名義のクレジットカードがオハイオ州で使用された記録もあった。

ベーカーズフィールドとコロンバスは2300マイル*3700km離れている。
しかしビンセントとメルビンは疎遠でここ10年くらいは会ったこともなかった。なのになんでよりによって事件の直前にそんな遠くまで訪ねていったのか。
ビンセントとジョアニーは一度離婚している。できちゃった婚翌年にスピード離婚。原因はビンセントの浮気。2年でまたよりを戻して妊娠したんで再婚、2度目もできちゃった婚。が、たった3か月でまたまた別居したばかり。悪いがバカ夫婦……
外向けの「人格者」とはほど遠いだらしない下半身。匂う……。

ビンセントは事件前、オハイオでレンタカーのダッジネオンを借りている。
借りてる間に走行記録で4500マイル*7200kmも走っている。距離的にはコロンバス─ベーカーズフィールド間をちょうど往復するくらい。
が、行き先がベーカーズフィールドかどうか証拠がない。
車体はレンタカー屋が洗車しちまったんできれいさっぱりだったが、

内部のラジエターとエアフィルターに多数の虫の死骸がへばりついてるのを発見。
「でも虫じゃなあ。虫なんてどこにでもいるしなあ」
刑事は一縷の望みをかけて昆虫博士↓に協力を依頼する。

Lynn Kimsey
昆虫博士リン・キンゼー

彼女の所属するカリフォルニア大デイビス校ボウハート昆虫博物館には700万種の標本コレクションがある。昆虫博士はへばりついた虫の死骸を根気よく調べて、
その結果↓
>なんと「カリフォルニア州にしかいないバッタ」を見つけ出す。

レッドシャンクドグラスホッパー@セクシャルな赤い内ももが特徴よ
つづいて2種類のカメムシとアシナガスズメバチ──オハイオ州にはいなくてカリフォルニア州にはいる虫さんたちの死骸も見つけて特定。
さらにロッキー山脈に生息するウスバカゲロウ@夜行性の死骸も特定、
>「ロッキー山脈を夜間走行していた」ことまで突き止め、
北米大陸を徹夜で横断してカリフォルニア州に戻っていた動かぬ証拠となる。
オハイオでクレカを使ったのもじつは兄メルビンでアリバイ工作だったと判明。
逃げ道ぜんぶふさがれて、ついにビンセント逮捕。
女房と義母だけでなく、血を分けた我が子まで冷酷に銃殺したその動機は↓

「だって養育費を払わずにすめば、若いおねえちゃんと結婚できるじゃんね」
って、あれ?
活躍したのは昆虫博士と昆虫標本さんたちやんけ。サファリックろこー?

「担当はしたが、おれが解決したとは言っていないキリッ」

んーと……、
……にわかにサファリックへの信頼度と期待度が薄れゆくんですが。

テレ朝から特番への出演を頼まれた入江杏*@泰子の姉。
事件から14年にわたっていいかげんな報道されつづけでマスコミ(とネット)への不信感が蓄積MAXな上に、しょうじきこの手の特番はちょっとなあ、だったんだが、
亡き亭主の知り合い方面を通しての依頼だったのと、番組で遺族的な気持ちを発信させてもらえればグリーフケアのアピールにつながるかな、と気乗り薄ながら引き受ける。
グリーフケアとは、家族や親しい人を亡くしてアイミスユー現象を少しでも和らげるサポート活動である。彼女も長い年月のあいだにいろいろあって、絵本作家、絵本読み聞かせ、グリーフケアと精力的に活動していた。
ところが、

“(ピー音)へ行ったり”


“(ピー音)と接点は考えられませんか?”
ちなみに入江杏*は英国暮らし10年で現地で教壇に立ってたし英語ができる。

“考えられないでもない” “礼くんの発達障害を気にかけていて……”
ナレ“具体的な発言のため放送を控えるが、入江*さんには思い当たる節もあるという”

このピー音は「重要な見解」「特定のキーワードが含まれるため放送は控えるが」とか思わせぶりなテロップ&ナレ付きで、視聴者s(まーつまりネットのレスやツイート)では(ピー音)で消された言葉はなにか、憶測が乱れ飛んでカオスに。

「宗教だ創価だ統一だー」「自己啓発セミナーだー」「韓国だー」
が、
このピー音騒ぎは、意外な形であっけなく決着がつく。

放送直後、入江杏*の怒ツイート。
さらに放送からほぼ1年後の翌年12月、
宮沢一家の遺族が、BPO@放送倫理・番組向上機構に審理申し立て。


「過剰演出や恣意的編集で」「事実と異なる印象を与える放送」「名誉が傷つけられた」
ピー音で消された言葉は、“mentally ill”>「心の病気」みたいな意味。
単に「宮沢一家は精神病者のための施設や支援団体、保護者の集まりに行くようなことがあったか」と、会話の前後からして意外でもないことを訊いただけだった。

つうか、プロファイラー氏のプロファイリング、難しいプロセス経てるかもしんないけども、結果的に父ちゃん母ちゃんがテレビ見ながら「こんなひどいことするやつはぜったい頭おかしい」とか「これ犯人、ぜってえ身内だろ」とかあーだこーだいってるのとほぼ同レベルなんだが。こんなんでいいのかFBI?

