【事件激情】ウルトラ 最終便 終段 ─続【愛国者法】








【事件激情】ウルトラ 最終便 終段 ─続【愛国者法】
聖書の中で神と悪魔に殺害された人を数えてみた──
神>247万6633人
(ノアの洪水、ソドムとゴモラ、ペスト、飢饉、炎の蛇など災厄の死者を除く)
悪魔>10人

────────────quoted from Who has killed more, Satan or God?
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ────


7th October, 2001
2001年
10月7日
Sunday
日曜日


ガコンッ──
ヒジュラ暦1422年ラジャブ月第19日
ゴオオオオオオオオオオオ


“イスラム教徒たちよ、今日は運命の日だ”

“今日起こることはあなたたちに向けられたものだ”

ヒュイイイイ──────
“すべてのイスラム教徒は立ち上がり、イスラム教の栄光を守らなければならない”

イイイイイイイ─────
“預言者ムハンマドの地から悪を放逐し平和をうち立てる信仰の風が吹いている”


“変化の風が吹いている。崇高なる生をまっとうし、永遠の死へ向けて急がねばならぬ”
──────ン


“皆さんこんにちは。私の命令によって、米軍はアフガニスタンのアルカイダ訓練キャンプおよびタリバーン政権の軍事施設に対する攻撃を開始しました”


“タリバーンはテロリスト引き渡しを拒んだことにより高い代価を払うことになります”

“全能の神は、アメリカの中枢にある最高のビルのひとつを破壊した。いまやアメリカはあらゆる方角からの恐怖に満たされている。
自分の子供たちが血を流して死に、安全な聖域もない。アメリカは、われわれが80年以上にわたり経験してきた恐怖を身をもって体験しているのだ”

“キャンプを破壊し、彼らの情報手段を混乱させれば、テロネットワークの新たな工作員養成や邪悪な企てをくじくことになるでしょう”

“アメリカは、地の果てにある日本で数十万人にも及ぶ一般市民を殺したときも、犯罪とはみなされなかった。同じくイラクでの百万もの子供らの死も正当化されたのだ”

“テロリストは洞窟や穴蔵深く潜むかもしれません。しかし我々の軍事行動は、彼らをひたむきに追いつめ、徹底的に駆逐し、正義がもたらされるべく遂行されます”

“しかしケニアの首都ナイロビ、タンザニアの首都ダルエスサラームにあるアメリカ大使館でわずか10数人が犠牲となったとき*【ウルトラ 15機目-結】には、アメリカはイラクやアフガニスタンを間髪入れずミサイルで攻撃したのである”


“不信心者の長や取り巻きの臆病者たちが用いる武力は偽善で繕ったものなのだ”


“軍事目標を達成したのち、我々アメリカはアフガニスタンの抑圧され飢え苦しんでいる人々に食料、医薬品、物資を届けます”


“不信心者の長ブッシュとその取り巻き連中は卑怯にも自国民だけでなく、力ずくでイスラム国家にまで裏切るよう仕向けている。彼らは、テロと戦うという名目を押しつけて人々を弾圧し、イスラム教徒同士を相争わせんとしている”

“アメリカ合衆国はアフガニスタンの人々の友です、そして世界のイスラム教徒10億人の友でもあります。我々が戦うのはイスラムではなく、殺人を犯して信仰を冒瀆する犯罪者であり、犯罪者を助ける卑劣な支援者たちです”

“この一連の事件は全世界を信心深き者と不信心者の陣営をはっきりと切り分けた。アッラーは信仰を尊ぶ我らをあまねくお守りになるだろう。すべてのイスラム教徒は信仰を守るため立ち上がらなくてはならぬ”

“アメリカの最も誠実な盟友イギリス、さらにカナダ、オーストラリア、ドイツ、フランス含む友邦がこの作戦に参加しました。また中東、アフリカ、欧州、アジアの40か国が航空支援による協力を約束し、さらに多数の国々が情報共有を行い、世界が一丸となってこの戦いに臨んでいます”

“もはや世界に中立という日和見の立場はあり得ません。
無法者や殺人者と戦うことなく手をさしのべる国家は、無法者や殺人者と同様であり、自らもまた孤立し険しい道をたどるでしょう”

“アメリカよ、アメリカの民よ。ムハンマドの地とパレスチナの地に平和な日が訪れ、預言者ムハンマドの地から不信心者の軍勢が去らぬ限り、アメリカ人たちに安息と安住の場はないことを我は全能の神にかけて誓う”

