am9:34午前9時34分──ワシントン・ダレス国際空港管制レーダーが、西
5マイル*8kmの空域から高速で首都に迫る
機影をキャッチ、
シークレットサービスに通報。
「
えっ? こいつ何だ? どこから来たんだ?」
「
トランスポンダも発信無しッ」
ただ報告はそこで止まってしまい、「
アメリカン77便ワシントン襲来す」の知らせは、かんじんの
NEADS@北東空域防衛セクターには伝わらないままだった。




─続き登場する事件テロ紛争戦争、その捜査活動は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
白鳥百合子はじめこの文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりも、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。
FBIニューヨーク支局の一部捜査官による独自捜査も、テロ直前にハイジャック機を
割り出していたこともリアル現実ではなく想像にして妄想だが、ある意図がある。American 77アメリカン77便

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ンンンン──
ヴィィィ──────────
────────────ンペンタゴンから
5マイル*8km地点まで来て高度は
7000フィート*2100m。
ハニ・ハンジュルは
330度の
錐もみ急旋回という荒技で
急降下。
2分半で一気に
2200フィート*670mまで高度を下げると、
再び
ペンタゴン方面へ機首を向ける。

ブッシュ大統領、ようやく
エマ・E・ブッカー小学校を出発、
3マイル先の
エアフォースワンが待つ地元空港へ。
am9:35午前9時35分──United 93ユナイテッド93便
「座れ! 座れ!」
「
座れ、座れ、エゲッ」
「
殺さないで、助けて、
お願い」
“クリーブランド管制よりナイン-スリー、座れ? 私に言っているのか?”
「
エゲッ! エゲットラットケンナムッ! 座れ!」
「
お願い、お願い、助けて、やめて」
「
いやああ、殺さないで、どうかお願い、助けてえ」
「死にたくない、死にたくない」
「
お願い、たす はうっ えうっ」
「んふっ」
操縦室内で
フライトアテンダントデボラ・ウェールズと思われる声が命乞いしていたが、まもなく声は途絶えた。
アルガムディに
殺されたと思われる。
この直後、
ユナイテッド93便は
エリー湖上空で旋回、Uターン、東方面へ向かう。
ワシントンD.C.まで
50分の距離である。
am9:36午前9時36分──Sandra Bradshaw
Flight Attendant of United 93サンドラ・ブラッドショー@ユナイテッド93フライトアテンダント
「
93便、
ハイジャックです……
ハイジャック!」

「
犯人たちは
ファーストクラスのカーテンの向こう、たぶん
操縦室に入っています。
乗客男性と
アテンダントが
刺されました。
犯人は
爆弾を体に巻いています」
Jeremy Glick
passenger on board United 93ジェレミー・グリック@ユナイテッド93便乗客

「
中東系、
イラン人かも。頭に赤いバンダナを巻いている。
爆弾を持ってると言ってる。客はみんな後ろの席に追いやられた」

「
クラーク、
FAAのレーダーが距離
5マイル*8kmの空域に
高速で接近中の
機影をキャッチした。正体は不明だ」
「
シークレットサービス局長の職権にもとづき、
撤退を命ずる」


「
ホワイトハウス全館及び
行政府ビルの
全職員は敷地外へ至急
退避せよ」
American 77アメリカン77便
ゴオオオオオオオオオオオオ
プォープ プォープ プォープ プォープ プォープ───SINK RATE─────sssSINK RATE─────sssSINK RATE───“降下率異常”──────“降下率異常”──────“降下率異常”
プォープ プォープ プォープ プォーププォープ───SINK RATE─────sssSINK RATE─────sssSINK RATE───“降下率異常”──────“降下率異常”──────“降下率異常”Lower Manhattan, New York
World Trade Centerニューヨーク
ローワーマンハッタン
ワールドトレードセンター
“下の階が、105階が崩れはじめた”サウスタワー106階の生存者から
緊急通報回線9-1-1への電話。