入江杏*も元FBIの見立てを「新味ない」と受け止める。
番組には歌う元署長土田猛や捜査本部元管理官も出てたんだが、まあ空気を読んで、
「はぁ? そんなんとっくの大昔に捜査しとるんやけど? 舐めとるん?」
なんて冷水はぶっかけずサファリックを立てて話を合わせていた、
が、入江杏*にはそんな空気読まされる義理はないんで。

こんなの今までさんざ聞かされた話だし。むしろ──

ドヤ顔で熱弁される「犯人は一家の知人の精神障害者やその家族のなかにいる」「しかも一家が恨まれるようなことをした」という推理に非常に不吉な匂いを感じて、

「恨まれていた様子はなく、男女や金銭でのトラブルもありませんでした」
速攻で否定回答を返す。サファリック一刀両断唐竹割り。
が、
テレビの「悪意」はそのくらいでしのぎ切れるほど甘くなかった。
テレ朝としては、せっかく元FBI心理分析官っつうのを大枚はたいて呼んだのに大した推理しやしねえし遺族の反応もいまいちじゃ番組的に盛り上がんねえべっとばかりに、
ネ申編集でちょいちょい切り貼りして思わせぶりにしたら、

あーら、さも遺族がサファリックのご高説にお墨付き与えた印象に! ちょれー。
もちろんグリーフケアとか遺族の思いとか“面白くないトーク”も全ばっさり。
なしなし! そういう番組じゃないんで。犯人当てを楽しむ番組なんで。
怒った入江杏*の謝罪と訂正要求に対しても、
テレ朝「出演料払えばいいんだろ? 金目でしょ?」

まー安心安定の対応で、>火に油>ついにBPO案件に。
そしてまた多数のshitが「物言う遺族」にshitして、


相変わらずこういうshitてんこ盛りをまき散らしてるわけだが。
警察側ももはや秘密の暴露用の隠し球も尽きてきたが、
それでもいくつか曖昧な未発表部分は残る。いくつかの指紋や足跡や血痕の位置、そして朝何者かが引き抜いたとされるPC電源ケーブルやコンセントの位置、引き抜かれた正確な時刻は、ケーブルの2016年夏時点でまだ未公表だ。
サファリックに言わせれば、
/)
///)
/,.=゙''"/
/ i f ,.r='"-‐'つ____ こまけぇこたぁいいんだよ!!
/ / _,.-‐'~/⌒ ⌒\
/ ,i ,二ニ⊃( >). (<)\
/ ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
かもしれんけども。
*追記2016.0913/遺族の申し立てから1秒単位で検証してたのかと思うほど時間が経った2016年9月12日、BPOはテレ朝に対して、「ナレーションやテロップといったテレビ的技法が駆使され、元捜査官に賛同したかのように視聴者に受けとられる可能性が強い」「公正さと適切な配慮を著しく欠いていた」「放送倫理上重大な問題があった」と勧告した。申し立てのうち「人権侵害」については「社会的評価の低下に直ちにつながるものではない」と認めなかった。



2015年 平成27年

12月30日 水曜日







“──15年を迎えたきょう、事件現場となった被害者宅前で、
捜査員が事件解決を誓い──”

「せっかく来られたんですから、もっと近くでご覧になっては?」

「いや、おれもう部外者だからさ、ここらでいいわ。
あとでちょっと裏の公園にも寄っていいかな」


「黙祷!」




「やっぱステテコ履いてくりゃよかったな」


「お久しぶり」
「おお、あんたも来たのかい」

「なんでこんな裏の方にいるの? 表のほうに野間さんもいたよ」
「こちとらもう一般人だから、いちおう遠慮するわな」

「辞めるよりずっと前に捜査本部から離れちまってたし。
あんたこそ、なんでこんな裏の方に回ってるんだ」

「こちとら別の部だから、いちおう遠慮するわな」

「元気してた?」
「元デカなんてあんまし潰しがきかなくてね。ま、せこく生きてますわ」

「そっちはずいぶん偉くなったって聞きましたぜ。さすがにもうすぐ定年だっけか」

「ちょっとー女子に年齢のことは禁句だよ。ま、もうちょっとは居座る、かな」

「この家もいつまで建ってるのかね」
「シンボルみたいなものだから」

「捕まえたいね、いつか」





「それじゃ、わたしはそろそろ行くよ。車? なんなら送っていこうか?」
「公安の女帝が急に親切すぎておっかねえな」
「ふふ、他意はないよ」

「お気持ちだけありがたく。もうちょっと見てくわ」

「じゃあね」











「何十回ここでこうやってこの家を見てたかね」




「……捜査、おれら、どこで間違ったんだろうなあ」




「ま、今さら何がわかるってもんでもな






んん?

え?


あ──




ああああああああっ

そうかああああ! ちくしょう!


「おい、待て!」


「おまえ!」



「おまえが!」






「あ、くそっ」



「どこ行ったっ、どこだ!」

「どこだ!」
【事件激情】37564♯4(終)【世田谷一家殺人事件】


・この悲しみの意味を知ることができるなら 世田谷事件・喪失と再生の物語 入江杏 春秋社
・世田谷一家殺人事件 15年目の新真実 一橋文哉 角川書店
・世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白 斉藤寅 草思社
・世田谷一家殺人事件の真実 山本泰生 九天社
・警視庁捜査1課殺人班 毛利文彦 角川文庫
・ASKAの事件簿: 世田谷一家殺害事件の謎!
・山上の木(世田谷一家惨殺事件について)
・負け犬の遠吠え 世田谷一家殺害事件の考察
・世田谷一家4人強盗殺人事件 - 警視庁 - 東京都(PDF)
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