“我々は揺るぎません。躊躇いません。諦めません”


“そして決して敗れることはありません。平和と自由が勝つのです”


“神は偉大であり、誇りが常にイスラムとあらんことを”


“ありがとう皆さん”



May God continue to bless America.
“神がアメリカを祝福し続けますように”


السلام عليكم ورحمة الله وبركاته
アッサラーム アライクム ワラフマトゥッラー
“平安と神の慈悲があなたのもとにあらんことを”
─────────quoted from Text of Bush and bin Laden speeches

広げすぎた大風呂敷がついに畳まれる(はず)。
そこらじゅうにばらまいた伏線は漏れなく回収できるのか?
登場する事件テロ紛争戦争、その捜査活動は公表された情報に基づく。
黒字の人物・赤字の人物・紫字の人物および各国の機関団体部局は実在する。
白鳥百合子はじめこの文字色は架空の人物であり、
実在する人物との関わりも、根拠は創造にしてソースは妄想だが、ある意図がある。





Tokyo, Japan
東京


「あの……警視正、」

「失礼ですが、これは何でしょうか?」


「手錠だよ」
「いえそれは見れば分かりますけど」


「んーと説明するとちょっとややこしいけど、これ本当は警視に託すつもりでいたんだよ。でも昨日思いがけずあの人との関係性に大きな変化が生じたことによりまして、公私の区別が難しくなっちゃったもんで」

「えっ、それって、あの……もしかして」


「うん、えーと、恥ずかしながら昨夜をもってわたし、なんつーか人妻?になっちゃいました、というか、すでに4年以上そうだったことやっと知ったというか」


「おめでとうございます、班長。ほんとに、ほんとによかったです。その言葉をお聞きできる日を心からお待ちしてました」

「ありがとう。なんか心配かけててごめんね。今日はそのご報告プラス、コマちゃんにお願いしたいことがあって来ました。
お願いの方はあんまりおめでたい話じゃないけど聞いてくれる?」


「あなたにわたしの行確をお願いしたい。コマちゃんから見てわたしが人として許されない一線を越えてなお止まらないと判断したら、その手錠でわたしを逮捕してほしい」

「え?」


「その手錠はわたしとあなたの約束の印。その手錠を持ってあなたが現れたら、わたしもそういうことなんだなと納得するから」

「コマちゃんには酷な要求かもしれないし、大変な負担にもなる。
ゆっくり考えてもらっていいから、話を受けるかどうか決めて」



「分かりました、警視正。信頼に値するよう努めさせていただきます」
「あ、いや、この場で即決しなくていいんだけど」


「あと1週間1か月考えても、わたしの答えは変わりません」


「……ありがとう、コマちゃん。それと、ごめんね」


「しかし警視正、」


「なんでこれピンクなんですか?」
「いやなんかピンクいの可愛いかなと」

「しかしわたしでいいんですか? わたしはニセ情報に惑わされて危うく……」
「もー何度も言うけど、あの件はコマちゃんの過ちじゃないって」


「でもまあ、安心して。コマちゃん一人に責任すべて押しつけるわけじゃない。さすがにダブルチェック考えてるから」

「他にも誰か?」


「なぜ僕にそんな役割を任せる気になったんですか?」

「僕はあなたを告発する作業を指揮した。そして安藤部長の面前で木っ端微塵にされた。*【第12便】 今もあなたに思うところはある。いわば僕はあなたの敵ですよ?」


「だからこそあなたにお願いしたいんだよ、管理官。あなたならわたしがこそこそ動いても、わずかな異常値に気づいて探し出せる能力もあるからさ。それで見つかるようならわたしもヤキが回ったってことだしね」


「部長や審議官の内諾はもらってるし、後で確かめてもらっていいよ。あとはあなたがうんと言ってくれるかどうか次第。あ、もし断ってもペナルティはないから安心して」


「正直に言いましょう。あなたは変だ、頭がおかしい」
「んーまあそのへん否定はしなくてよ」
「僕に生殺与奪の権限など渡して、フレームアップで陥れるとは考えないので?」
「いやいやその心配は全然してないよ」


「あなたは能力相応にプライドも超絶高いからさー。お下劣な小細工を弄してわたしにリベンジなんてしょっぼい真似はしないよねー? もしやったらいくら自分をごまかそうとしても惨めな負け犬そのものだもんねー?」
「(#^ω^)………」


