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【事件激情】マーダーズ イン カントリー弐nd【或る田舎的殺戮】

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丹波卯一*@28歳、駆ける。

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真っ暗な山ん中をひいこら駆けった。

はるか後方の闇の向こう、貝尾部落のある方角で、

gunfire220.png 
ターンと銃声と甲高い悲鳴が聞こえたような……

あわわ、わし漏らしそうじゃ。
もう振り向きもせずただただ駆けって。

そうして卯一*西加茂村駐在所にようやくたどり着いたんだが、
留守 (iAi;)
巡査、出征してました(補充しとけよ)

しかたないからさらにあぜ道をひいこら、農家で自転車を借りて20分、

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息せき切って次に近い加茂町駐在所まで。


このとき午前2時40分

1938年 昭和13年
5月21日


uichishout250_20110701211953.jpg 
「巡査どのー、巡査どのー! 人殺しじゃあ!」

駐在の今田巡査はだんだん戸を叩く音と大声でとび起きて、
出ると、過呼吸状態かつ汗だくで真っ青の卯一*@28歳がいる。

それだけで、今田巡査にはすべて分かった。

都井がやったか!?」

西加茂村駐在の巡査が出征してるので加茂町駐在所が管轄を兼ねていた。この頃、岡山県警察部も慢性人手不足なんで。

今田巡査は田舎町配属にしてはまずまず有能で熱心な官憲だった。

今田巡査は以前から貝尾部落都井睦雄@22歳が危険である、と警戒していた。3月に手入れをして隠し持ってた雷管弾薬を没収したこともある。
貝尾に何度も様子を見に行き、都井に「このまま無為に過ごしておってはいかんぞ」と諭したり、鉄道職員の職を世話しようともした。

しかし都井がまた性懲りもなく土地を担保に高利貸しから金を借りて火器を買い集めたという噂が漏れ聞こえていた。

「あぁ、おかんがぁ、があ」
卯一*はもとからちと頭がぼやけている男で、取り乱してるから輪をかけて要領を得ぬ。

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ただちに津山警察署に電話で通報、宿直の警部補事件発生を報告。次に東加茂村駐在所にも電話して応援を頼み、

それから細君に、

junsa001n220h.jpg 
「おれはこの卯一*貝尾へ行く。ケガ人も出とるだろうから医者の手配、それから町役消防団を回って近在の半鐘を打ち鳴らすよう伝えること! 万一のときは鉄道電話を使うように!」

saber170.jpg 
今田巡査はあとを細君にまかせて卯一*と一緒に貝尾へ急いだ。


このとき、

貝尾殺戮が始まって、すでに1時間余──



eyeblack200.jpg 
二ツ目が来るぞい!」

暗闇に浮かんだ懐中電灯の光がそう見えたんだろう。

tsuyama02n350.jpg

叫ぶ女にむけて、
睦やん猟銃ブローニングオートをかまえ、


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