だが「
タワー崩壊間近」の警告は、無線装備が充分でない
消防士には届かなかった。
am9:37午前9時37分──アメリカン77便、極低空を
ペンタゴンめざして時速
540マイル*740kmで急接近。
国防総省@ペンタゴンは低層の建物なので、
飛行機をぶつけるのは非常に難しい。地面スレスレを
墜落覚悟で飛ばねばならず、下手すると行きすぎるか、
失速して手前で
墜落してしまう。
飛行機は上下のこまかな動きが難しく、狙いも定めにくい。
しかも操縦桿を握るのは操縦へたへたに定評のある
ハニ・ハンジュルである。直前の無理な
錐もみ降下も
墜落しなかったのは奇跡みたいなもんだった。
ハンジュルはその対策として、
ペンタゴンの背後にある
ポトマック川対岸の
ワシントンモニュメントを標識代わりにした可能性がある。
プォープ プォープ プォープ プォープ プォープTOO LOW TERRAIN TOO LOW TERRAIN TOO LOW“低空注意” “地表接近” “低空注意” “地表接近” “低空注意”
プォープ プォープ プォープ プォープ プォープかあさん、ぼく
パイロットになりたい。
おまえならきっとなれるわ。
ぼくが操縦する
ジャンボに
かあさんを乗せて、世界じゅうを回るんだ。
楽しみにしてるわ。
わたしの愛しい息子
プォープ プォープ
プォープ プォープ プォープ プォープ プォープTOO LOW GEAR TOO LOW TERRAIN TOO LOW“低空注意” “着陸装置” “低空注意” “地表接近” “低空注意”
「……
アッラーフ」
プォープ プォープ プォープ プォープ プォープTOO LOW FLAPS TOO LOW GEAR TOO LOW“低空注意” “フラップ起動” “低空注意” “着陸装置” “低空注意”
「………
アクバル」
プォープ プォープ プォープ プォープ プォープTOO LOW GEAR TOO LOW TERRAIN FLAPS TOO LOW GEAR“低空注意、着輪準備、低空注意、地表接近、フラップ起動、低空注意、着陸準備”
プォープ プォープ プォープ プォープ プォープTOO LOW GEAR TOO LOW FLAPS TOO LOW FLAPS TOO LOW“低空注意、着輪準備、低空注意、フラップ起動、低空注意 フラップ起動 低空注意”
ポンコツ機能不全に陥ってたのは、
NORAD/
NEADSの本土防空部門だけではなく。
Office of U.S. Secretary of Defense国防長官執務室
ラムズフェルド長官、朝食会を終えて
執務室で
コックス議員とだべり中。
シチュエーションルームの
テレビ会議にも参加せず、
9.11をテレビで眺めて、
Donald Rumsfeld
U.S. Secretary of Defenseドナルド・ラムズフェルド@国防長官
他人ごと「まーこれだけじゃないな、
次があるだろう」
のんきにテレビ談義中。
本来なら
エグゼクティブサポートセンター@ESCに駆けつけ、
米軍の責任者として
デフコンのレベルアップも検討しなければならないが、
長官にもかかわらず、
ワールドトレードセンターの
惨事が「
攻撃らしい」と報告を聞いたのはようやくこの
2分前だった。
そこいらへんのテレビ見てうだうだ言ってるおっちゃんと同レベルの情報力。
ドヤって語る
「次」が今まさに自分めがけて迫ってるなんて思いもしてない。
Paul Wolfowitz
U.S. Deputy Secretary of Defenseポール・ウォルフォイッツ@国防副長官
やっぱり自分の
執務室のテレビで
WTC炎上を鑑賞中。
こちらもやっぱり
ESCに行く気配もなし。仕事しろよ
トロール人形。
ラムズフェルドと
ウォルフォイッツはふだんから
クラークをはじめとする
NSCの
対テロチームを露骨に見下し蔑んでたんで、その結果、命令系統からハブられた、というかすーかり忘れ去られてた模様。
なのに
シチュエーションルームを司令塔に、
米軍もようやく機能し始めてるんで、
おまえらツートップなんのためにそこにいるの? バカなの? 死ぬの?
愚鈍のきわみは制服組の
将軍たちも同様で↓
統合参謀本部議長ヒュー・シェルトン陸軍大将は
欧州に出かけて留守なんで、
副議長リチャード・マイヤーズ空軍大将、いちおう事実上の
議長代行。
統合参謀本部とは、
陸軍参謀総長・
海軍作戦部長・
空軍参謀総長・
海兵隊総司令官の
四軍*の長と
正副議長で構成される。
*2011年から州兵総局長が加わり五軍の長に議長は直で
大統領に立案・助言できる
制服組のトップオブザトップザトップオブザトッ
のはずなんだけども、
General Richard B. Myers,
Vice Chairman of the Joint Chiefs of Staff
この朝、
統合参謀本部副議長マイヤーズ大将は
クレアランド上院議員事務所にいて
1機目激突の第一報を知る(テレビで)が、
国防総省から続報が来るのを待ってるだけで自分から情報取りに動こうともせず、ただ
議員事務所でぽさっと待っていた。
国防総省のほうも
マイヤーズの存在をすっかり忘れてたらしく誰も知らせてないし。
オペレーション司令ティモシー・キーティング海軍提督、「
駆逐艦コール爆破テロ1周年追悼行事」をのんきに打ち合わせ中。
ニューヨークでおきた惨事を知らされても
ペンタゴンの危険を連想すらせず、このお間抜けな打ち合わせはじっさい
77便が
ペンタゴンに来襲するまで続いた。
空軍参謀総長ジョン・ジャンパー大将と
副参謀長補ランス・ロード中将、
ペンタゴン地階の
空軍協議室で会議中。
2機目突入の報告のあとも
9時15分まで会議を続行。
National Military Command Centerペンタゴン中枢部
NMCC@国家軍事コマンドセンター司令官ウィンフィールド准将も
空軍協議室の会議で不在、留守番の
大佐はもとは運用や備品担当の裏方で
司令資格をとったばかりだった。
准将はすべてが終わった
午前10時半まで持ち場に戻らず。
ついでにいうと、
米軍指揮系統─
FAA@連邦航空局の連携を仕切るのは
FAAの
ハイジャックコーディネーターの役目なんだが、
コーディネーター元締め
マイク・カナバンFAA安全保障部長はこの日、
プエルトリコに出かけて連絡とれない状態、留守番の責任者もあいまい。結果、1ミリも
コーディネートできなかった。
NEADS─────────────NORAD