「しかし警視正のあなたを追及処分できるのは国家公安委員会だけです。外2ソトニの管理官でしかない僕にその権限がないのはご承知ですか?」
「まーそりゃそうだけど。あくまでそういうイメージってことでさ」


「分かりました、お請けしましょう。馴れ合いも容赦もしませんよ」
「ありがとう! そうこなくっちゃ」
「ただし、」


「ただし、このバカげた色の手錠を預かるのは御免こうむる」
「えー、ピンク可愛いじゃん。これにしよーよこれにー」


ガコンッ──


キイイイイイイイ────ン



‘Operation Enduring Freedom’ Rising
【不朽の自由作戦】
以降、アメリカ主導の対テロもろもろは、
【○○における不朽の自由作戦】っていう名前がつけられることになる。
この作戦、最初は【無限の正義作戦@Operation Infinite Justice】になる予定だったけども、「正義」がイスラム的には「アッラー」を指すからぜってえ反感買うぜ、とイスラム法学者がダメ出ししたんで、イスラム諸国も味方につけておきたいアメリカ側が譲って「不朽の自由」っつうもやっとした名前になった。


あいにくビンラディンの思惑と違って、キリスト十字軍対イスラム聖戦軍の構図にはならず、米政府の根回しが効いてイスラム圏の諸国もタリバーン潰しに協力した。
アフガニスタンの南と東で国境を接するパキスタンは軍用機の領空通過を認め、北の隣国旧ソ連タジキスタンとウズベキスタンも米軍出入りを認める。
なんと西隣の反米国イランですら秘密で内緒ながら協力する。NATOの攻撃機やミサイルの領空通過黙認やタリバーン拠点情報提供、さらに負傷者治療とサポートを引き受けた。
この流れにはロシアが警戒感MAXなんて副作用もおきた。旧ソ連のイスラム系の国々“なになにスタン”諸国がアメリカ陣営に取り込まれるかもって感じで。


さらに米軍の駐留拠点のあるバーレーン、クウェート、インド洋の英国領ディエゴガルシア環礁の米軍基地からも攻撃機が出撃する。


超大型戦略爆撃機「成層圏の要塞」ことB-52@ストラトフォートレス、



超音速大型爆撃機 B-1B@ランサー、ステルス爆撃機 B-2@スピリット、



戦闘爆撃機 F-15E@ストライクイーグル、
ミリオタ根強く推しの対地攻撃機 A-10@サンダーボルト垂直離着陸できるでよ、


さらにアラビア海にいる米艦隊からの巡航ミサイル。
毎度アメリカが武力行使する度にいわれる、
「軍需産業、商品見本市」
「賞味期限切れの爆弾・ミサイル在庫一掃セール」


もともと無いに等しいタリバーン空軍や防空体制は初日で木っ端微塵に。オーバーキルにもほどがあるっつうか、各地の軍事拠点もあっけなく吹っ飛ばされ、正規戦としてはワンサイドゲームとなった。
てかこれ一応事件激情なんだけどが。


地上では反タリバーン武装勢力 アフガニスタン救国・民族イスラム統一戦線@つまり北部同盟、パンジシール渓谷を出陣、首都カブールめざして進撃開始。

空爆より一足先に現地入りした「グリーンベレー」こと米陸軍特殊部隊群はどっちかっつうとどんぱちメインじゃなく、主な仕事は現地人をいっぱしの非正規戦対応型兵士に養成する教官役である。
例のグアテマラほか中南米でさんざんっぱらサディスト殺人狂集団「死の部隊」を育てたりとか、たまに先住民虐殺代行をやったりとかまっ黒い実績もあったりする。


ただ今回訓練期間が短すぎで贔屓目にも「烏合の衆(仮免)」くらいなんだが。
それでも激烈な空爆でチンチンにされて戦意ゼロのタリバーンのもはやザル同然な防衛線を簡単に破って首都へと絶賛進撃中。
タリバーンがほぼスルーで突破されてるのは、そもそも大半がすでに逃げ散っていたからだった。武器を捨てて何食わぬ顔で民間人に紛れ込んで逃げたんである。


もともとタリバーンは正式な軍服すらろくにない半グレみたいなもんで、かろうじて黒ターバンがだいたいの目印くらいだから民間人に紛れるのはかんたんだった。


対して地上に投入された米軍はごくごく小規模な特殊部隊、そのあと山岳師団、陸軍空挺レンジャー連隊、海軍特殊戦グループNavy SEALsが追加投入されるがこういうなし崩し増派はいちばんやっちゃあかんパターンで。結果的に圧力がぬるくなってタリバーンやアルカイダが逃げる猶予をつくってしまったんである。


