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【事件激情】ネバタたん(10 終)【佐世保小6同級生殺人事件】

Chapter10(終)サルビアの花

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contents  (9)
参考文献 
噂、デマ、中傷、事実と確認できない話


■子どもたちは立ちすくみ…

事件の1週間前に少女をからかって、カッターナイフを振り上げられた同級生男子がいた。
市教委の報告書にその一件が「予兆」と記載され、さらに校長「男子から報告がなかったのは残念」的に口にした。

その男子は「自分のせいだ」と悩んでPTSDになった。
2010年3月──。この件について九州弁護士会連合会は、市教委と元校長に問題があったと勧告した。


少女の属していたミニバスケ部の関係者は、
「あの子はとくに上手くなかった。退部した後、一度だけ試合に呼ばれて、自分は必要なんだと思い込んだのかもしれない。でもクラブとして評価は高くなかった。それで蔑ろにされたと思ったんじゃないの」
と、したりげにマスコミに話した。

やはり、少年スポーツの大人は信用できない。



児童雑誌が全国の小6に行ったアンケート──。

「どうして口げんかだけじゃなかったの?殺すより、けんかして嫌いになったほうがましだと思うけど」
「ぶんなぐる、ひっぱたくくらいに、なぜしなかったの?
「すごく、ふたりともかわいそうだと思った」
「一学年一クラスなのに担任は何してたん?
「親に彫刻刀を没収された」

子どもたちも皆ショックを受けていた。そして大人なんかよりよほど真っすぐに冷静な目で“自分たちの問題”として事件をとらえようとしていた。

過半数の子が「友だちとは事件の話はしなかった」と答えた。


2004年秋──。
少女2人の同級生の男子が、被害少女を悼み、「なぜ」と揺れ動く心を書いた詩「トケイソウ」が、伊藤静雄賞の佳作に入選した。


■「親にどうしろというの?」

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少女は聴取にも淡々と感情を乱すことはなかった。でも両親が面会したときだけは動揺し、目をそらして黙った。
「どう反応していいのか分からない」
という様子だった。

からの手紙に「戻ってきて」と書いてあるのを知って、少しだけほほ笑んだ。
「5年生のときに合宿から帰ったら『もうちょっと泊っておけばいいのに』と言われてがっかりしたから」


あまりにも皮肉ながら、少女はやっと家族の絆を手に入れることになった。


彼女はだんだんと自分がしたことのリアルな結果を理解していった。

被害少女の父親の手記や、両親が遺族に送った手紙の内容を読み聞かされ、ぽろぽろ泣いた。「悪いことをした」「どう謝ればいいんだろう」



少女の精神鑑定には3か月もかかった。

その結果──

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【事件激情】ネバタたん(8)【佐世保小6同級生殺人事件】

Chapter8 未来日記

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contents
(7)


さて、事件から6年も経った今、なんでまたわざわざ資料を漁りはじめたかというと、
「どうしても彼女が他人と思えなかった」
が最大の理由だったんである。

ありきたりのはずの幼い友情の物語が、なぜあんな最悪きわまれりの悲劇に終わってしまったか少しでも知りたかった。殺人狂だったり精神疾患だったりなんてニッチな理由は違うだろ、もっと普遍的なもんだろ、と。

だからあくまで、「どこにでもいそうな子同士」の出来事として見た。

そんなわけだから「少女は特殊で残忍で異常だった」という視点にはほとんど立ってない。
そのせいで2人が親しくなった事件の1年も前にまでさかのぼることになって、こんなにずるずるだらだら延々かつ莫大に続いてしまったんであるが。

彼女を、彼女たちを少しでも知ることができたんだろうか。


もうすぐそれも終わる。
少女たちの物語で、最も常軌を逸した一瞬が近づいてくる。


■「マア大体ダレがやってるかワわかるケド」

5月27日以降の6日間。
登校日の巡り合わせも絶妙に不幸だ。

連日顔を合わせてれば、多少頭が冷えるなり逆に大爆発して目立つゲンカになるなりして怒りを昇華できたかもしれないし、そんな騒ぎになればいくら周りの大人が鈍感でもさすがに異変に気づいたかも…。

だけど実際はこんなかんじで進む、

27日 「失礼じゃないっ」
28日 平常どおり登校
29日 土曜で休み
30日 運動会
31日 運動会の代休
1日  平常どおり登校

1日おきにリアル顔合わせで罵り合って、
次の日はネットで疑心暗鬼と憎悪を沸々とつのらせ、
さらに次の日、つのらせた憎悪のまま争い、
次の日はまたネットで──のくり返しになってしまった。


5月30日、日曜日──。
運動会。
雨だったが決行し、予定を繰り上げて早めに終わった。

運動会で2人一緒に写った写真は1枚もない。


この日、何人かの同級生が、2人の激しい言い争いを見ている。

ネバダは、
「てめえ、ふざけんな!」
と今までで最高レベルに激しい罵詈雑言を叫んでいた。
でもいざガチ口論となれば、ただキレてわめくばかりのネバダよりも、ミタちゃんの方がずっとうわ手だったに違いない。
ミタちゃんはその場で「絶交」を言い渡した。