NEADS@北東空域防衛セクターとその親分
NORAD@北米航空宇宙防衛司令部は
同時多発ハイジャックがおきてるのに、
NMCCに報告しないまま。
一方、ハブられた
NMCC側も人のことは言えず、
午前9時より前に
77便ハイジャックを把握したが、かんじんの
NEADS@北東空域防衛セクターに誰も知らせてなかった。
Strategic Command Headquartersオファット空軍基地・
戦略コマンド本部の
司令官リチャード・ミース提督、億万長者
ウォーレン・バフェット主催の
チャリティーイベントのため近くの町に出て
朝食会。
イベント協力者のお歴々を
地下司令部にご招待するツアーも絶賛開催中で、ツアー案内のため
司令部主要メンも持ち場を離れていた。
戦略コマンド本部はもともと
核戦争時の
警戒・防御・反撃を取り仕切る司令塔で、
政府首脳、各軍、偵察衛星、航空機、インターネットなどあらゆる情報リンクとアクセスでき、
スクランブルを発令する権限もあった。
この日もハードウェアのほうはしっかり仕事して経過を自慢の8面
マルチスマリーンに表示していたが、かんじんのそれ見る人間がスクリーンの前にいなかった。
これだけ似た任務を担う部局がいくつもあるのに、どれひとつ機能してないし。
──と、軍民ともはげ上がるほどに危機感の欠けっぷりと組織間連携の絶無っぷり。
これが
冷戦終了から
10年、経年劣化しまくり根腐れまくりの結果、
>世界最強なはずの
アメリカ軍、
2001年の弛みきった真の姿だった。
【
ペンタゴンに突っ込んだのは、
巡航ミサイルキリッ説】