「そいじゃ、ちょっくら行ってきまーす」
「空港まで送らなくていいのか?」


「警視の方が仕事遅刻しちゃうでしょ。大丈夫大丈夫、
もう飛行機くらい一人で乗れますって」

「気をつけてな。成田で迷子になるなよ?」
「さすがに何十回も行ってるし、今さら迷わないよ!」

「あ、そうだ。忘れもの。はい」


「たしかにパスポートと航空券を忘れてるな」

「もーロマンティックが足りないなー。あっ、そろそろ行かなきゃ」
「帰る前に連絡しろよ。いつぞやみたいに玄関先まで来て今から帰る電話は無しな」
「え、えーと、そこらへん鋭意努力します。じゃ行ってくるねダーリン!」
「あ、そうだ。ちゃ
ガラガラガラ、ピシャッ──

んと帰って来いよ、ここに」


「さーてお土産何にしよっかな」

びゅうっ




タッタッタッタッタッ



タッタッタッタッタッ



タッタッタッタッタッ


(は、はれー? 国際線の搭乗口ってどこー?)
3rd November, 2001
2001年11月3日
Saturday
土曜日
ヒジュラ暦 1422年シャアバーン月第16日


アフガニスタン首都カブール陥落。
っていうかタリバーンは指導者ムッラーオマルはじめほとんどが逃げ散っていて、北部同盟無血入城である。事実上開戦からほぼ1か月も経っていた。
他の要衝ジャララバード、カンダハール、ヘラート──次々と陥落というかろくに戦火を交えることなくタリバーンが逃げ出ていった。
一方、アメリカ本国では──、
けっこう黒めの企みが絶賛進行中。


9.11から1か月も経ってようやく「テロ実行犯の大半がサウジアラビア人」という報道がアメリカでも大っぴらに流れ始めた。


例の駐米サウジアラビア大使バンダル王子の“功績”である。
PR会社バートン・マーセラー社に大枚はたいて、全米のテレビ、新聞に“忖度”させて、「テロリストはサウジアラビア人」報道を最小限にセーブさせていた。
アフガン攻撃も始まって世の中の興味はそっちへ移ったし、
ほとぼり冷めたんでやっと忖度緩和となった模様。


でも9.11直後だって捜査当局が隠蔽してたわけじゃないんで、ちょろっと情報ひもといたら実行犯19人の国籍くらいすぐ分かるんだけど、そこまでして情報深掘りするアメリカ人なんてごくごく少数派、国民の大部分がマスメディアを鵜呑みに、というかほとんどが新聞の大見出しとかテレビのでかいテロップくらいしか見ないんで。
まだスマホもSNSもないし、ネットの情報発信も発展途上な時代だからして。資本力にものいわせたフェイクニュースのゴリ推しや印象操作もやりやすかったんである。


ちなみに「フェイクニュース」なるフレーズをバズらせたトランプ大統領は、
「リベラル寄りの大手メディアによる世論誘導ねらいの意図的な歪曲報道」
っつう意味で使ったのだが、
メディアの屈曲テクで「一般ネットユーザーによるデマ拡散」という意味にすり替えられた。今メディアにあふれる「フェイクニュース」報道はフェイクニュースだ。


アメリカ国民は“戦争大統領”ブッシュの思惑どおりに「対テロ戦争」なるデーハーなパワーワードでみごとに目を逸らされる。
じっさいのところブッシュ政権は国内政治で早々に失政をやらかしつつあり。この1年後の2002年末にはそのダメっぷりが数字となって表れる。
ブッシュが大統領宣誓をした2001年1月と比べて、国内の雇用が229万人も激減する。いちおう景気は底を打って成長率は回復したもののあくまで数字の魔法で、本当の景気は雇用に現れていた。
雇用の大幅な激減り具合はあの大恐慌時代以来という最悪規模である。

が、にもかかわらず、

この間もブッシュ政権の支持率は60~70%という高い水準でずっと推移する。前クリントン政権が積み上げた財政黒字を猛烈な食いつぶしていく間も。
アメリカ人はなんだかんだいって戦争大好き種族で他は見えなくなる模様。
この空気感をかってアフガン攻め開始から3週間後の10月26日──


あの「愛国者法@Patriot Act」こと「2001年のテロリズムの阻止と回避のために必要かつ適切な手段を提供することによりアメリカを統合し強化するための法律@ Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001」長げーよ発効。