たぶん怒り心頭ネバダは帰宅する。
憤懣のままミタちゃんのパスワードを使ってログイン、ミタちゃんのHPを根こそぎぶっ潰した。
日記も消去、アバターも初期化。ミタちゃんのHPはすっからかんの廃墟となった。


これに気づいたミタちゃんによる日記への書込み。
マスコミでもさんざ出たから、おなじみだろう。


チッマタカヨ。



なんでアバターが無くなったりHPがもとにもどっちゃってるケド、ドーセアノ人がやっているんだろぅ。フフ。

アノ人もこりないねぇ。

(゜∀゜)ケケケ


さらにTOPページにも。


荒らしにアッタんダ。マァ大体ダレがやってるかヮわかるケド。

心当たりがあるならでてくればイイし。

ほっとけばいいや。ネ。

ミンナもこういう荒らしについて意見チョーダイv

じゃまた今度更新しようカナ。



一方、ネバダが同じ日、HPの日記に何を書いたかというと…

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【事件激情】ネバダたん(7)【佐世保小6同級生殺人事件】

Chapter7 子ども国の戦争

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contents < (6)

■バイオレンスが満ち満ちて

ネバダ28日、ミタちゃんのサイド書込んだ「ぶりっこ」コメントで殺そうと決めた」。

ただちに「カッター」「アイスピック」「首絞め」
3通りの殺し方のどれがいいか検討を始める。


いきなりか。早えよ。

きっかけの「重いー」から1日しか経ってないのに。

大人たちの一番分からないのがここだ。
ネットに残った証拠のログを見ても、殺意を持つほどの応酬とはとても思えないのだから。大人の目では。

それもなぜ友だちに対してなのか。

そもそもバスケを奪った憎むべき相手はほかならぬのはず。
なぜ事件が起きたのが家庭でではなく、学校だったのか──。


ネバダ黒い自分家庭では一度も見せていない。

ネバダはよくも悪くも「いい子」に育った。小さな頃から「泣かないしおんぶもだっこもせがまなかった」
仲が悪かったわけじゃない。親はネバダよき娘と信じて、期待をかけていた。ネバダもその期待どおりの優等生でやってきた。

親の気に入らなかったのはミニバスケぐらいだった。退部を命じられたとき、勉強やるからバスケさせてと訴えたりいやだうわーんとダダこねたり暴れたり不登校になったりのガキらしい選択肢を、たぶんネバダ知らなかった。
親の望むことに背くなんて思いつきもしなかった。

だから抵抗せずにバスケをやめ、その代わりに自分が自分でいられる場所友だちネット交換日記に求めた。
そして深く深くハマり込んだ。

でも残念だけど、どれもバスケの代わりにはなれない。


満たされないままそれでもハマる依存状態となってネットをうろつくうち、ホラーやバイオレンスにひき寄せられた。
気がすさんで猛っているときには、ゆるい癒し系なんかより死や暴力の毒素が心地よかったりする。だからもっともっと浴びる。もっともっと。

リアルでは教室も相変わらず荒れ続けて騒々しくて暴力的な匂いにで噎せ返るほどだ。テロ厳戒にある軍港の町も。

顔を上げたら周りはバイオレンスで満ち満ちていた。


それが大人たちの困惑する、「殺してやる」に短絡させた土壌なんじゃないだろうか。


この事件について、ネットに投稿したある男子中学生は、女子から激しい暴力を振るわれた自分の経験を語った。
あとでその女子は悄然となって「暴力はいけないとわかっていた」「頭の中が真っ白になって考えることができなくなった」と詫びたそうだ。
ネバタとこのバイオレント女子の距離は遠くない。


■いい子/悪い子

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「死ねばいい」と思うことは誰だって一度や二度はある。中には具体的な殺し方まで考えて暗い笑み、なんて人もいるだろう。
ただ、ほとんどの人はそこから先へは踏み出さない。別のことで気を紛らして忘れる。

でも5月28日のネバダには何もなかった。一番必要な瞬間に。

好きなバスケは奪われた(大体バスケがあればすさんでない)。次に好きなネットで興味があるのは暴力やホラーだ(だめじゃん)。ネ友にも苦悩をほぐしてくれる子はいなかった。

そしてリア友は…だめだ。一番の友だちがとつぜん最大の敵なってしまった。

ネバダの友だちはすっかり少なくなっていたが、その大半がミタちゃんがらみだった。だからいざミタちゃんと敵対したらもう逃げ場がない今やリアルにもネットにもなんでどこに行ってもミタちゃんがいるの友だちの取り合いになったらはっきりすぎるほど不利ミタちゃんとったらすべてを失う全部なくなっちゃうリアルもネットも交換日記もぜんぶぜんぶ!!

くそくそくそくそなんでなんでなんで!

とつぜん絶体絶命の瀬戸際に立たされている自分に気づいてネバダはがく然としただろう。


こういうとき、たいてい周りの第三者的な友だちが、不穏な空気を察してそれとなく仲裁に入るものだ。
ところがその役割をこなせるのは、性格やクラスでのポジションからしてもミタちゃんだ。
そのミタちゃんが当のケンカ主では止める子がいない。

仲良し3人組のうちWKちゃんはまだ敵に回っていないようで、事件後でさえネバダのことも気づかって嘆くような子だったが、残念ながらネバダVSミタの緩衝剤にはなれなかっただろう。

いやそれどころか…。

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