陰謀論「
ボーイングじゃなくて
巡航ミじさくじえーん」
その“証拠”は「
飛行機の
残骸も
遺体もない」「映像に
飛行機が映っていない」「
巡航ミサイルだったという
目撃証言」とかそこらへん。
↓クリックすると開く
朝のラッシュだったため多数の人間が目撃していたが、
ペンタゴンに迫る
ボーイングを見た>
136人、
ボーイングがぶつかるのを見た>
104人、
大型ジャンボジェットだった>
39人 アメリカンエアラインのロゴもしくは機体の色だった>
26人。
ちなみに
巡航ミサイルを目撃した>
0人。
陰謀論ビデオ「
ルースチェンジ」では目撃者
マイク・ウォルターが「翼のついた
巡航ミサイルを見た」とインタビュー(それも制作者が取材したのではなく既存のテレビ映像を勝手に使用)で語る場面がある。
だがじっさいの
ウォルター証言全文は以下の通り↓(from USA TODAY)
looked out my window. I saw this plane, the jet, 「窓の外を見た。この
ジェット機が目に入った」
American Airlines jet coming. And I thought,
this doesn't add up. It's really low. 「
アメリカンエアラインのジェット機がやってくる。
そして、これは変だと思った。すごい低空飛行だ、と」
And I saw it.「そして私は見た」
It just went ── I mean, it was like a cruise missile with wings.「まるで
翼のついた巡航ミサイルのようだった」
↑思いっ切り「
アメリカンエアラインの
ジェット」と言っている。それを編集で切り貼りしてさも
ミサイルを見た、と聞こえるようにねじ曲げた、粗雑にして悪意に満ちたペテンである。
陰謀論屋とそのカモの怠け者はこういう卑怯な手を平然と使う。
のち証言主
ウォルター本人も改めてメディアに登場し、
「
おれはミサイルなんて見とらんぞ」と怒っている。
【
飛行機ではあったが
遠隔操作されていたキリッ説】



アメリカン機に擬装した無人機(想像図)正気か?さすがの
陰謀論屋も
巡航ミサイル説はpgrされるだけで無理がある、
と思い直したのか、しれっと「
無人機」説に。
↓クリックすると開くだからってバカみたいな話っては変わらんけども。
無人機@
ドローンが報道で知られるようになり、
77便も
リモーコントロールだったのだ!と路線変更。「
巡航ミサイル説」の弱点はいちおうつじつま合わせている。
だがこのときの
77便の強引な
急旋回急降下がその無理さを物語る。
2001年当時はいまよりも
リモートコントロールのレスポンスが悪く、こういう急激な動きをした場合、“パイロット”は数秒にわたって
視界も
操作性も失い、つまり機を立て直せず
失速、
墜落する。今でも難しいだろう。だから
遠隔操作される
ドローンは無難な動きしかできない。
77便の
急旋回急降下は、人間が機内で操縦桿を握っていなければ不可能だ。
もちろんあらかじめプログラミングされていた
自動操縦ならできるかもしれないが、一体なんのためにそんな意味ないパフォーマンスを?
また
77便が地面すれすれという難易度の極みを飛んだのは、
飛行機はそのようにしか飛べないからである。
飛行機はつねに機首を上げることで浮力を得て飛行しており、
着陸の際も
仰角気味で降下する。もし
伏角で高高度から斜め下めがけて
ペンタゴンにぶつけようとしても、必要な浮力を得られず、目標に届かず
墜落してしまう。
アタたちが低層階のターゲットを嫌ったのは、そういう失敗の可能性が高いからだ。
そもそも目標手前で慌てて無茶な
錐もみ降下をしたのはむしろパイロット役の
ハンジュルが評判通りの下手っぴだからであり、超低空の地表すれすれを飛んで墜落しなかった最後の数瞬は
ハンジュルの生涯最初で最後の会心の出来映えだっただろう。
ギュウウ─────────
───────────ン
ドドドドドドドドドドドドドド
プォープ プォープ プォープ プォープ FLAPS TOO LOW TERRAIN FLAPS TOO LOW “フラップ起動、低空注意、 地表接近、フラップ起動、低空注意”あっ、しまった。
ハニうっかりアッラーフアクバル言うの忘れとった──
「
アッラ


am9:37:46午前9時37分46秒──【39便 重力の効果/911 ON THE DAY】へとつづく