テロ対策を名目にすれば、個人情報をほぼ自由に調べられるようになり、令状なしの通信傍受、入国者の無制限留置、テロ関係者(サポーター含む)の「疑い」ある者の資産凍結や起訴もできる。とにかく「テロとの戦い」って魔法の呪文を唱えてれば、治安当局がフリーパス券をゲット、っつう法律である。
ちなみに以前クリントン政権のときフルバッシングで否決された対テロ法案をはるかに超えて人権スルー度激しかったんだが。文句つけるなら非国民だからね。



ブッシュ政権のブレーンたちがそのへんまんまとウマーしてたのは、のちにリークされた最側近カール・ローブのメモ「戦争を燃料にしろ」からしても明らかで。
9.11に陰謀はあったのか?
たしかにそれはあった。
でもそれは陰謀論
この「戦争を燃料」にした支持率ブーストは翌々年のイラク戦争でさらに増幅される。
ただしブッシュ政権は唯一の“取り柄”のはずの戦争方面でも、
取り柄どころか初っぱなから爆死コースを自ら選んでるんだが。
それはまた別の話。


──アルカイダ最後の砦であるアフガン南部の国境山岳地帯トラボラ攻めにとりかかったのは、すでに12月になろうという頃。


遅まきながらそもそもの目的、対アルカイダ作戦も始動。北部同盟はカブールを奪い返せば大満足だけど、アメリカ的にはタリバーンなんてどうだっていいんである。
この戦争の達成条件はあくまでアルカイダ首魁オサマ・ビンラディン。



アルカイダ討伐のロードマップは、対テロ調整官リチャード・クラークとCIA対テロセンター長コファー・ブラックが大統領専用別荘地キャンプデービッドに籠もりきりで仕上げた力作で、
11月からサイバーセキュリティー担当特別補佐官へ異動する予定のクラーク的には、対テロ調整官としては最後のご奉公仕事のつもり。

「おれは大統領の前で“ビンラディンの首を持ってくる”って啖呵切ってきたんだ。絶対に引っ捕らえてやるぜ」

「ああ、そうだな」
-`).。oO(CIA組はこれで汚名返上して逆転力発動狙いの野心ギラギラだな)
クラーク的には開戦と同時に用意ドンでとっとと始まる前提で組み立てたオペレーションなんだが。なぜか実際に作戦が動き出したのは予定より2か月もずれこんだ。


トラボラの山々に連日激しい猛爆撃。
各マスメディアは「アルカイダ地下要塞は難攻不落」を大盛り上げに盛り上げて米軍苦戦ピンチだべって大はしゃぎなんだが、


このナントカ戦隊モロダシンの悪の秘密基地みたいな断面図とか
どうやって内部知ったんだよって感じだが。

奥のほうでビンラディンこんな感じになってるイメージ。


でも、じっさいには金欠で始終ピーピーいってた民間団体でしかないアルカイダがそんな巨大地下要塞なんかつくれるはずもなく、



のち「山岳洞窟要塞 獅子の棲み処」に踏み込んだ米兵たちはしょぼい現実を前にして拍子抜け。まともに立って歩くのもむずかしいくらいの狭い天然洞穴を最低限削ってつなぎ合わせたトンネルがちょろちょろっつう感じで。
開戦から2か月も経ってるから、ビンラディンなんてとっくに国境越えてパキスタンの部族地域@トライバルエリアへ逃げおおせてんじゃね、ってのは言わない約束だ。



分厚い岩盤を粉砕するため地中貫通爆弾@バンカーバスターを投入。地下施設のコンクリや鋼鉄製の防壁ぶち破って中で爆発する「ぜってえ殺すマン」な兵器である。






この鬼空爆でトラボラに籠城してたアルカイダ戦闘員100人以上が死んだし、アルカイダ序列3位の大幹部アブー・ハフスも死亡、アイマン・ザワヒリの妻アッザが幼い娘もろともに死んでるんで、アルカイダ勢はまだこの界隈でうろうろしてた模様。



トラボラ方面に米軍特殊部隊各チーム、CIAのSOG@特別行動部特殊作戦グループ地上班、足りない分は反タリバーンの現地部族も動員しつつ、

必要十分条件な兵力とはいえないながら、じりじりと包囲網を狭めていく。

悪の総帥オサマ・ビンラディン、副将アイマン・ザワヒリ以下アルカイダの指導者たちを“生死問わず”捕獲する【コブラ作戦】である。
【ウルトラ 最終便 終段 ─続々】へとつづく











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